第11話 〝騎士団〟?

 ――翌日。

 ライラたちはかなり早い時間から行動を開始していた。まだ日が昇る直前で体感的に涼しく、民下街デプス名物の霧もまだそれなりにマシだった。この時間はどこの工場も操業前なので、まだ大気中に排気ガスが放出されていないためだ。

 けれど、多少なり霧がマシだと言っても、空が青いということはない。民下街デプスでいう晴れというのは、決して空が青いという意味ではない。ここはいつだって、息苦しい灰色の天蓋に覆われているのだ。

 クローイとジェイドは、相変わらずの格好だ。どうやら2人はその格好がの姿だと思っているようなのだが、やっぱり目立ってしょうがない。

 ライラは眠そうにあくびをかましてから、ふと昨日から気になっていたことを尋ねた。

「ところでさ、結局昨日の話に出てたアーヴァインってのは誰なんだよ? なーんか2人でやたら深刻そうな顔してやがったけど」

「それは……」

 と、なぜかジェイドはクローイを気にする素振りを見せた。答えても良いのか? と許可を求めているような視線だった。

 その視線に対し、クローイはこう答えた。

「その人物についてはわたしが説明するわ。なんせのことだしね」

「……身内?」

「ダニエルが口にしていた〝アーヴァイン〟というのは、恐らくわたしの叔父のことよ」

「……おじ? クローイの?」

「ええ。アーヴァイン・セクンドゥス・パノティア――叔父上はね、貴族社会ではとても有名な〝英雄〟なのよ」


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「ライラは知ってる? 今から20年前、わたしたちが生まれる前――この国が隣国のバルティカ王国と戦争していたこと」

「それって確か〝栄光戦争えいこうせんそう〟ってやつか? あれだろ? 平民をかき集めてつくった〝国民軍〟ってのが、騎士団と一緒に戦ったっていう」

「ほう? さすがに貴様でもそれくらいのことは知っているか」

「そんなに詳しくは知らねーけどな。オレの父さんが昔、その戦争に駆り出されたことがあるって、母さんが生きてた頃に聞いたことがあるだけだ」

「ライラのお父様が?」

 ぴくり、となぜかクローイがその話題に過敏に反応した。

 ライラは彼女の反応には気付かないまま続ける。

「ああ。オレの父さんは憲兵だったらしいからな。国民軍って憲兵からかなり人員引っこ抜いたらしいから、父さんもそん時に徴兵された……とかいう話だ。そんで、戦争が終わった後はまた憲兵に復帰してこの王都で働いてたんだと。つってもまぁ、小さいころに死んじまったから父さんの顔とかは覚えてないけどさ。全部母さんから聞いた話だ。んで、その戦争の話がどうかしたのか?」

「……」

「クローイ様? どうされました?」

「え? あ、ああ……いえ。何でもないわ」

 クローイは何やら少し様子が変だったが、気を取り直したように説明を続けた。

「栄光戦争が勃発した当時はね、隣国のバルティカは超軍事大国で、バルティカの騎士団は世界最強と言われていたの。当時世界の誰もが、パノティアに勝ち目なんてないと思っていた。でも、パノティアは勝利したわ。それも圧倒的な勝利だった。その戦争をきっかけに、世界のパワーバランスは一気に変わった。パノティアは国力をさらに増大させて、いまや史上初めての〝超大国〟と呼ばれるまでになった。それもこれも、全てはあの戦争に勝利したからだって誰もが言うわ。だから〝栄光戦争〟と呼ばれている」

「工場とかで働いてる時も、その時の話するやついるぜ。あれは国民軍がいたから戦争に勝てたんだ、って。自称、元国民軍兵士のおっさんがさ」

「そうね。実際、新型襾学かがく兵器で武装した国民軍はかなり活躍したと思うわ。あれは史上初めて、平民が貴族同士の戦争に〝戦力〟として参入した歴史的な戦争だった。でもね、貴族社会ではあまり国民軍の活躍は注目されなかったのよ。これみよがしに喧伝けんでんされていたのは、騎士団の活躍ばかりでね……特に三英雄と呼ばれている人物のことは、殊更に戦果を強調されていたわ。実際、その3人は我が国でも最強クラスの騎士だったから、実力や戦果は本物だった。その3人に限ってみれば、確かに当時世界最強と言われていたバルティカの騎士たちを圧倒していたと思うわ」

「ふうん? ってーと、もしかしてその3人の内の1人が、お前のおじさんってこと?」

「そう、それがアーヴァイン叔父上よ。と言っても、叔父上はもう現役は引退しているのだけれど……」

「引退? 騎士やめちまったのか?」

「騎士そのものをやめたわけじゃないわ。けれど、もう戦場に立つことはできなくなったの。栄光戦争で〝力〟を使いすぎたせいで身体に結晶化が起きてしまったのよ。一度結晶化が起きると、もう騎士としては戦えなくなるわ。あんまり〝力〟を使うと結晶化がさらに進んで、最悪の場合は死ぬことになってしまうから。だから戦後は役人になって、今は貴族院に在籍する〝きょう〟の1人になっているわ」

