第7話 6日目 リゾートクラブへ

トラベル小説


 今日はホテルをチェックアウトをし、リゾートクラブへの移動日である。

チェックアウト前に、レンタカーの確保である。レンタカー事務所のあるダウンタウンディズニーまで一人で行く。レンタカーの手配は予約していたこともあり、スムーズだった。ただ、ジュニアシートはウレタン製の簡易なシートのみ。日本みたいにハイバック式のシートではない。まあ、場所をとらないので助かるが・・。おおらかなアメリカを感じる。クルマはF社の小型車だ。乗り込んでみて、問題発覚。足が届かない。私は純粋な日本人体型なので、アメリカのシートサイズに合わないのだ。それで背中にリュックをおいたら、何とかブレーキに足が届いた。カーブとかでふらつくがいた仕方ない。もっともアメリカのハイウェイに厳しいカーブはない。

 10時にホテルについて、チェックアウト。クルマのトランクは荷物でいっぱいになった。リゾートクラブまでは150kmの道のりである。途中、ハンバーガーショップで昼食をとっていたら、ホームレスが一人入ってきた。座っているお客に

「Give me money . 」(お金めぐんで)

 と言ってまわっている。ちょうど食べ終わったので、席を立ちクルマにもどろうとしたら、そのホームレスがついてくる。クルマをあけると、トラブルになりそうなので、

「no money 」(もってない)

 と言ってやり過ごそうとしたが、食い下がってくる。アジア人とわかり、キャッシュを持っていると思ったのだろう。そこに、トイレに行っていた妻と祐実がもどってきて、そのホームレスに1ドル札を差し出した。すると、そのホームレスは去っていった。

 クルマに乗り込み、しばらく無言だった。妻には助けられた。だが、他にもホームレスがいたらどうなるかを想像したら、とんでもないことに巻き込まれていたと思う。外国ではキャッシュを見せるなは、ヨーロッパもアメリカも同じなのだ。

 午後2時にはリゾートクラブに着いた。4人とも左腕にリングをはめられた。これが宿泊客のあかしで、部屋の出入り、会計ができるとのこと。リゾート施設はどこも同じなのかもしれない。5時から説明会があるとのことで、それまで部屋で休むことにした。2階だての建物で中央に3つのプールがある。50mプールと、子ども用プール、そしてダイビング用のプールである。そのプールが見える2階の1室に1週間泊まる。バルコニー付きの部屋だが、さほど広い部屋ではない。ここもセミダブルベッドが2つ。バスタブはなくて、シャワーだけだ。もっともプールにはいつでも入れるので、バスタブに入らなくてもいい。

 5時になり、ロビーに行く。今日入ったファミリーは3組だった。アメリカ人はいない。皆外国人のようだ。まだバカンス前なのですいている。

 食事は所定のビュッフェレストランならば追加料金なし。フルサービスのレストランだと追加料金がとられる。アクティビティは無料。レンタル用品も無料。運河めぐりといったミニツアーも無料とのこと。問題は子どもたちだ。べべクラブ・ミニクラブ・キッズクラブ・ジュニアクラブと分かれている。これはヨーロッパも同じで、こどもたちはずっとミニクラブだった。だが、担当者の面接で聞いてきたのが、

「Wearing diapers ?」(おむつしていますか?)

 ということだったので、

「No 」

 と答えると、二人ともキッズクラブになった。祐実はその年齢ではないのだが、すいているから昇格したのかもしれない。でも、二人ともいっしょでよかったと思った。スケジュールを見ると、

 Fri.  swimming boat tour

 Sat. swimming diving

 Sun. swimming circus 

 Mon. swimming water-ski

 Tue. swimming water-polo

 Wed. swimming diving (much)

Thu.  swimming circus

 と書いてある。サーカスって何をするのかわからなかったが、毎日いろいろなことがあり、家族でドライブに行く暇がない。できればフロリダ中をドライブしたかったのだが・・妻はドライブよりキッズクラブのおっかけをする方に興味がありそうだ。ヨーロッパにいた時もミニクラブのおっかけばかりしていたのだ。それでもフロリダドライブは私のリクエストなので、火曜日だけは私に付き合ってもらうことにした。

 夕食はビュッフェレストランでワールドフードフェスティバルである。日本のコーナーもあり、今日はお寿司である。隣はK国料理のプルコギ、その隣はC国の麻婆豆腐、ヨーロッパのコーナーに行くと、ムール貝まであった。毎日食材は変わるらしい。欲張りすぎてお腹いっぱいになってしまった。子どもたちも久しぶりにおなかいっぱいになったと言っていた。明日の食材が楽しみだ。

 夜はプールサイドでカクテルタイムにした。アルコールは有料なので追加料金がとられる。子どもたちはプールで水かけをしながらはしゃいでいる。

 バーではカラオケ大会が行われていた。カラオケは全世界共通語である。こちらの人たちはじっくり聞くことはしない。一人が歌い出すと周りの人たちも歌い出すのだ。これでは点数がでるカラオケ機器は意味がない。

 ホームレスに1ドル取られるということはあったが、リゾートクラブの1日目、まず終了。

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