二十三年 十二月 蚤の市

 初冬の旅先で蚤の市を覗いてみるのも楽しいですね。今回のお題写真は「蚤の市」ということで、地面に雑然と並べたり積み上げたりしている市松人形や鞄や何に使うのかよく分からない小物とか、とにかくゴタゴタした写真です(このお題になる写真は俳句クラブの会員があちこちで撮ってきたもので、経費節減を狙ったのではないかと憶測しています)



 ☆☆ 曝書ばくしょとも見える古本蚤の市


 曝書は本の虫干しのことです。蚤の市とは言うけれど売れるのはあまり期待して無くて、天気も良いし、久しぶりに本の虫干しをしているような、のんびりした店主だよ、という句です。人選でした。


 ☆☆ 外人が丹前たんぜん値切る蚤の市


 海外の方は日本の蚤の市が大好きだそうです。日本の趣のある古道具が安く買えるからだとか。「ヘーイ、ジャパニーズ、クール!」インバウンドの外人が瞳をキラキラさせて商品の古道具をかき回しています「イッツ、ベリー、クール!」彼が握りしめているのはなんと丹前でした。店番のおばあちゃんが果敢に相手をします。「外人さん、いっつ、るうむうえあ、おーけー?」「オーケー、ワンダフル!」「五千円ですよ。ええと、ファイブ サウザンド!」「オー、ベリーデンジャラス! まけてください。お願いします」「日本語、わかってんじゃないの!」人選です。

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