第2話 噂


あれから数日たち、俺はクラスメイトの鈴乃さんとよく話すようになっていた。


「おはよう、鈴乃さん」

「あっおはようございます、青海くん」

教室に入り、本を読んでいた彼女に、俺は挨拶をした。

今日はどんな話をするかと考えて居た時、

例の女子から話しかけられた。

「ねぇねぇ、ちょっといい?」

「ん?どうしました?」

「最近こよみと話してるけど、あいつと話すの辞めた方がいいよ?」

「……俺が誰と話そうと別に自由じゃないですか」

「私は君のことを考えて言ってるの

あいつには良くない噂あるんだよ?」

「噂?」

「知らないの?」

噂……確かに、鈴乃さんに関する噂は聞いた事がない。俺はあまりそういう噂が好きじゃないからだ。

「あの子、猫耳としっぽが生えてたり、黒い噂……不良だったりって噂があるのよ」

「えっ?鈴乃さんが不良?」

正直、考えられない。ふわふわして弱そうな彼女が不良とは全く想像ができない。

「そう、だから関わるのはやめた方がいいわよ」

「でも俺はそんなことは気にしない。

鈴乃さんは優しい方だと俺は思うし、噂は噂だろ?」

「まぁ、勝手にすれば?」

そう彼女は言って俺から離れて行った。

「ごめんね、鈴乃さん。話の続き……」

そう彼女に話しかけたが、彼女はそこには居なかった

「青海〜、鈴乃だったらさっき教室出てったよ」

「そっか……ありがと」

どこに行ったんだろ……

そう考えて、授業を受けていたが、彼女が教室に戻ってくることは無かった

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