第8話 わたしは、健くんにたくさん××する。
(side 静)
わたしは、家に帰って夕飯の準備を手伝う。
するとお母さんが、わたしに頼み事をする。
「静。お風呂湧いたから、健一郎に入るように言ってきて」
「はーい」
わたしはそれを快く引き受け、健くんの部屋に行く。
健くんの部屋のドアをノックすると、彼が出てくる。
「健くん。お風呂に入りなさいって、お母さんが言ってるよ」
部屋から顔を見せた健くんが、いつもより更に澱んだ目で返事する。
しかも今迄見たことないほど、暗い表情で。
それを見て、健くんが何かあって悩んでいることは、間違いなかった。
わたしは、その時思った。
今日が、もしかしたら健くんとの距離を縮めるチャンスじゃないか、と。
健くんを今日わたしの部屋に入れて、悩みを聞き出して彼の悩みを解決する。
それで、わたしのことを認めてもらえる絶好の機会だと、そう思った。
あと、うまくいけばもしかして、なんて期待もしていた。
その日の深夜、わたしは強引に健くんを部屋に連れていき、悩みを聞き出した。
健くんは、一人の女の子を助けた、でもその子から蔑まれるんじゃないかと、悩んでいることを打ち明けてくれた。
わたしが健くんの悩みを聞いて、その悩みに対して自分なりにアドバイスをしたら、健くんがすごく安心した顔をする。
わたしは健くんの顔を見て、彼の役に立てたといううれしさと、彼との距離が物理的に近いという今の状況に、気持ちがどんどん昂ってしまう。
わたしは、健くんとの距離を縮めるなら今しかない、そう思い、理由をつけて自分のベッドに彼を押し倒した。
湊ちゃんにはあんなこと言って否定したくせに、自分がそれをやってしまうなんて。
そう思いながらも、健くんがわたしの目の前にいるという状況に、興奮が収まらない。
健くんを押し倒してひと悶着あった後、健くんがやっと、私とのスキンシップから逃れるのをあきらめてくれた。
まずわたしは、健くんの体を抱きしめたり、健くんの胸に顔を埋めて匂いを嗅いだした。
「はぁぁぁぁぁ。健くん、いいにおい~~~~」
そんなことを思いながら、健くんのにおいを精一杯満喫したわたしは、健くんの両手を、恋人つなぎでつなぐ。
わたしは、本当はあなたのことを男性として狂おしいほど愛してる、そのことを示すために健くんの頬やおでこ、そして首にキスの雨を降らせる。
「ん」
わたしがキスする度、健くんがいい反応する。
わたしはそれを見てうれしくなり、更に腕と手首にキスの雨を降らせ、最後に唇の横にキスをした。
「……」
健くんは、少し頬を赤らめながらも、黙っている。
わたしは、もっと頬を赤くした顔が見たい、そう思い、今度は首筋をなめる。
「んんん」
健くんの喘ぐ声を聞いて、わたしはすごく興奮した。
わたしは、もっと健くんを喘がせるため、少し首筋をなめた後、鎖骨に強くキスをする。
すると健くんは、恥ずかしそうな顔で更に喘ぐ。
「ちゅ」
健くんのその顔を見て、わたしは更に、健くんの上着をはだけさせて、健くんの胸と腰にも強くキスをする。
わたしは、健くんへのキスであまりにも気持ちが昂ぶって、"したい"気持ちになった。
でもさすがに、今日の今日でそれは早すぎるし、さすがの健くんも、それをしようとすれば本気で怒るだろう。
そうすぐに冷静になったわたしは、最後に健くんの唇にキスをする。
10秒くらいキスしたあと、わたしは健くんに抱き着く。
そのまま、わたしは健くんの体温を全身で感じながら、眠りについた。
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