第3話 学校(2)
けっきょく6限目まで天女さんは俺に話しかけに来たものの毎回モジモジし、チャイムが鳴り言い出せてなかった。そして帰りのHRが終わったと同時にまた話しかけてきた。
「あ、あの~…」
今日この言葉を何回聞いただろう…
「ちゃんと聞くからゆっくり話してみ?」
「う、うん、あのね、」
…………………
なんか俺と話している時だけたまに詰まるよな、やっぱ俺のこと嫌いなのかな?
「えっと、私とライソ繋ぎませんか!?」
「え?」
「う、うん!」
「ライソって……メールとかが送れるアプリだっけ。」
「そう!それ!助けて貰ったお礼とかも改めてしたいし。」
「え、いいよそんなの。」
「私がダメなの!」
「そ、そうなんだ…でも俺そのアプリ入れてないよ?」
「ええっ!?」
彼女は凄く落ち込んでいる
「い、いや、入れる予定なかったし…」
「なら入れよう?ねっ?ねっ?」
急に圧が凄い
「わ、分かったよ。」
俺は天女さんの圧に負けライソを入れた。
「これで、いい?」
「うん!さっそく繋ごうよ!」
今度はとてもルンルンしている、感情豊かな人だなぁ
「これで私が一番目の友達だね!」
はっ、確かに!はめられた!!(?)
「じゃあ夜にまた連絡するね~。」
「は、はい…」
えっ?“また連絡するね”??ってどういうことだよ。
俺が聞く前にもう彼女は教室から出ていた。
その日の夜
俺は放課後に言われた言葉がどうしても気になり、ベッドの上で携帯の着信音が鳴るのを待っていた。
ピロロッン
「!?」
待っていたとは言え、急な音にびっくりした。
俺は恐る恐るライソを開くと…
『今日はライソの登録してくれてありがとう。それでお礼の話なんだけど…今週の日曜日空いてますか!?』
「えっ!?」
思わず声が出た。こ、これは…いわゆるデート、と言うものではないか。
どうする…ここは空いていると言うべきなのか……だが俺に選択肢はなかった。よしっ…俺は覚悟を決めた。
『空いてます。』と返信した。敬語なのはおかしいと思ったがまあ、大丈夫だろう、
彼女からの返信はすぐ来た。
『ほんと!それなら午前11時に◯△駅の前に集合ね!』
え!?ちょっ、ちょっと勝手に決めないで……
これで俺は日曜という休息が消えていった…
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