「なるほど……全然分からん」

「まぁ、〝卿〟っていうのはようするに貴族社会の代表者の1人ってことよ。叔父上の場合は〝軍務卿ぐんむきょう〟で、あらゆる騎士団のトップにいるの。騎士の代表者ってことね」

「それって……ようするにめっちゃ偉いってことか?」

「偉いどころか、つまりアーヴァイン様はこの国の最高軍事責任者ということだ。栄光戦争の〝英雄〟という肩書きもあって、貴族社会での影響力もかなり大きい」

 と、ジェイドが補足を入れる。

 クローイはとても神妙な顔で頷いた。

「そう……だから、ダニエルの口から叔父上の名前が出たのは、かなり重大なことなのよ。この第一中央騎士団の行動は貴族院はおろか、恐らくはお父様も知らないはずなのよ。なのに、この事件に叔父上が関わっているのだとすれば……恐らくこれは完全に叔父上の独断専行によるもの。だとすると、裏で何か、わたしたちの知らない大きな事が動いているのかもしれない。そして、その鍵になるのが恐らく切裂号のはず――だから、今はなんとしても向こうより早く切裂号を捕まえないといけないのよ」

「……」

 クローイはどこか、切羽詰まったような顔をしているように見えた。

 ライラには、何だかその表情がとても印象に残った。


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 それから、3人は再びイースト・エンドの中に入っていった。

 に擬態した2人は、やっぱりここではクソほど目立っていた。なので、ライラは捜索よりも前にまずとある場所へ向かった。

「この廃墟に何かあるのか?」

「廃墟じゃねーよ!? オレの住んでるところだよ!?」

「……なに? これが人の住むところなのか?」

 ジェイドは信じられない、という顔をした。

 ライラがまず2人を連れてきたのは、自分の住んでいる家だった。

「どうしてライラのお家に来たの?」

「お前らの格好じゃ目立ち過ぎるんだよ。そんなのでうろうろしてたら、とにかく目立ってしょうがねえ。だからとりあえず着替えてもらう。昨日のよく分かんねえ連中もまだこのへんうろついてるんなら、目立つのは都合悪いだろ?」

「それは確かにそうね……向こうがどう出てくるのか分からない以上、目立つのは避けた方がいいわね」

「なんだ平民、お前も少しは頭が回るじゃないか」

「お前らの頭が回ってねーんだよ……」

 ライラは2人を連れて、集合住宅の中に入っていく。クローイは興味深そうに周囲を見て、ジェイドはちょっと嫌そうな顔で同じように周囲を見ていた。

 他の住民に出くわす前に、彼女たちはライラの部屋に入った。

「……ここは、何だ? 犬小屋か?」

「だからオレの部屋だっつーの! お前さっきから失礼だな!?」

「いや、どう考えても人が住むには狭すぎるだろう? 厨房はどこだ? リビングはどこだ? 客間はどこだ? 寝室はどこだ? 浴槽はどこだ?」

「どんだけ部屋あるんだよ、てめぇらの家は……寝る場所だけありゃ十分だろが。ほら、さっさとこれに着替えろ」

 ライラはぞんざいに、自分の服をクローイとジェイドに放った。

 ジェイドは真面目に首を傾げた。

「……着替える? なぜ雑巾に着替えるのだ?」

「服だよ! 服!」

「は? この粗末な布が服? 雑巾じゃないのか?」

「ジェイド、さっきから失礼よ。せっかくライラが好意で貸してくれるというのだから、ありがたく借りておきなさい」

「いや、しかしこれは……せめてちょっと洗わせてください」

「んな時間ねーよ。いちおう水は出るけど乾かすのが――」

「すぐに終わる。――〝洗浄ラヴァティオ〟」

 そう言うと、ジェイドの目の前に大きな水球が現れた。

 ライラがぎょっとしていると、ジェイドはその中に自分とクローイの持っていた服を突っ込んだ。水球に取り込まれた服はぐるぐると周り、水球がパッと消えると綺麗に乾いた服がそのまま宙に浮いていた。

「ふむ……元が汚いから仕方ないが、着られないことはなくなったな。どうぞ、クローイ様」

「ありがとう、ジェイド」

「それでは我々は着替えるので、貴様は外に出ていろ」

 ライラは自分の家なのに外に追い出された。

「……魔法って〝なんでもあり〟だな、マジで」

 ドアの前でしゃがみ込みながら、ライラはしみじみと言った。


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 ライラの服に着替えたクローイとジェイドは、ひとまず悪目立ちすることはなくなった。ただクローイの金髪はやっぱり目立つので、結って帽子の中に隠した。ジェイドとライラは体格がほぼ同じなので服の丈はぴったりだったが、クローイはちょっとダブついていた。

