第2話 学校(1)
「あっ…ねーねー麻守君、私教科書忘れちゃった☆見せてくれない?」
あれから一週間が経つが俺が思ってた以上に何もなかった。しかし…
「また、ですか。」
「そうみたい☆」
なんて言うか…天女さんはちょっとおっちょこちょいなのかもしれない。
「はいはい、分かりましたよ。」
「ありがとー!!!」
さらに言うならあの日以来、彼女との距離がとても縮まっている気がする。
でもそのせいで他の人たちから
モブ1「な~な~お前天女さんと仲良いよなー?付き合ってるんだろー?」
モブ2「あなた私たちの天女さんを取らないでくれる~?」
などと何故か俺が言われていた。それもそのはず、天女さんはとても人柄がよく、たった一週間でクラスに溶け込めている。それに比べて俺は…
「………君、……君、麻守君!」
「えっ、天女さん!?」
「もーさっきから呼んでいるのに全然反応してくれないんだから。」
「ごめん、考え事してた。」
「えっ!?もしかして女の子のこと?」
「まあ、当たり、かな?」
「ふーん、ちなみに誰のこと?」
天女さんがずいずい来る。
「と、と言うかさ、天女さんは何で俺なんかに構ってくれるの?」
俺は話をそらすように本題に入った。
「えっ…なんでって言っても…」
なんだかモジモジしている。
「だってクラスには俺よりも話しやすい人とかがたくさんいるでしょ?だから何でかなーって思って。」
「んー、私は麻守君が一番話しやすいかなー。」
「そうかな?」
「そ、それよりも麻守君!わた、私と!」
またモジモジしている。
キーンコーンカーンコーン
ここで予鈴のチャイムか。
「あっ、授業始まっちゃった。ま、また次の休み時間に…」
彼女は何を俺に伝えたかったのだろう…
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