第七十九話 対新ラーベ王国会議
「これより、対策会議を始めようと思う」
なぜか私が司会進行役となってしまったが、そうしなければ初めて会う王同士も多いので仕方がない。
なにしろこれまで、我らは一堂に集まって話し合いなどしたことがないのだから。
見知った顔もあるが、だからといって仲がいいというわけではない。
中には、国境線、漁業権、水利権、貿易摩擦、二重所属している貴族……国境付近の貴族に多い。戦争になると領地が荒れてしまいうので双方にいい顔をするのだが、仕方のない面もある……の問題等々で揉めている国同士もあり、仲が悪い国同士の方が多いのは、仕方がない面もあった。
だがそれでも、私たちはこうして集まる必要があったのだ。
「北の強国、新ラーベ王国についてだ」
新ラーベ王国。
この数ヵ月で、突然アースガルド大陸に勃興した大国である。
わずかな期間でリーフレッド王国、ラーベ王国以下、歴史のある国々を一気に併合し、この大陸一の強国となった。
その際に多くの犠牲者が出たり、国土の荒廃があったはずなのに、新ラーベ王による統治は安定している。
戦災見舞いを兼ねた、民たちへの免税。
人気が出て当然といえるが、こんな政策を実行して国庫が破綻しないのが凄い。
新ラーベ王は元々優秀なハンターだったそうだが、さずがに国家予算規模の資産を持っているはずがない。
それなのに、いったいどこからそんな予算を?
かの国では産業振興策として魔法道具の大規模生産と輸出も始めており、高価だが高性能で、他の国では作れないものも多く、これで稼いでいるという意見もあったが、どう考えても時期的な計算が合わない。
とにかく、この突如出現した強大な仮想敵国に我々は対抗しなければならないが、前途は多難であろう。
情報を集めてみたが、現在新ラーベ王国は新王の元、驚異的なスピードで発展を遂げている。
魔法道具を用いた建設工事により、短期間で新しい王城が完成し、さらに巨大な新王都も順調に拡大していたからだ。
征服した国々の王都も副都として再開発を行い、大規模な道路工事、大規模工房の建設、大農場の経営、精強な王国軍の編成、海軍の創設、新型大型船による貿易の開始。
恐ろしい勢いで、新ラーベ王国は発展していた。
もし数年後、彼らが南下を始めたら……。
単独では歯が立たないことは明白だ。
ゆえに、我らはこうして始めての多国間会議を開催したわけだ。
その前途は多難だが……。
「そういえば、新ラーベ王国より奇妙な書簡が来ていたではないか」
「『金属製の巨大ゴーレムと巨大魔獣が、リーフレッド王国以下、多くの国を滅ぼした』であろう? 嘘をつくにしても、もう少しマシな嘘をつけばいいものを……」
「しかし、本当に嘘なのであろうか? 新ラーベ王国は強国だ。わざわざそんな嘘をつく必要はなかろう」
「それこそが罠なのだ!」
突然、大きな怒りが混じった声が会議室に響き渡った。
マケドニア王……。
先日、王都北部の軍基地と北部方面軍が壊滅してしまった国の王だ。
もしかして先日の事件、戦争なのか?
