第4話 帰宅時
あー知ってる知ってる
このクラスが私をハブにしていることくらいでも私にまで聞こえる声で言わなくてもいいじゃんとは思う。
それが、悪意を含むものであれ含まないものであれ。
加藤は、その私とかかわらない方がいいという旨のセリフを聞き、やや複雑そうな顔をして
「なんで?」と素直に聞いた。
佐々木はそれに
「あの子は、人とかかわるのが嫌いなんだよ。」
というセリフとともに私が入学最初の自己紹介で人とは関わりたくないといったことも説明した。
そんな話をしていると次の授業が始まり、また私と加藤の横並びになったわけだが加藤はもう一時間目のように教科書を見せてくれと私に言うことはなくなった。
しかし、加藤の隣は私か窓しかいないので時間を持て余して何か考え事をしているのか眉間にしわが寄らない程度の険しい表情をするようになった。
だが、それも四時間目のあたりから考え事も一段落ついたのか普通の顔に戻っていた。その間、休み時間や食堂での食事(私は弁当なのでわからないが多分)の間は佐々木らとずっとしゃべっていたのでそれが気休めになったのかもしれない。
「じゃあ、気をつけて帰れよー」
と担任がいつものようにぶっきらぼうにいい放つと私は、帰える準備を始める。
机の中に入った教科書やノートをカバンの中に入れていくと隣に影が現れるれ、その影は言った。
「今日一緒に帰らない?」
ちなみにその影は、加藤だったのだが佐々木らか、一人で帰ると勝手に思っていた私は、久しぶりに面食らってしまった。しばし沈黙が流れるとそれを肯定ととらえられたのか、彼は
「じゃあ、行こうよ」と声をかけた
「私一人で帰りたいんだけど」というと
「あ、でも方向が違うかもね。山内(やまうち)さんは、どっち方面?」と答える。
私がいつもそうしているからすぐわかったが加藤は聞こえないふりをしている。
マジでコイツ、、、
「桜花駅方面。てか、私山内(さんない)なんだけど。」
「じゃあ一緒だ、いっしょに行けるよ。山内さん」
と私の都合関係なしに強引にそう話す。
諦めた私は、歩き出すと一緒に帰るというより加藤があとからついてくるようにして二人で歩き出す。
「なんで私といっしょにかえるの?佐々木に聞かなかったの?
私のこと。」
「色々聞いたよ。人と関わらないようにしてるやらなんやら。」
「じゃあ尚更、なんで?佐々木達と帰ればよかったのに。」
「話を聞いたからだよ。あ、ちなみに明日も学校一緒に帰ろうね?」
こいつは、嫌がらせなのか?
「嫌だって。私は、一人がいいんだよ。」
と答えると加藤は、息を飲んでしまうほど雰囲気を変えてこう放った
「それは、山内さんの本心?あんなに、言われたまんまじゃ嫌でしょ?」
正直ホントに怖かった。いままで、にこにこしていた人が急に笑顔をなくすとここまで怖いのかとも痛感した。そして、加藤に対して強気に出ていたのに委縮してしまった私は何も考えずに肯定してしまった。
「う、うん、、、」
「だよなー、あそこまで露骨にハブらなくったってなー。
でも、なんで自己紹介の時あんなこといったのさー」
「私、大事なものを作るのが嫌いなの。どんなに大切な物でもいつか壊れるかなくなる。私がいなくなるかもしれない。そう思った時から私はすべてに無気力になったの」
会って初日の人間に何言ってんだか、、、
「それ、余命半年の俺に言う?あははは!」
なせ笑っているかわからないが
本当に私はなに言ってんだか、、、
ミニマリスト TSUBAKI @TSUBAKI0214
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