第四章 キリング・フィールド

第17話 答え

「――そうですね。それはとても、魅力的で素晴らしい提案だと思います」

 クローイはアーヴァインに向けて、にこりと笑みを浮かべた。

 まさかの反応に、ライラとジェイドの2人は少し驚いた顔をしたが――クローイはすぐに、瞳の奥に強い意志を宿し、こう続けた。

「ですけれど、わたしは遠慮させて頂きます。そのような世界は、わたしが望むものではありませんから。そもそも、わたしはその話がとても現実的なものだとは、到底思えません」

「貴様、我々の〝新世界秩序〟をバカにするつもりか!? たかだか〝道楽王女〟風情が偉そうに!」

 ダニエルがクローイに向かって敵意を剥き出しにした。とても相手が王女とは思えないような、不敬な態度である。

 恐らくこれがダニエルの本性なのだろう。もはや体面を取り繕うつもりすらないようだ。

「ダニエル、貴様――」

 怒りを浮かべたジェイドがとっさに前に出ようとしたが、それをクローイが制した。

「ダニエル、てめぇは下がっていろ」

 同じように、アーヴァインもダニエルを下がらせる。

 クローイもアーヴァインも、お互いに相手のことだけを真っ直ぐに見ていた。どちらも顔は笑っているが、眼は全く笑っていない。

「……ふむ。現実的ではない、か。確かに〝普通〟はそう思うかも知れねえな。だが……おめぇなら、この話の信憑性を正確に判断できると思ったんだがねえ。少し買いかぶり過ぎちまったか?」

「あなたが買いかぶっているのは賢者の石とやらの力ですよ、叔父上。確かに制御可能な魔人の力はとんでもないものだと思います。ですが……で、千年王国など夢のまた夢です。あなたも〝普通〟の貴族と根本的に同じです。平民を――いえ、襾学かがくの〝ちから〟をあまりに過小評価し過ぎています」

「……何だと?」

「お爺様の〝予言書〟でさえ、貴族が襾学かがくの力をコントロールできるという前提の上に成り立っています。どうして、誰も彼もそれが当たり前だと思うのでしょうか……わたしには理解ができません。たった百年でこれほど世界を変えた〝力〟を、我々がどうやってこの先も、それも千年に渡ってコントロールできると言うのですか? 確かに今はまだ出来ているかもしれません。でも、どうしてそれがこの先も続くと、無条件に信じられるのでしょうか?」

「んなもん簡単なことだ。いくら平民が強力な兵器を造ったところで、平民には〝魔法〟が使えねえ。魔力で身体強化することもできねえ。確かに連中がこの先、勘違いして増長することはあるかもしれねえが……だったら、きっちり統制すればいいだけのことだ。誰が飼い主なのか、これまで以上にしっかり躾けてやるのさ。刃向かうヤツはどんどん見せしめに殺せばいい。連中は、おれらの言うとおりにただ蟻んこみたいに働きゃそれでいいんだよ」

「……そう遠くない未来、平民は凄まじい破壊力を持った兵器を生み出します」

 ぽつり、とクローイが言った。

 アーヴァインは怪訝な顔になった。

「急に何の話だ?」

「それがいつかは分かりません。ですが、貴族と平民の戦争が始まってしまえば、は間違いなく生み出されます」

 相手の困惑に構わず、クローイは続ける。

「わたしには、その兵器の名前は分かりません。原理も分かりません。ですが、使。大きな都市を、たった一発の爆弾が、全て吹き飛ばすのです。とてつもなく恐ろしい兵器です。それが襾学かがくの力によって、そう遠くない未来生み出されるかもしれないのです」

