この世界には女神様がいるらしい。
なっかー
第1話 出会い
キーンコーンカーンコーン
がやがやがや
入学式も終わりまだ廊下だというのにざわついてた。
「なーなー、君どこ中?」
「校長の話長かったよなー。」
新しいクラスに移動中なのにも関わらずもう友達が出来ている人たちもいる。
「すごいな…そのコミュ力が俺にも欲しいよ…」
俺はそう独り言を言いながら1年三組の教室の中に入った。
「俺の席は……あそこか。」
俺の席は教室の後ろから二番目の何とも言えない席だった。
「はぁ~…」
そうため息をついて席に座ったその時だった。
「あっ!君はあの時の!」
「え?」
「私の受験票取ってくれた人だ!」
そこには見覚えのある、出来れば会いたくなかった人がいた。
「も~、あの時は急にどっか行っちゃうんだから。まだちゃんとお礼も言えてなかったのに。」
まじか…
時は遡ること数週間前
その日は合格発表の日だった。俺は受験票を握りしめドキドキしながら高校へと向かった。
「早く来すぎちゃったな、まだ時間はあるしどうしよう。」
俺は前日、眠気より緊張の方が勝ってしまい一睡も出来なかった。そのせいで合格発表の時間より一時間も早く着いてしまうという末路……。
「さて、これからほんとにどうしよう…」
そう思っていた矢先、
「すみませーん!」
急に俺の視界が真っ暗になった。
「え?」
俺は目に手を当てるとそこには…見知らぬ受験票があった。
「良かった、あまり飛ばなくて。」
え!?まずそっちの心配…
「あ、あの!それ私のなんです。」
「そうですか。良かったですねあまり飛ばなくて。」
俺は少し嫌味をこめてそう言った。
「あっ、そうですよね、てへへ…すみません。」
「ど、どうぞ。」
僕は彼女に受験票を渡しそそくさとその場を去った。
「あっ、待って………」
そして現在に戻る
「いや~まさか君が隣の席だったとはね…。あの時はありがとね!」
「い、いや俺は何も……。」
「ほんっっっとありがとう!あの時君がいなかったら今私ここにいなかったからさ。もう本当にありがとう!」
この人、何回「ありがとう」って言うんだろう…
「あっ、名前まだだったね!私、
これは俺も名乗った方がいいのか?
「えっと、
「麻守君だね!これから一年間よろしく!」
もう過去最悪の出会いだ。自分が恥ずかしくなるくらい…俺はこれからどうなってしまうんだよ……
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