第14話 またお前か

怪鳥に乗り、家に帰るとエリナが沢山のご馳走を用意して待っていた。合格祝いと言うことらしい。落ちてたらすっげえ気まずい雰囲気で食う事になってたんじゃないか。


「いやー、今日のリーゼも最高に可愛かったんだぞ!まさか王級魔法を使えるとは思わなかったがな!」


「私もリーゼの晴れ姿見たかったのにぃー…」


「そんな大層なものじゃないよ。それより、いつから授業があるんだっけ?」


「明後日よ。それと、プテリクスのレンタル契約は済ませておいたけど、本当に1人で大丈夫?ママと一緒に学校行く?」


「大丈夫だって…」


そして2日後の朝、散々エリナに心配されながらも俺は1人、青空を駆けていた。


「にしても、魔法学校って始業式とか無いのがスタンダードなのか?一応入学試験が顔合わせを兼ねて観戦可能になってはいたらしいけどよ。」


結局俺は最初に見たリュッチェンス以外は誰も知らないままいきなり授業に入る事になる。年甲斐もなく緊張してんだ。


正門から校舎へ歩いて行くと、大扉の前にデカい掲示板が置かれていた。ああ、クラス名簿の貼り出しか。


どれどれ、俺のクラスは…1-Aか。分かりやすくて宜しい。1クラスにつき基本20人、A〜Eまでの5つのクラスに分かれるようだ。これがランダムなのか、何か恣意的な振り分けなのかは分からない。


…おっ、リュッチェンスも同じクラスじゃないか。少しばかり一方的に安心感を覚える。


自分のクラスを確認すると、幼年コース1学年の教室がある1階校舎に入る。校内図は既に配布済みだ。


A組に入ると、もう殆どの生徒が揃っていたので最前列の席に着く。その後直ぐにホームルーム開始時刻を知らせる鐘の音が鳴り響いた。危ねぇ、初日から遅刻は心象が悪過ぎる。


教室の引き戸を開いて、担任の教師が入って来る。どんな奴だろうか、熱血系だったらやだなー……、フランツィスカじゃねぇか。

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