ロリ博士
俺は目を覚ます、状況はベットの上で謎の病室? だろうか、鉄筋コンクリートの壁だからどっかの地下室に違いないだろう。
ここはどこだ? たしか俺はあの時――――。
頭がズキンっと痛む、だが、あの時の事を鮮明に覚えている。
確か俺は死んだはずなのだ。
《目覚めたかね》
どっからともなく機械音声が飛んだ、周りを見渡すと一台の監視カメラにマイクが付いた存在が天井にあった。何となく察した。
「そこにいるのか?」
《うん、死にかけてた君をたまたま拾って来たから助けたなの》
「拾ってきた?」
《まるで、ゴミを拾ってきたみたい。って思わないで欲しいの…違った。言わないで》
いや、あながち間違ってない気がするのだが。
マイク先の人は女の子か? まぁいいや、こんなところで何をやっているのだろう。
「それで、なんで死んでないんだ? あれ、ロケランまともに食らっただろ? 生きてるのがおかしい」
しばらく沈黙後、相手はこう答えた。
《確かに死んだに等しいね。それはそれは臓器吹き飛んでたから、けど生きている今が不思議じゃないのも無理がないの。だって、私が君を修復したからなの》
「し、修復!?」
《大丈夫、半分はアンデッドで半分は人間なの。普通アンデッドの肉体に結合しないのに不思議なの》
「結合?!」
もはや理論が崩壊して何が何だか理解できない俺である。そう思えばこのあの時に右手焼けてたような―――――あっ。
「なんだこの縫い目は!?」
突然右手が激しく動き、左手を引きちぎろうとする。
「な、何をする右手!!? 今日からその手は俺が宿主だ!! ナニを何するまで死ぬまで付き合ってもらうぞ!!」
「いや、それ困るっすわ」
え? っと言う間が起きて視線を、右手に向けると平手側に口が出来上がっていた。
俺は口がある右手に「いやああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁ――――――!!」っと口から砲撃が出るような絶叫を叫んだ。いや、叫ばずに居られなかった。
《うるさいよ? そんなことぐらいで騒いでたらアンデッドなんて救えないよ》
耳を疑った発言、アンデッドを救うだと?
いやいやいや、ゴキブリを助ける感じで否めないじゃん?
いやいやいやいやいやいやいやいや、もしかしたらそうゆうのあるのか。
いやいやいやいやいやいや―――――以下略の割愛するけどありえない。
「小僧が宿主って正直ないわ。元の体が女の子だったけどこんな変態にくっ付けた博士がよく分からない」
「変態って言うな!!」
「なによ?! 年中ムラムラ発情期のくせに!」
「ぐはっ!!」
この右手……! いつかきっと切り離してやる!!
《仲良くやれてるみたいで良かったの》
「「全然良くない!!」」
《さて、まず君にはパートナーとなるアンデッドを与えるの。 どんな状況でも通訳は必要不可欠なの》
いや、通訳なんて必要なのか? そもそも理性がないだろアンデッド達。っと思ってると――――。
ガラガラ。
監禁室みたいな作りなのに引き扉だったが
フラフラしながら歩きながら現れた女の子。
声の主にしたら、肌白過ぎるよなぁ。
そう思ってると背後からちっさな少女が現れた。白衣着ている所からして――――お医者さんごっこ中だったりしますかね?
「お医者さんごっこじゃないの!! 私が君を助けた人なの!!」
「内心読まないでくれるか? てか、幼い君が何故こんなことを?」
「理由なんてないの、私はアンデッドが好きなだけ。それで君のパートナーはこの子が一番なの」
「ふむ、まぁ悪くないけど。俺これからどうすればいいんだ?」
「ここで暮らせばいいの、アンデッドに自我はあるけど人として目覚めさせるの」
何か無理があること言ってるけど、アンデッドをお世話する? 感じなのか。
さてパートナーさんはほっそりした手足。透き通った肌、半分は赤くて半分は青い髪の毛に独創的な服の子。ん、この姿はどっかでみたな。
「この子、ユルルカだ!?」
「うわぁキモ」
「黙ってろ右手」
「よく知ってるの、この子はVチューバーのユルルカの中の人。たまたま路上でいたから拾ってきたの」
「子猫拾ったみたいな言い方してるな。てか、なんで博士知ってるの?」
「企業秘密なの。あ、君のお世話の子はこの子じゃないからまた別に紹介するの」
流石、アンデッドを色々改良してるだけある。口は割らないだろうな。ん? 別にあるのか。なんという待遇。喜びを静かに噛み締めてっと。
「あ、あ、あぁ?」
「何を言ってるか分からない」
「あ」
「いじめないで欲しいの。まだ彼女は自我を取り戻したばかりなの」
「アンデッドから普通になれるのか?!」
「そうなの、その一例がその右手なの」
「本体どこいった!?」
「博士に保管されてる、ほらあそこ」
右手は指を指した、タイムカプセルみたいなのに保管されてる。
よく見ると、白い髪の毛で可愛い顔であるが全裸だった。
絶景すぎて言葉入らなかった。
「な、な、なななななっ!? ちょっと!! 博士なんで全裸なの!!」
「えへ―」
「褒めてないのよ!! これはかなり非常事態よ!! ほらみなさい彼はいやらしい目で硬直してるのよ!!」
「いや綺麗じゃないか?」
「う、うるさい!!」
右手に頬を叩たかれるなんて夢に思わなかった。こうしてアンデッドと生活が始まった。
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