どちらにしても、当事者であるマケドニア王が詳細を口にしないので、我らには真相がわからない。
マケドニア王が、新ラーベ王国南部を占領しようとして兵を出したのは事実。
ところが、新ラーベ王国がすぐに南部を防衛する軍を展開したため、あてが外れて一旦撤退させたはずだが……。
そのあと、なぜか再び新ラーベ王国侵攻して退けられたはずだ。
不思議なのは、なぜか王都北部の軍基地が壊滅してしまったことか。
新ラーベ王国は、軍勢をマケドニア王国領に入れていないというのに……。
噂では、マケドニア王国軍の一部がクーデターを目論み、マケドニア王が北部の基地と方面軍ごと殲滅したらしいとも。
真相は不明だが、マケドニア王国軍が甚大なダメージを受けたは事実だ。
マケドニア王国は新ラーベ王国と国境を接している。
先に自分たちが攻めた件もあり、今度は攻められるかもしれないと戦々恐々なのであろう。
「対新ラーベ王国同盟を提唱する!」
「同盟かぁ……」
「悪くないのかな?」
マケドニア王は、この会議に参加した国すべてで同盟を結ぼうと提案してきた。
新ラーベ王国が南下してきたら、これに同盟国すべてで対抗する。
賛成している国も多いが、微妙な表情を浮かべる王たちも多い。
なぜなら、どこか一ヵ国が新ラーベ王国に攻められたら、自動的にすべての同盟国が交戦状態になってしまうからだ。
各国はそれぞれ個別に他国との紛争案件を抱えているケースも多く、この会議に参加していない国も多い。
たとえば、マケドニア王国が新ラーベ王国に攻められ、同盟国で援軍を送ったあと、会議に参加していない国がその隙を突く。
実は非同盟国が新ラーベ王国と同盟を結んでおり、同盟国に攻め込むなどの危険もあった。
各国にはそれぞれ事情があり、対新ラーベ王国同盟のメリットとデメリットを懸命に計算しているのであろう。
「(同盟締結は難しいだろうな……)」
どの国も、新ラーベ王国に脅威を感じているのは確かだ。
だが、だからといってすぐに同盟締結というのも難しい。
結局対新ラーベ王国軍事同盟締結は見送られたが、新ラーベ王国に対してできる限り対応していく、という声明を出して終了となった。
「(今回は、初めての多国間会議だ。これを開催できただけでも意義はあると思う。次の会議ではもっと参加国も増えるはずだ)」
この会議自体が無意味というわけではない。
確実に進歩はあったのだ。
「(これからは、参加していない国の会議への参加を勧めなければ)」
新ラーベ王国の国力増強が激しい。
王都上空にある謎の巨大円盤に脅威を抱く国も多く、どの国も生き残り必死であった。
「(新ラーベ王国は、世界征服を狙っているのか? それにしても、あの国の国力と技術力の伸長はなんなのだ。新ラーベ王。彼の野望の果てはどこにあるのか……)」
とにかく今は、なるべく多くの国で新ラーベ王国に対し警戒しなければ。
油断は禁物であろう。
そして他の国は知らないが、我が国は少しでも国力と、技術力を増していかなければ。
古臭い貴族たちの反抗も多かろうが、やらなければ新ラーベ王国に潰されてしまう。
とはいえ、新ラーベ王国は効率的な統治のために、多くの王族、貴族たちを排除してしまった。
危機感を抱く貴族たちも多く、先が思いやられてしまう。
なぜ私は、こんな時代に王になってしまったのであろうか?
しかし退位もできず、とにかくやるしかないのだ。
「というような感じの国際会議が開かれました」
「なぜ我が国が、世界の脅威認定されているんだ?」
「当然かと」
「……難しいなぁ……」
女帝アルミナスの脅威を、この世界の人たちに伝えるのは難しい。
それに備えての国力と技術力の増強なのに、世界征服に使われるかもと他国から警戒されているし……。
だけど備えを怠るわけにもいかず、俺は情報を持ってきたボンドの前で思わずため息をついてしまうのであった。
「ラーベ王家専用のプライベートビーチって。これ必要なのかな?」
