第5話 解き放たれた幼女
結局、あの後大はしゃぎする2人と一緒に軽いホームパーティを楽しんだ訳だが、重要なのはそこじゃない。遂に4歳の夏にして自由な外出を許可されたのだ。この辺りに出現する魔物は強くてもE級、俺の実力なら充分対処出来るとエルヴィンは判断したらしい。エリナは最後まで渋っていたが、美少女の渾身の上目遣いで堕とした。
「よーし、とりあえず山頂まで登ってみるか。」
初陣を迎えた翌日、8月の日差しが降り注ぐ中俺は例の名もなき山の頂上を目指していた。標高はざっと300mあるかないかってとこだろう。
「しかし、前ならこのくらい何でもなかったのにほんとスタミナ無いなこの体…。ん?やっとゴブリンのお出ましか。」
昨日は出会えなかったが、ゴブリンはこの世界で最も一般的な魔物と言っていい。どんな大陸や気候環境でも生息する生命力の強さはある意味最強クラスなのかも知れない。
「強めの魔法も試して行くか…。ファイアジャベリン!」
…うーむ、制御は問題なく出来ているがマナの消耗が激しい。
人は体に内包するマナ量を超えて魔法を行使する事は出来ない。休んだりポーションを飲んだりすれば回復可能だが、生憎そんな物は持ち合わせていない。
「マナ切れの時に魔物とカチ合ったら洒落になんねぇな…。どうしたもんか。」
結局、その後俺はファイアボールだけを使ってゴブリンやコボルトを蹴散らしながら登頂を果たした。この2種以外の魔物には出会えなかった。ここは生物多様性に欠けるんじゃないかね。
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