第3話 仕込は序盤にしておきましょう
わたしは起承転結という構成があまり好きではないのですが、起承転結がしっかりしていない作品を読まされるのは苦痛に感じます。ですから、最低限の型は整える必要があることは理解しています。
さて、我らチーム犀川はそろそろ書いていかないとなりません。もちろん書くのは頭からで良いのですが、テクニックだけで書くので、いくつか仕込をしておきます。
①正規ルートの彼女とのやりとり(恋愛模様を書く)
②オチを仄めかすように彼女の母とのやりとりにクセをつける
③主人公、彼女、母の人物像を考えない。
わたしはチーム犀川のライターであるあなたに、上記三点をオーダーし、八百字から千字程度で書いてと指示します。その間はわたしはソファーに座り、近況ノートに書くネタを考えることにします。
さて、①ですが、これは読者にオチを知られぬよう、真面目に主人公と彼女についてのストーリーを書けば良いです。できるだけ生真面目に書いた方がオチは冴えます。もちろん集客と高評価を狙う為に出だしの一文に力を入れたいですが、今回はテクニックだけでのらりくらり書きますので意識しません。①で大事なのは主人公と彼女が付き合っているシーンのみです。教室で何回か会話のキャッチボールと会話での仕草を書けば四百字近くにはなるでしょう。
②は非常に重要です。さりげなく母を登場させ、更にさりげなく主人公と母との接点を作ります。初見ではわかりにくく、かつ、二回目読んだら読者さんに「なるほど!」と言わせられたら、テクニックに磨きがかかっている証拠です。わたしたちは読者からの感想を楽しみに仕込んでいけるようになります。
③も大事な要素です。わたしたちのモットーはテクニックだけで書くことです。時短料理並の適当さで美味しい料理を作るのです。時間をかけて人物像など考えてはいけません。精々、年齢、性別、特徴的な性格くらいを考え、あとは一貫性を保って書けば良いのです。
これでわたしたちは起と承の半分くらい書けました。今日はこれだけ書けば十分です。時間にして三十分から一時間でしょうか。お疲れ様です。肝である母とのやりとりに不自然さがないかだけチェックしたら、冷凍庫にあるアイスクリームでも食べようではありませんか。
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