第15話 はじめてのおともだち?

教室に入って来るなり生徒達を一瞥したフランツィスカは、俺と目が合うとニヤリと笑った。


アンタ、俺を自分の担任クラスに捩じ込んだんじゃないだろうな?


「よし、皆さん揃ってますね。私が1年Aクラスを担当するフランツィスカ・ガードナーです。1年間、よろしくお願いしますね?」


こうして見ると、フランツィスカは海の様な青髪の映える快活な女性にしか見えない。俺に見せるあくどい笑みさえなければ第一印象は100点満点だった。


「あ、あの!先生ってもしかして『闇壁あんぺき』のフランツィスカ、ですか!?」


教室の中央に座っていた少年が声を上げた。

…闇壁?なんだ、二つ名持ちの教員なんて聞いた事が無いが…。


「あら、物知りなのね。障壁魔法カベの事なら何でも聞いてちょうだいね☆」


他にも複数の生徒が食い入る様に2人の会話を聞いている辺り、それなりに名のある大物将校だったりしたのだろうか。


「私の話はこれくらいにして、今日はオリエンテーションをしたいと思います。ルールは簡単、適当に気になる子とお喋りしてくださーい!」


不味い。5歳の上流階級のお坊ちゃん達になんて話し掛ければ良いのか全く分からん。まず友達を作る事が俺にとって大きな課題となるやも…。


「あの…リーゼ・シャーロットさんですよね…?」


席から立てない俺に話しかけて来たのは、茶髪の巻き髪がチャーミングな女の子だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る