「必要に決まっています。今や、この国にとって陛下と王妃様の安全はなによりも大切なのですから」
「しかしだな。俺とプラムは、常に命がけで機械大人と機械魔獣と戦っているんだ。今さらな気もするがな」
「それはそうなのですが、今の警戒シフトは他国に対する防諜も兼ねているのです。今や新ラーベ王国は多くの国から警戒されております。暗殺や誘拐に注意していただきたい」
「俺を暗殺? 誘拐?」
「私もですか?」
「だからいいではないですか。王家がプライベートビーチを持っても」
「いいけどね」
今日は関係者のみで、旧ラーベ王国東部の端にある砂浜で海水浴を楽しんでいた。
王家だからプライベートビーチを持って当然。
ムーアの考えは理解できなくもないし、最近、俺とプラムを探る他国の間諜たちがしつこいらしい。
ボンドがかなり排除したそうで、それが余計に我が国への警戒心に繋がっているとも……放置できないので仕方がないけど。
そんな事情もあり、俺たちはプライベートビーチでしか海水浴ができない身となっていた。
あと、王家の人間は俺とプラムだけなので、他にはムーアとアントンが奥さんを連れて、他はシゲール一家に、ミアとメアという面子となっていた。
アトランティスベースには、古今東西様々なファッションのデータが残っており、その再現も容易で、プラム、ミア、メアを始めとする女性陣は地球風の水着を着ている。
これまでの水着に比べると布の面積が小さいので、恥ずかしいのでプライベートビーチ……にしては、みんな特に恥ずかしがっていないという。
「プラム様、この水着いいですね」
「うわぁ、プラム様はスタイルいいなぁ……」
いまだ成長途上のミアとメアは、プラムのスタイルのよさを羨ましがっていた。
確かにプラムはスタイルがいいよなぁ。
俺の可愛い妻だ、うん。
ミアとメアも、あと何年かすれば美しく成長すると思うけど。
「コヘイ、なにしているんだ?」
「資料のチェックです」
「今日くらい、休むか遊びなよ」
コヘイは、海水浴に来ても俺が支給したタブレットで勉強をしていた。
真面目な奴……と思ったら、実は女性陣の水着姿が目に毒だったようだ。
それでもたまにチラチラ見ているので、年頃なのでこんなものだなと思って放置していた。
なお、父親のシゲールはビーチパラソルの下で寝ていた。
真面目な子供に似ず、非常にマイペースな男であった。
「ダストン様、お昼はなににしましょうか?」
「これです」
俺の代わりに、アントンが大量の缶詰、レトルト食品などを取り出した。
軍で採用したものだが、これまではアトランティスベース(基地)で製造していたものを、新王都郊外に新設した工場で作らせ、品質検査で合格が出たものだそうだ。
「海でこれを食うのか?」
「シゲール殿、なにか文句でも?」
いつの間にか目を覚ましていたシゲールが、せっかくのバカンスで携帯食を食べることに異議を唱えたが、アントンはそれを即座に却下してしまった。
「美味しいからいいんじゃないかな?」
「まあ、種類も豊富ですからね」
シゲールも、別に携帯食が嫌いというわけではない。
研究で籠もっている時には、愛用しているくらいだから。
「デミグラスハンバーグ、タンシチュー、鯖味噌煮、イワシのショウガ醤油煮、チキンカレー、ジンギスカン……色々あるんだな」
始めはマグヌードルくらいだったんだが、随分とレパートリーが増えたものだ。
「しかし、アトランティスベース(基地)のデータベースは凄いですね」
地球のありとあらゆる料理プラス、古代アトランティス文明の料理がすべて載っている。
アニメの設定だが昔のアニメゆえ、実は古代アトランティス文明時代のオリジナル料理なんて載っていなかった。
それでも地球の古今東西の料理がすべて載っているので、別に困りはしなかったけど。
「陛下、携帯食とは思えない美味しさですね」
「これで五年保つって凄いですね」
ミアとメアが携帯食に感心しているが、これも古代アトランティス文明の力?