「……」

「それだけじゃありません。やがて平民は空も自由に飛ぶようになるでしょう。今はまだ、空を飛べるのは我々だけですが……空を飛ぶ技術そのものは、すでに研究が始まっています。その技術も、そう遠くない未来に完全に確立され、空は鉄で出来た乗り物で埋め尽くされます。それだけじゃありません。地上も鉄の兵器が埋め尽くします。いま現在、存在しているような重火器の類いなど、これから生み出されていく兵器と比べれば、オモチャのようなものです。襾学かがくの〝ちから〟は、本当に我々が思っている以上に、とんでもないものなのです。魔法の持つ力など、あと100年もすれば通用しなくなるでしょう。そうなった時、我々はいったいどうなると思いますか?」

「……クローイ。おめぇ、まさか本当に〝未来視〟が使えるのか?」

 クローイは静かに頭を振った。

「さぁ、わたしが見たものが未来なのかどうかは、わたしにも分かりません。ですが……個人的に、ほぼ間違いなく歴史はそこに向かって流れているような気がします。あなたを含め、貴族の誰もが、平民のことをあまりにも過小評価し過ぎている……この状況がこのまま続くのなら、いずれ確実に貴族と平民の間で大きな戦争が始まるでしょう」

「ふん、馬鹿馬鹿しい」

 アーヴァインはクローイの言葉を一笑に付した。

「おめぇがどんな未来を見たのかは知らねえが――都市を丸ごと一つ落とすくらい、賢者の石の力があれば不可能じゃねえ。魔人が1体いれば十分に可能だ。確かにそんなすげー爆弾があったら厄介ではあるが、戦略的に見れば魔人化の力を持った貴族の方が〝兵器〟としては優秀だ。その力があれば、間違いなく世界は統治できる。おれが見ているのは、親父殿の見た都合のいい未来とは訳が違う。おれの目指す〝新世界秩序〟は誰にも破壊できねえのさ」

「その理屈そのものが〝普通〟の貴族の言い分とまったく同じなのだと、どうして気付かないのですか。我々は開けてはならなかったはこを、もうすでに開けてしまっているのです。このはこは、もう二度と閉じることはできません」

「なら、てめぇはどうするつもりだ? 貴族が平民を統治できねぇというのなら、このままをただ待つだけか?」

「そんなつもりは毛頭ありません。だからわたしは、貴族と平民の共存する未来を目指しているのです」

「……共存? 共存だと? 貴族と平民が、か?」

「ええ。支配するのではなく……ただとして、一緒に生きていけばいいのです。統治など、最初から必要ないのですよ」

「はっ、それこそ夢物語だな。平民は潜在的に貴族を怖れている。やつらの方が共存なんざそもそも望まねえよ。あいつらにとっておれたちはただの〝化け物〟なんだからな」

「それは我々がずっとそうしてきたからです。魔法が使えない彼らを、貴族が一方的に劣った存在だと決めつけていたからです。心の在り方を変えれば、それだけで世界は変えられるのです。貴族と平民が手を取り合うことは――絶対に出来ます」

「……」

 ライラは、思わずじっとクローイの背中を見ていた。

 今は不思議と、アーヴァインに対する怖れも感じなくなっていた。ただただ、自分の目の前に堂々と立つ少女のことを、じっと見ていた。他には何も見えない。見えているのは、クローイの姿だけだ。

 恐らくアーヴァインを含め、この場にいる貴族たちは、クローイの言っていることを本当にただの夢物語だと思っているのだろう。中央騎士団の連中からは、そういう雰囲気があった。もしかしたら、ジェイドも心の中ではクローイの言う世界を完全に信じてはいないかもしれない。

 けれど、それはある意味では仕方の無いことだった。これは決して貴族だけの問題ではない。平民にも、貴族との共存など考えられない――そういう固定観念は、確かに存在しているからだ。お互いがお互いに、両者は対等にはなり得ない存在だと、理解してしまっているのである。

 それはライラにも当たり前にあるもので、これはもう生まれや育ちでどうなるというレベルのことではなく――この世界の人間にとって、貴族と平民の間に存在する壁は、それほど大きいものだということなのだ。