「それにしてもクローイ様、昨日思ったのですが……イースト・エンドというのは思っていたよりもかなり広いですね。徒歩で全てを移動するのは限界があるのではないでしょうか?」

「確かにそうね……昨日も思ったほど回れなかったし、〝馬〟を使った方がいいかもしれないわね」

「……馬? 馬なんてどこにいるんだよ?」

「少し待ってね。

「は? 出す?」

「――〝石馬サクサルス〟」

 クローイが一言唱えると、急にどこからともなく光が集まり始めた。

 驚くライラの前で、光は渦を巻いて徐々に形を形成していく。

 すると、あっという間に〝馬〟が出現した。まるで本物の馬と見間違うような、精巧な石造りの馬だった。

「歩き通しだと疲れるから、今日はこれで移動しましょう」

「そうですね」

「そうですね、じゃねーわッ!?」

 ライラは思わず被っていたフラットキャップを地面に叩きつけていた。

「お前ら何のために着替えたのか分かってんのか!? 目立たないようにするためだっつてんだろ!? こんなん乗り回してたら余計に目立ってしゃーねーわ!」

「大丈夫よ、ライラ。色も頑張れば変えられるわよ。そうしたらただの馬でしょう?」

「なんも大丈夫じゃねーから! 馬そのものが目立つから!」

「……そう言えば馬は平民の間では高級品だったか。確かに民下街デプスで最も平均所得が低いイースト・エンドを馬で移動していると目立つかもしれんな……」

「そういうことじゃねーんだよ!? お前らいつの時代から来たんだよ!? もう民下街デプスで馬なんかどこも走ってねーよ!」

「……え? そうなの? でも、わたしが子供の頃に民下街デプスに来た時は、まだ街中で馬車を見かけたと思うけど……」

「それもう10年くらい前の話じゃねーのか? オレも小さい頃は何となく王都で馬車とか見たような気もするけど……いまはマジでどこも走ってねーよ。クリューソス以外の街に行けば、まぁいまも馬車は使ってるんだと思うけどさ。でも、少なくともここじゃ今はもう誰も馬なんて使ってねーよ。みーんな自動車乗り回してるやがるからな」

「自動車というと……あの謎の機械を動力にして走り回る鉄の箱のことか」

「謎の機械って……火動機関かどうきかんだろが。オレでも知ってるぞ」

 ライラは何だか段々と、違う時代からやって来た人間と話しているような気分になってきた。こいつらは貴族街ハイツで普段どんな生活してるんだろうかと本気で不思議に思った。

「とにかく、馬はナシだ、ナシ」

「そう……分かったわ。目立つのならやめておいた方がいいわね」

 クローイは石の馬を消した。光の粒子になって空間に溶けるように消えていくのを見て、ライラはつくづく魔法のデタラメさを思い知った。

「では、いかがいたしましょうか? これまでのように二手に分かれますか?」

「いえ、今日は一緒に行動しましょう。中央騎士団がいると分かった以上、警戒はしておくべきだわ。さすがにわたしにまで危害を加えるようなことはしないと思うけれど、ジェイドが相手だと何をするか分からないし」

「ご心配には及びません。自分の身くらい自分で守れます」

「もちろん、ジェイドの剣の腕を疑っているわけじゃないわ。それにこれは単純に効率の問題でもあるのよ。やっぱり地理を知らないわたしたちが闇雲に探し歩いても無駄が多い。実際、数日何も手がかりすらなかったのに、昨日はライラのおかげで実際に切裂号を見つけられたのだから。ライラに案内してもらったほうが、よほど効率がいいわ」

「なるほど……なら、今日は固まって行動しましょうか。おい平民、クローイ様を案内できることを光栄に思いながら切裂号がいそうな場所を捜せ」

「扱いがますます犬みたいになってきたな……オレは憲兵犬けんぺいけんかよ……」

 憲兵犬というのは、憲兵が事件の捜査などに導入するとても賢い犬のことである。

(くそ、何でオレが貴族どもの言うことに従わなきゃなんねーんだ? そもそもオレには関係ねー話なんだし、別に逃げてもいいんじゃねえの、これ?)