長持ちする携帯食なら地球にもあったので、違うかもしれないけど。 なお、マグヌードルも携帯食も五年が賞味期限であった。
本当はもっと保つけど、古い携帯食でお腹を壊されると困るので、賞味期限が切れそうになったら、軍で消費することになっていた。
まだ新しい軍ができて五年経っていないので、みんな通常の野営訓練で試食はしていたけど。
ドルスメル軍務大臣によると、我が軍の携帯食は非常に人気があるそうだ。
新工場を作るくらいだからなぁ。
でもあの工場は、このところの騒乱で一家の大黒柱を失ってしまった寡婦たちが、普通に暮らせる稼ぎが得られるように設置されたという理由も存在していたけど。
「デミグラスハンバーグとご飯の組み合わせは最高だな」
この世界でも、地球の食事がとれるのはよかった。
「実は、工場をもっと増やそうかと……工場で働きたい寡婦が多いのです」
「そうかぁ……」
機械大人と機械魔獣のせいで多くの女性が、夫や父親を失ってしまった。
彼女たちが普通に暮らせるよう、女性が働きやすい職場は必要だよなぁ……。
縫製工場なども、今アントンに命じて作らせている。
男性は……シゲールが進めている魔法道具の量産を行う工房の従業員、国土開発に携わる者、輸送用の魔法道具の運転手など。
いくらでも職はあったので、就職案内と職業訓練くらいしかしていない。
親を失ってしまった子供たちには、夜学のような制度を作って働きながら学べるようにしたから大丈夫なはずだ。
小さな子向けの孤児院も作ったが、こちらは手が足りないので教会に資金を渡して委託していた。
「しかし、そんなに軍で消費できるのか?」
訓練で、そんなに沢山携帯食は食べられないだろう。
「それが……これを欲しいという国外の商人が多いのです。ハンターも欲しがっているそうで、ランドー殿からも引き合いが……」
常温で五年保つから、需要があるんだろうな。
特に、人里離れた場所で魔獣を狩るハンターたちが便利に感じたようだ。
「売れるのなら、工場は作った方がいいよね」
「陛下の許可が出ましたので、携帯食の工場を追加で整備しましょう。雇用は寡婦を最優先しますよ」
とにかく、不幸な人を一人でも減らさなければ。
もし機械大人になられたら困ってしまうのだから。
しかし、他国はどうにもならない。
こちらは、先日上手くやったように防衛態勢の充実が必要だろうな。「デザートですが、これは美味しいですね! 素晴らしいですよ!」
アントンは、おはぎの缶詰がとても気に入ったようだ。
それにしても、おはぎの缶詰なんて初めて知った。
タクワン、パンなどよりは、珍しくないのかな?
他にも色々とあるが、アトランティスベース(基地)でしか作れないものは、高級品として少量流通させるか。
高級酒と同じ扱いだな。
「あとは、この粉が素晴らしいです」
「ああ、これね」
アトランティスベース(基地)で作ったスポーツドリンクの素なのだが、軍人、労働者に人気だそうだ。
「これを定期的に飲ませると、熱射病で倒れる者が少ないんですよ。特に、新王都周辺では需要があります」
新ラーベ王国も広くなり、北部では真夏以外まずあり得ないが、新しい領地である南方では熱射病で倒れる者が増えていた。
王国軍も、訓練の課程で熱射病で倒れる者が次々と出ているそうだ。
それを防ぐのに、スポーツドリンクは有効というわけだ。
アトランティスベース(基地)で製造すると、ビタミンとか、ミネラルとか。
体にいい成分も簡単に配合できるのだけど、工場で作らせると難しい……アトランティスベース(基地)で製造したビタミン、ミネラル類を工場に運び込み、そこで配合させればいいのか。
今は軍用にビタミン剤とかも製造、支給しているから、そう手間でもないはずだ。
軍でのトレーニングの効果が出やすいよう、新人に支給するプロテイン。
これは、暫くはアトランティスベース(基地)で作るしかないか。
牛乳の生産量なんて、この世界では本当に少ないのだから。
「ところで陛下。実は、近々戦争があるかもしれません」
「「「「「「「「うわっ!」」」」」」」」
突然声が聞こえ、見るとボンドが水着姿でいたので驚いてしまった。
彼も、自分なりに海でのバカンスを楽しんでいるようだ。
今までどこにいたんだろう?
「戦争? どこが?」
「マケドニア王国です」
先日、バルゼー将軍が反乱を起こして王都北部の軍基地と北部方面軍が壊滅した国か。
機械大人化しかバルゼー将軍と、機械魔獣化したその部下たちは俺たちが倒したが、また誰かが機械大人化したのであろうか?