 だからきっと、大多数の者はクローイの言葉を否定的に捉えるだろう。貴族は馬鹿にするだろうし、平民は反発するだろう。

 〝下等生物〟との共存など冗談じゃない、と。

 〝化け物〟との共存など冗談じゃない、と。

 でも――この時、ライラは不思議とクローイの言葉に反発は覚えなかった。きっと少し前の、クローイと接する前のライラなら、鼻で笑っていたかもしれないが……今のライラには、なぜか不思議とそういう気持ちはなかった。

 ライラが抱いた感情は、一つだけだった。

(……まぶしい)

 ライラの眼には、クローイの姿が――何だかよく分からないが、とても眩しく見えていた。これまでこの灰色に沈んだ街の中で、色褪せた光景ばかり見てきたライラの視界に、本当に久しぶりにまばゆい輝きが見えていた。

「……そうか。残念だ、クローイ。どうやらおれの見込み違いだったようだ」

 アーヴァインは溜め息を吐くと、

「――〝魔剣グラディット〟」

 その言葉と共に、その手に剣を握った。

 とてつもなく大ぶりの剣だった。まるで鉄塊のような大きさだ。体躯の大きなアーヴァインが握っても、その剣の大きさはとても際立つものだった。

 すぐに配下の騎士たちも剣を握った。

 その場が瞬時に殺気で満ちあふれた。

 ジェイドも慌てたように剣を生み出したが、なぜかクローイはじっと立ったままだった。

「クローイ様、お逃げください。ここはわたしが何とか食い止めます」

 ジェイドが切羽詰まった様子でクローイに言った。

 だが、

「……ジェイド、ライラを連れて先に行きなさい」

 と、クローイは静かにそう返した。声色は落ち着いていて、むしろ平静そのものだった。

 ジェイドは驚いた顔をした。

「わたしに逃げろと? 申し訳ありませんが、それだけはクローイ様のご命令でも聞くことはできません。わたしがここに残ります」

「ジェイド、わたしは何も死ぬつもりで残ると言っているわじゃないわ。全員が生き残るにはこの方法しかないからそう言っているのよ。あなたが1人で残れば確実に殺される。でも、わたしなら生き残れる可能性は十分にある。客観的に見てそれが事実だとあなたも分かるでしょう?」

「それは……」

「この狭い空間なら、叔父上がいても何とかここで彼らを足止めできると思うわ。いくら相手が人数が勝っていようと、この状況では多人数の利はまったく生かせないはず――だから、。あなたはまず地上への出口を探してライラを無事なところに退避させて。ライラを退避させたら、あなたの〝固有魔法〟でそこまでの案内をお願い。どうせ3人で闇雲に走り回ってもどこかで追い詰められるだけだろうから、色んな意味でそうするのが最良よ。これは団長命令。すぐにライラを連れて先に行きなさい」

