デスゲーム 危機一髪
徳田雄一
闇のゲーム
これは恐ろしいデスゲームに巻き込まれた俺のちょっとした小話だ。
俺はあるとき、黒い紙が道端に落ちているのを見た。誰かの落し物だろうと思い、俺の良心が働いてしまいそれを拾い上げ交番に届けようとした時だった。
うしろから黒づくめの男たちが俺を取り押さえた。そして引きずられながら、ワンボックスカーに乗せられ目隠しをされたと思えば、不思議な建物に連れていかれた。
そこには小学生が2人、老人が2人、俺と俺と同年代くらいの女性が1人居た。何が始まるのか呼吸がしずらくなるほど心臓がドキドキと音を打っていると、黒づくめの男の1人が話し始めた。
「お前らにはデスゲームをしてもらおう」
「変な冗談はやめろよ!!!」
俺がそう叫ぶと、小学生2人は落ち着いた雰囲気を醸し出し、冷静に話を聞く体勢を取った。大人よりも落ち着いていることに俺は少し恥ずかしくなったが、そんなことよりもわけも分からない状況に追い込まれている事で脳は冷静さを失った。
男が話を再開させようとしたところで、俺はマイクを取りに男の近くに行こうとした時だった。足裏にとてつもない痛みを感じ、下を見ると無数の針が俺の足に刺さっていた。
「ガアアアアッッ!!!」
「……落ち着けと言っているのに」
「いってえええ!!!」
痛みでもがいていると、若い女性は俺に近づき手慣れた手つきで俺の怪我を応急処置してくれた。
「今は大人しく聞きましょう」
「……は、はい」
女性に諭される日が来るなんて思わなかった。恥ずかしさで耳が熱くなるのを感じた。そして俺は聞く体勢を取った。
「ようやく静かになったな。お前らに今からやってもらうのは危機一髪黒ひげゲームだ」
「黒ひげゲームってあの?」
「あぁ、そうだ。ルールは簡単。剣を突き刺し飛び出したら負け。だ」
ルール説明が終わった。と思いきや黒づくめの男達はとある紙を渡してくる。その紙を見ると番号が振られていた。
「その番号順に剣を刺していってもらう」
言われるがままに6人で順番に刺していった。
1人目、老人の男が黒ひげを飛ばしてしまった。何が起きるのか怖さで目を瞑っていると、突如老人の首が吹き飛んだ。
「え……」
「きゃああああああ!!!」
黒づくめの男たちは間髪入れずにヤレと指示を出す。俺らは従うしかなく震える手を抑えながらやっていった。
そして最後のふたりとなった。残ったのは俺と俺の傷を処置してくれた女性。無惨にも小学生二人も亡くなり、俺らだけになってしまった。
そして、ラストが訪れた。
「はぁ、はぁ……」
「うううう!!」
女性が刺した剣が黒ひげを飛ばした。そしてその数秒後女性も死んだ。
「お前が勝ちだ」
☆☆☆
全てが終わった後、警察に話したが、彼ら彼女らの死体は見つかることがなく終わり、俺は世間からの笑いものになった。
もし仮に黒い紙を見つけても拾わないでくれ
デスゲーム 危機一髪 徳田雄一 @kumosaki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます