正と生

ヨートロー

第1話 静観

 はじめは、どうだっただろうか。

 それなりの自信と、正義がそこにはあった。


 だけど次第に、自分はどこか出歩くよりも、ひとところにいる方が満足する性質なのだと知った。


 なんのために、この職を選んだのか分からなくなるほど、私は幼き者たちを見守る側へと立場を捨てていった。


 幼さとは、その先にある輝かしい未来を誰よりも持っているということだ。


 それでもまだ多少の誠意が残っていたころ、私は戦いに参加することを決意した。


 とある事実を知った。

 彼らの抱える秘密。だがそれは、禁忌の成れの果て。


 彼らが禁忌を犯したことによって得た微々たる報酬と、反吐が出るような罰。

 容赦の余地はなかった。


 ただ、罰には先があった。


 彼らには罰を。しかし、この子らには何を?

 再度自身に問いかける。幼さとはなんだ。


 少し迷い、再び答える。

 その先にある輝かしい未来だ、と。


 私は再び、ひとところに留まることを選んだ。

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正と生 ヨートロー @naoki0119

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