「……了解、しました」

 ジェイドは非常に苦しげに言葉を吐き出した。

 話を聞いていたライラは戸惑った。

「ちょ、ちょっと待てよ。クローイ1人で足止めとか無理だろ! ここで3人で戦った方が――」

「阿呆か、貴様は。貴様がいても足手まといなだけだ。魔法もロクに使えん出来損ないヴィルマルスのくせに自分を戦力に入れるな」

「うお!?」

 ジェイドは一方的に、ライラの身体を肩に担いだ。完全に荷物扱いだ。

「おい、離せ!」

「……クローイ様、ご武運を。すぐに地上への退避ルートを確保してまいります」

「ええ、お願い。ライラ、また後でね」

 クローイはにこりといつもの笑みを見せてから、アーヴァインたちに向き直った。

「――〝魔剣グラディット〟」

 クローイが剣を生み出す。

 それはやはり、とても綺麗な剣だった。見ているだけで心が奪われるような、白銀の光を放っている。

 まるでクローイのようだ――と、この時のライラはふとそんなことを思った。

 ジェイドはライラを担いだまま、すぐにその場から駆け出した。

「クローイッ!」

 ライラは手を伸ばして叫んだ。

 すぐに戦闘が始まった。

 ライラは遠ざかっていく戦場を、ただ見ていることしかできなかった。


 μβψ


 すぐに光の矢が無数に襲いかかってきた。

 その攻撃の大半は、退避したジェイドとライラのことを狙っていた。

「――〝光の矢サグ・ルク〟ッ!」

 クローイもすぐに同じ魔法を生み出し、飛来した相手の魔法攻撃のほぼ全てを撃ち落とした。2人を追いかけようとした矢は魔法で、自分に襲いかかってきた矢は全て剣でたたき伏せる。

「やるなぁ、クローイッ!」

 間髪入れず、アーヴァインが斬りかかってきた。

 巨大な鉄塊としか言いようのない剣が、凄まじい威力によって振り下ろされる。とっさに受けるのは無理だと判断したクローイは、身体強化された肉体でしか出来ない動きと速さで、相手の一撃を回避する。

 大きな音と火花が生じ、アーヴァインの大剣が構造体の床面を大きく凹ませた。これがもし通常の地面であれば、恐らくクレーターが生じていただろう。

「ちぃ――ッ! やっぱ古代遺跡の構造体はクソ硬えなぁ、おいッ!」

 衝撃で少し手が痺れたのか、剣を握り直してから、アーヴァインはすぐにまたクローイへと斬りかかっていく。

 クローイは相手の剣戟を正面から受けないよう、相手の剣の軌道を利用して受け流し、避けられるものは全て避けた。

 もちろん、隙あらば反撃し、本気でアーヴァインの首を落としにかかる。

 そこにはお上品な王女様の姿など皆無だった。

 殺すか、殺されるか。

 いまのクローイが見せる鬼気迫る姿は、死地に足を踏み入れた騎士そのものだった。

(んな――噂には聞いていたが、あの小娘の実力はこれほどのものだったのか――?)

 両者の斬り合いを目の当たりにしたダニエルは、思わず息を呑んでいた。

 アーヴァインは間違いなくこの国でトップクラスの強さを誇る騎士だ。その騎士を相手に、クローイは全く引けを取っていなかったのである。

「ダニエル様、我々もアーヴァイン様を援護しましょう!」

「……援護だと? 馬鹿か貴様は。あの斬り合いのどこに我々の入る隙があるというのだ」

 この空間はそれほど広いわけではない。多人数で剣を振り回せばお互いに邪魔をし合うだけだ。それどころか、こちらがアーヴァインの振り回す大剣に巻き込まれる可能性があるので、迂闊にあの戦闘に手を出すことはできなかった。うまく連携が取れればその限りではないが、そもそもアーヴァインは連携など考える人間ではない。

「王女殿下のことはアーヴァイン様に任せ、我々は逃げた連中を追うぞ」

 ダニエルはすぐにそう判断して、両者の間合いが届かない距離を保ちつつ、素早くその場を抜けようとした。

 だが、

「――〝炎の壁ムル・イグン〟ッ!」

 突如、クローイの背後に炎が燃え盛り、ダニエルたちの行方を阻んだ。

 アーヴァインから距離を取ると、クローイはダニエルたちに目を向けた。

「残念だけど、ここを通すことはできないわね。通りたければわたしを殺しなさい」

 クローイの意思を表すように、ごうごうと猛火が燃え盛る。とてもではないが近づけるような温度ではない。炎を生み出しているクローイ自身でさえ、魔力で身を守っていても熱を防ぎきれないほどのエネルギー量だ。