「隣のイーサック王国が、マケドニア王国に攻め込むのです」
「どうして?」
「北部方面軍と王都を守る北部基地の壊滅による戦力の低下。優れた将帥であったバルゼー将軍をその配下たちの死。隙ができましたから」
俺がいくら女帝アルミナスの脅威を他国に説明しても、なかなか受け入れてもらえない最大の理由であろう。
顔も見たことがない女帝アルミナスよりも、隣の昔から争っている隣国の方が脅威だからだ。
「イーサック王国とマケドニア王国は、ずっと小競り合いを続けてきた国同士です。イーサック王国からすれば、マケドニア王国の戦力低下はチャンスというわけです」
しかもイーサック王国は、先日の新ラーベ王国への対応を決める会合にも参加しなかった。
イーサック王国が、マケドニア王国が参加するのなら、そんな会議に出席するのはごめん被ると公言してしまうくらい、両国の仲は最悪であると説明を続けるボンド。
「マケドニア王国は負けるのかな?」
「膠着状態に陥ると思います。確かにマケドニア王国の戦力は大きく落ちましたが、元々イーサック王国よりも経済的にも軍事的にも大国ですので」
「膠着状態に陥るとわかっているのに、どうして戦争をするのでしょうか?」
「それが王妃様。イーサック王国は、『今はうちに勢いがあるから勝てる!』と思っているのです」
根拠のない自信ほど厄介なものはないか。
それとボンドの情報収集能力は凄いな。
イーサック王国の王様の発言まで掴んでくるのだから。
「これも陛下と王妃様のおかげです」
レベルアップとスキルの恩恵か……。
さらにボンドの場合、俺やプラムと同じでハンターとしての才能もあるから、レベルアップで身体能力が驚異的に上がる。
潜入工作、破壊活動の才能も持つ、最強のスパイに進化したというわけだ。
「とはいえ、無理はするなよ。ボンドは諜報組織の責任者でもあるのだから」
指揮官先頭ばかりに拘り、今ボンドを失うと新ラーベ王国は大きな損失を受けてしまうのだから。
「よほどという潜入工作でもなければ部下たちに任せていますからご安心を。それよりも、両国の戦争が膠着すれば難民が多く発生します」
祖国を逃げた難民たちがどこに向かうか?
当然、最近国力の増強が激しい新ラーベ王国が最大の候補になるわけだ。
「受け入れの準備をしないとな」
国境を封鎖するのは、今の新ラーベ王国の広さを考えると現実的ではない。
同時に、強く不幸を感じた人たちの中から、また機械大人と機械魔獣が生まれてしまう危険もある。
放置はできないので、受け入れるしかないな。
「金と物資があれば、なんとかなるだろう。アントン、ムーア。そうだよな?」
俺は、チェアーに寝転がってトロピカルジュースを飲んでいたアントンとムーアに尋ねた。
「はい。陛下と王妃様、ミア、メアが獲得した魔獣の素材と魔石に、アトランティスベース(基地)もありますから」
「土地に関しても、特に南方には大量に余っいているので、ベースキャンプから町にして、そのままそこに住まわせてしまうのも手です。農業をやりたければ、やはり土地は余っていますから。最初だけ支援すれば」
二~三年支援して、無税にすればいいか。
うちの国は、いつ税収が取れるようになるのかね?
機械大人になるよりはマシだし、数年後にはちゃんと徴税はする予定だけど。
「ちゃんと準備しないと」
「そうですね、ダストン様」
その後。
ボンドの予測どおり、イーサック王国がマケドニア王国に攻め込んで戦争が始まった。
最初は先手を打ったイーサック王国軍が勝っていたのだが、すぐにマケドニア王国側も巻き返し、戦線が両国の国境付近で移動するようになる。
そのため両国の国土が荒廃し、難民の多くが新ラーベ王国に殺到するようになった。
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