二十四年 二月 降車ボタン

 お題写真はバスの降車ボタンのアップ。背景はボケてますがバスの車内です。誰だ、こんな写真撮って事務局に送りつけたのは。実はお題写真は会員が自由に撮って事務局に送ったものの中から選ばれるのです。なんという経費節減! おまけに採用したお題写真でカレンダーを作って、その月、御誕生日の会員にプレゼントと称して配っているというセコさ。嬉しくも何ともないです。逆に嬉しい奴いるのか?



☆ 降車ボタン押したがる子や風光る


 文句言ってたら並選だった。季語は「風光る」で春です。「春になって日差しが強くなると、吹く風もきらめいているかのように感じられる」俳句歳時記・春・角川書店編より抜粋。

 小さい子どもは降車ボタンを押したがりますね。降車ボタンに限らず、すべてのボタンがターゲットです。油断が出来ません。そんな元気な子の表情も含めて車窓を流れる風景も沿線の木々を揺らす風も、春を感じさせるなあ、という句です。並選。


☆ 終バスの降車ボタンや暮れの春


 季語は「暮れの春」です。「春の終わろうとする頃の意。行く春、春惜しむ、晩春等という感慨につながる。傍題は暮春、春暮る、春の果」俳句歳時記・春・角川書店編より抜粋。晩春の野山を抜けて走る終バスは、降車ボタンを押す人もまばらで、夕影の道に長いシルエットを引きながら走るのでした。並選。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る