第4話 騎士の本音、絶望

一応グロあり

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誰かに起こされた気がする。強く体が揺れる

「起きろ、欠陥者の坊主。飯だ。」

視界が戻る。誰だっけこいつ。

「お前、誰?こっちは眠いんだけど」

「は?誰って...騎士団副隊長のカミロ・ハバロフだ!」

カミロ、カミロってあ!

「夜中襲ってきたあのクズ!」

「ったくひでぇ解釈やな。んなこといいんだよ。飯だぞ」

飯だぁ?

「襲ってきたくせに馴れ馴れしいすね。まぁ食べますけど...」

「寝起きと違って素直じゃないか...気持ち悪いな、お前」

キモいって...

「あんたこそ、最初こそ角張った自己紹介のくせして、今はただのオッサンじゃないすか」

「おっさんて...まだ26だぞ!あすこは宿屋で副団長の面子があるんだよ!」

ふーん

「ま、飯どこ?」

「おいおい...そこのテーブルの上」

黒パンに野菜スープ、ウインナー

「The異世界だねぇ。うまそ」

「早くくっちまえ。急がないとなんねぇんだから」

「はいはい」


10分後

「飯はもらったけど、皿洗いまでさせるかぁ?」

「働かざる者食うべからず だっけか?お前の世界の人間はいい言葉吐くじゃん」

こいつ...

「てか、吐くってなんだよ。さてはお前、怠惰だろ?」

「よくわかったな。俺はグータラしたいぜ?まぁそのために鍛えるんだけどなw」

「元の世界でもこの言葉嫌いなのは怠け者くらいだよ」

「さっ終わったし急ぐぞ」



道中色んな事を冥土の土産に教えてくれた。

国王の支持率とか...それはもう酷いもんで岸◯みたいだった。

「なぁ、何で殺すやつにこんな優しいんだ?」

「なんでって、何となく?感がこうしとけってな。お前こそなんで冷静なんだよ」

なんでか...

「元の世界でもぼーって生きてただけに未練もなけりゃ、生への願望がない?」

「はー、やっぱお前キモいわ」

「ひでぇな」



1時間後

「さてこのへんか...着いたぞ」

「ここがぁ...寒いな」

俺が連れられた森は、薄暗く寂れていた。そして目の前には巨大な洞窟が

「これがダンジョンだ。あれだ坊主。中入らなくてもいいぞ。」

こいつぅ..

「あんたが入りたかないだけやろw」

「なんっだよ、察しても言うなよ!無粋だな」

「うっさいわ」

「なぁ、おっさん。あんたに夢はあるのかよ。」

「どうしt...俺の夢は笑って死にたい。それか笑われてでもいい。」

おっさんは珍しく意図をくんでくれたらしい。

さて、覚悟は決まった。いかに生への願望がなくとも痛いのは嫌なのだ。だから時間をかけた

「じゃ、行くわ」

「まぁ、待て。俺も入らないと記録ができん!」

「そーですかい」


「中はジメジメしてるんだな...」

「まぁここは洞窟型だしな。そんなもんだ。」

へー

ゾクッ...変な空気が吹いた

「さて、俺は記録もしたし帰る。寝覚めが悪るいなぁ。夢に出てきそうw」

「化けて出てやるw」

嫌な予感がシタ。知らない振りをした。

「おーこわ。ま、生き残れたら俺の武勇伝を「おっさん、後ろ!!!」」

「あ?」

そこに居たのは熊。それも日本にいる熊がゆるく見えるくらいの、闇く鈍い錆色の目をギラギラ光らせ、淀みに淀んで光を失ったえんじ色の毛皮をまとった二本角の熊

「ブラッド・クイーン・グリズリー...S級モンスター。逃げろ!坊主!」

「っ!おっさん、死ぬなよ!」

俺は反射的に逃げた。とっくに生への願望も愛もなにも全部諦めたのに、それでも体は醜く生きろと吐きつける。

走った、鈍い音がしタ。後ロを見た。おっさんが、吹き飛バサレタ。チが飛ブノを見タ。鈍いえんじ色ダッタ。走った...脇の穴に入った、床の感覚が消えた。落ちた。

「あー、死ぬのか。ようやく終わるのか」

スコシダケ、ホッとした。



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そんなグロくない...はず

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