第二十七話 紛争

「はっ? バルサーク伯爵家が、諸侯軍を徴集しているだって?」


「はい、お館様」


「ムーア、フリッツの目標はここだよな、間違いなく」


「はい、他にありません」


「また面倒な……」



 この三年間。

 俺たちは多くの魔獣を倒して、沢山のレベルを上げることに成功した。



ダストン・バルザーク(16)


レベル643


スキル

絶対無敵ロボ アポロンカイザー


解放


カイザーパンチ

カイザーキック

カイザーアイビーム

フィンガーミサイル

コールドフラッシュ

ダブルアームトルネード

ロケットパンチ(爆破)

アームミサイル


無敵剣

豪槍(ごうそう)アポロニアス

スペースブーメラン

為朝の弓

スペースヌンチャク

スペース青龍刀



プラム・ラーベ(17)


レベル523


スキル

セクシーレディーロボ ビューティフォー


解放

レディーパンチ

レディーキック

パイオツミサイル

ヘッドレーザー


修理キット



 レベルはかなり上がったし、武装と武器も多少は増えた。

 アームミサイルは、腕の中に収納されている大きなミサイルで、その威力はセクシーレディーロボ ビューティフォーのパイオツミサイルに相当する。

 スペースブーメラン、為朝の弓、スペースヌンチャク、スペース青龍刀は、特に説明する必要はないだろう。

 絶対無敵ロボ アポロンカイザーが誇る多彩な武器……スポンサーである玩具メーカーの玩具の単価を上げるため……だが、アニメだと一回か二回しか出番がなかった。

 あまりに武器が多すぎると、かえってどれにも焦点が当たらなくなるという、ロボットアニメの典型例なのだ。

 セクシーレディーロボ ビューティフォーは、頭部から出るヘッドレーザーが新しい武装として使えるようになった。

 元々、セクシーレディーロボ ビューティフォーは武装が少ないので、火力不足なのは仕方がないな。

 その代わり、セクシーレディーロボ ビューティフォーなのでその辺の魔獣が数百匹同時に襲いかかっても負傷すらしないけど。

 俺たちが頑張って魔獣を倒し、その素材や魔石の売却代金で購入した広大な領地を開発した結果、ムーアとアントンが結果を出し、三年でちゃんと領民たちから税を取れる領地になった。

 魔獣討伐で得た多額の金を惜しみなく注ぎ込み、農業のみならず、職人、鍛治師、魔法道具の製造工房などの誘致を行い、どうにか軌道に乗せたという感じだ。

 うちは税も三割と安いので、暗黒竜のせいで混乱している北部の人たちが多く移住してきた。

 特に多いのは、父の死後、税率を八割に。

 そして今は九割の税を領民たちに課し、リーフレッド王国の王城で『あいつは頭がおかしい』とまで言われるようになった、フリッツが領主を務めるバルサーク伯爵領からの逃亡者たちであった。

 それは領民たちに、そんな重税をかければ生活できなくなるのだから当然だ。

 しかもフリッツは、この三年で残酷さを増していた。

 自分に逆らったり諫言する家臣たちを殺し、その家族を奴隷に落とし、領地から逃げ出そうとした領民たちを捕らえると、やはり奴隷にしてしまう。

 そもそも、リーフレッド王国では奴隷は禁止なのだけど……。

 ただ、貴族の領地は一種の独立国なため、リーフレッド王国としても注意はできるが……といった状態であった。

 この三年でバルサーク伯爵領は荒れに荒れ、ついに隣接するうちから奪えばいいという山賊経済に移行したようだ。


「仕方がない。打って出よう」


「私もダストン様の意見に賛成です」


 イナゴの群れを相手にするようなものなので、領内に入られると略奪でも始めかねないからな。

 領外で迎撃してしまおう。

 諸侯軍だけでも勝てるように用意はしたが、こんな戦いで兵を死なせるのが惜しい。

 俺と、俺の婚約者となり呼び方が『師匠』から『ダストン様』に代わったプラムの二人で十分だろう。


「フリッツは、なにか勝算でもあるのでしょうか?」


「わからない……」


 とにかく油断は禁物ということで、俺とプラムはバルサーク子爵領と|バルサーク伯爵領(ややこしいなぁ……)の境界線まで急ぎ飛んでいくのであった。

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