二十四年 一月 寒し
「寒し」は冬の季語です。皮膚感覚、あるいは目に見えるもの、耳に聞こえるものなどを通して、様々に寒さをいう。(俳句歳時記・冬・角川書店編より抜粋)
焼香を待つ人の背の寒さかな
冬に亡くなる人は多いですね。告別式などに参列しますと、お坊さんがお経を読む間に参列者は焼香を済ませるという流れになります。打ちひしがれている人々の背中は力なく頼りなく、寒さが身に染みます。没句。
鴉啼く枯山水の寒さかな
昨年の秋の初めに京都を訪れました。東福寺というお寺は楓の紅葉の美しさで有名ですが、まだ季節が早くて梢の先の葉だけが紅がかっている程度でした。伽藍の中庭には見事な枯山水の庭がありました。眺めているだけで心がしんと静まり人の世の儚さを思う時、ここぞというタイミングで鴉が啼きました。没句。
☆☆
「荒磯波」は波の荒い浜辺の、その波のことです。浜辺に高く打ち寄せては眩しい光となって粉々に砕け散る波の寒々した光景を詠みました。人選でした。今気がついたのですが三句とも「寒さかな」で終わっている。もっとバラエティが欲しかったかな。
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