「はははッ! 自分で退路を断つとは思いきりがいいじゃねえか! そういうのは嫌いじゃねえぜッ! だが――〝雷神の槍ハスタ・トニト〟ッ!」

 アーヴァインが魔法を放った。

 さきほどの光の矢と同系統の、その最上級魔法だ。

 地上で生まれた雷鳴が、炎の壁に食らいつく。

 両者の持つ魔力エネルギーがぶつかり合い、周囲の元素が大きく共鳴し空間そのものが震え出す。世界の理が、いったいどちらの意思に従うべきなのか分からず、悲鳴を上げているのだ。

(な――何て威力なの!? 叔父上は最上級魔法はもう使えないはずじゃ――)

 身体の一部が結晶化した貴族は、あまり魔力消費が激しい魔法は使えない。反動で結晶化が進み、最悪の場合は死に至るためだ。

 だというのに、アーヴァインはそんなことには構わず、とんでもない威力の最上位魔法を放ってきたのだ。

 クローイは炎の壁にさらに魔力を注ぎ込んだが、防ぎきれなかった。アーヴァインの放った雷鳴の轟きが、壁の一部を食い破った。

「おら、ダニエルッ! 逃げた連中を追っかけてこいッ!」

「――へ? うおッ!?」

 アーヴァインは何を考えたのか、ダニエルの胸元を掴むと、力任せにぶん投げた。

 ダニエルは悲鳴と共に投げ出され、まるで大砲の砲弾のように炎の壁の穴を突き抜けていった。

 壁の修復は、間一髪で間に合わなかった。

 ぶん投げられたダニエルは、すでに向こう側だった。

(しまった、抜けられた!? すぐに壁の位置を変えて再構成しないと――)

 クローイは背後に気を取られた。

「よそ見なんてしてる暇あんのかぁ、おいッ!!」

 そこへアーヴァインがすかさず斬りかかる。

 クローイはとっさに避けることが出来ず、真正面から相手の大剣を受けてしまった。

 ズドンッ! と凄まじい衝撃が振り下ろされ、火花が散る。

 何とか大剣を受けたクローイだったが、のし掛かってくる力を押し返すのに精一杯になってしまい、その態勢のまま動けなくなってしまった。

「く――ッ!」

「これでやっと力比べができるな……さっきみたいにちょこまか動かれたら面倒だからな。単純に腕力の勝負なら、おれの勝ちだ」

 ぐっ――と、アーヴァインの腕力がさらにクローイを押し込んでいく。本当に凄まじい力だ。機械式のプレス機でもこれほどの力は出ないだろう。

(まずい、このままでは――)

 クローイは焦りを覚えた。

 単純に剣術の腕前だけなら、アーヴァインを何とか抑えられると思ったのだ。魔法で通路さえ防いでしまえば、全員をここで足止めできると考えた。

 だが……まさかあの身体で最上位魔法を使うとは、まったく予想していなかった。というより、普通に考えればありえないことのはずだった。

(結晶化が起きている身体での魔法使用はリスクが大きいはず……それを承知で魔法を使っているというの? いえ、違う。叔父上に〝反動〟が起きている様子はない。まさか、――?)

 そこまで考えたところで、アーヴァインの背後にいる騎士たちが構えているのが見えた。動きを封じられているクローイに向かって魔法攻撃を放つつもりなのだろう。

 回避しなければ――とっさにそう思ったが、この状態では無理だ。

 いま動けば、間違いなく腕の一本は持って行かれることになる。それを覚悟してでもこの状態を脱するべきか、否か。

「うぎゃあ!?」

「な、なんだ貴様は!?」

 クローイが決断を迫られていた時、完全に予想外のことが起こった。

 後方にいた中央騎士団の騎士たちが、いきなり悲鳴を上げ始めたのだ。

「……あん? なんだぁ?」

 アーヴァインの注意も後方に逸れた。

 その一瞬の隙に、クローイは距離を取って態勢を整えたが――思わずその光景に目を見張った。

(な――あ、はまさか)

 どこからともなく現れた黒い影が、騎士たちに襲いかかっているのが見えたのだ。

「――ギ、ギギ、ギギギ」

 切裂号だった。

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