 別にイースト・エンドには何の未練もない。隠れ家としてちょうどよかったから身を寄せていただけだ。ここがダメだというのなら、それこそ人里離れた森の中にでも住めばいいだけの話である。

 ……だが、ライラはすぐにこうも思った。

(……っつても、逃げてどうすんだ――って話だわな。そもそもオレが生きてても、何の意味もない。誰もオレのことなんて必要としてない。むしろ、いつか魔人化して、そんで周りに迷惑かけるだけだ。だったら、別に生きる必要なんてねえんじゃねえの……?)

 ライラはあの日から、ただ漠然と日々を生きてきた。生きてきたと言うより、死なないようにしてきただけだ。それはライラの意思ではなく、単に生物としての本能に従ってきただけのことでしかない。

 あれ以来、極力、彼女は何も考えないようにしてきた。それは単純に、自分がヴィルマルスであることが恐ろしかったからだ。いったいいつ魔人化するのか、それは自分でも分からない。毎日鏡を見ながら、眼の色が変わっていないか確かめていた。その度に、彼女は自分にしか見えない〝影〟の存在を、ひしひしと感じていた。

 そして、ついに怖れていた時はやってきた。一時的とはいえ、眼が黄金色になってしまったのだ。あれは紛れもなく、自分が確実に魔人へと近づいている証拠だった。いまは収まっているが、次にいつまたあんな風になるか分からない。

(ああ、ダメだ……色々考えると、もう全部がイヤになってくる……)

 色々考えると、最終的な結論はいつも同じなのだ。

 ……結局、自分が死ねばそれで全て解決するのではないか?

 と。

 自分さえいなくなれば、それで全ての問題が解決してしまう。そして、自分は誰にも必要とされていない。

 だったら、もう死んでしまえばいいのではないか。

 そうすればもう、あの〝影〟に脅えることも、あの〝声〟を聞くことも、何も気にしなくて済むようになるのだから――

「それじゃあ、ライラ。お願いね。頼りにしているわよ?」

 ぽん、とクローイがライラの肩を叩いた。

 顔を上げると、クローイがまるで友達に向けるみたいな、親しい笑みを浮かべていた。

「……」

 顔を上げたライラは、しばしぼうっとその顔を眺めてしまっていた。

 クローイが不思議そうに小首を傾げる。

「どうかした?」

「……あ、いや、別に……何でもねえよ」

 そう言ってライラは歩き出した。

 ……こうして誰かに必要とされることなど、ライラにとっては本当に久しぶりのことだった。

 いま自分が感じている感情が何だったのか……ライラは、本当に久しぶりにそれを思い出そうとしていた。

「――あ、そうだ。ところでさ」

 不意にライラは立ち止まり、2人を振り返った。

「他の連中はどこにいるんだ?」

「え? 他のって?」

「いや、お前らあれだろ? 〝騎士団〟なんだろ? だったら他にも仲間がいるだろ? まさか二人だけなわけないよな?」

「わたしたち二人だけよ?」

「……え?」

「新鋭騎士団は、クローイ様が一ヶ月ほど前に創設なさった騎士団だ。なので、今はまだ団員はわたしだけだ」

「もちろん募集はしているのだけれどね。困ったことに誰も来てくれないのよね……ほら、わたしって貴族社会ではかなり評判悪いから。何と言っても〝道楽王女〟だものね。ほほほ」

 と、クローイはお上品に笑った。どうやら今のは笑うところだったらしい。貴族ジョークの笑いどころは、平民のライラにはよく分からなかった。

(……オレ、こいつらと一緒にいて大丈夫なのか……?)

 ライラはちょっと心配になってしまった。


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「――ギ、ギギ、ギギギ」

 ……誰もいない暗闇の底で、そいつは蠢いていた。

 時間が経過するごとに、そいつは少しずつ体に変化が生じていた。皮膚はますます硬質化し、顔にはかつて人間だった面影すらもうなくなり始めていた。

 それでも、その化け物が――切裂号がまだ〝人〟の形を保っているのは、彼にはまだ潜在的に人間だった頃の記憶が残っているからだった。

「ワタシ――ハ、エラバレシモノ――ケンジャノ、イシ、ハ、ワタシニコソフサワシイ――」

 ……〝彼〟にはもう、かつての自分の名前すら思い出せなかった。

 切裂号がかつて人間だった頃に着ていた服はもうボロボロで、硬質化した肌のほとんどが露出していた。

 深い闇の中に、黄金色の双眸だけがゆらゆらと浮かんでいる。

「ワタシ、ハ、カンゼンナル、、ヲ、テニイレタ――ワタシハ、ヨウヤク、、ニ、ナレルノダ――」

 ……そいつにはもう、いまの自分がどうなっているのか、正確に把握するような思考は残っていなかった。

 ただ、かつて自分が思い描いた夢を見ながら――邪悪な本能のままに、人を殺し続けているだけだった。

「ギ、ギギ、ギギ――」

 〝声〟はやがて、不快な金属音へと変わっていく――

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