第5話 憎悪の化身、哀しみの機械兵
地下遺跡を探索中に行方不明になったマフィアの御曹司ハインツ・ミューラー。
クリスティンたちはようやく彼の手がかりに辿り着いたのだが……。
「大罪人とはどういう事だ?」
リューが尋ねると2人のドワーフは揃って肩をすくめた。
「オラたちも細けぇ事はわかんねえ。居合わせたわけじゃねえからな。けんどよ……かなりの騒ぎで人死にも出たって話だ」
「オラたちゃケンカだのなんだのは多いけどよ。誰か死んだだなんだって事件はもう何十年もなかったからよ。大事件だぞ」
背後のクリスティンを振り返った赤い髪の男。
いつもの無表情……に見えてわずかに眉を顰めているのがクリスティンにはわかった。
「どうする。話がよくない方向に転がり始めた」
「そうですね。まさか牢屋に入れられちゃってるとは……」
力なく眉毛をハの字にしてクリスティンは嘆息する。
「もしもハインツさんが本当に悪い事をしたのなら牢から出してくれとお願いするわけにもいきませんしね。どうしましょうか……」
「なぁオイ。俺たちも連れて帰ってくれって頼まれただけでよ。そいつと実際会った事はねえんだよ。雇い主にダメだったって報告するにしたってもうちょい突っ込んだ話が知りてえ。面会する事はできねえのか?」
「うーんむ、そうだなぁ……」
ヒューゴが尋ねると黒髭のドワーフが髭をもしゃもしゃ弄りながら何事か考えている。
「まあそうだな。聞くだけは聞いてやる」
黒髭が顔を向けると灰色の髭の方のドワーフがうなずいてのしのし部屋を出て行った。
「返事が来るまでここで待っててくれや。何もねえとこだがよ」
黒髭のドワーフは一行に椅子を薦め、コーヒーを淹れてくれた。
べこべこのマグカップで泥水のように濃いコーヒーを啜ってクリスティンたちが一息つく。
人心地付くとヒューゴはドワーフにあれこれ尋ねていた。
話の内容は専門的なものが多く、クリスにはよくわからない。
ドワーフというのは人と比べて長命な種族である。平均して200年前後生きる。
見た目よりは歳を取っているのか、ヒューゴの質問に黒髭は時折身振り手振りを交えながら答えている。
小一時間ほどして灰髭のドワーフが戻ってきた。
「お待たせだ。出してやる事はできねえが、牢越しに立会い有りなら話するくらいはいいとよ」
「そうですか! ありがとうございます」
少し話が前進しそうである。
わずかな希望を見出してクリスが立ち上がった。
────────────────────────
ドワーフに案内されてやってきた牢獄。
そこにクリスティンたちが探しに来た人物がいた。
鉄格子の壁越しに見るハインツ・ミューラーは当然ながら写真の姿より薄汚れてくたびれている。
「……ええと、あなた方は?」
やってきたクリスたちに牢の中で力なく座り込んでいたハインツが顔を上げた。
いかにも学者然とした痩せ気味の30歳前後の男。
バサバサの髭を生やして眼鏡の片方のレンズにはヒビが入ってしまっている。
元々線の細い男だが写真よりもさらにやつれて見える。
動作も緩慢で力ない。
「私たちはお兄さんに……フェルザーさんに言われて来た者です。あなたを見つけて連れ帰ってくれという依頼を受けてましてですね」
「!! 兄に……!! そうですか」
クリスティンの言葉にハインツの表情にわずかに生気が戻った。
彼は一瞬腰を浮かせ、そしてまた気力が続かなかったかのように床に座る。
「お恥ずかしい。ご覧の有様でして」
「どうしてこんな事になっちゃってるのか、ちょっと詳しいお話をお聞かせ願いたいんですけど……」
床に膝を突いてハインツに視線の高さを合わせるクリスティン。
そうですね、とうつむいたまま彼はぽつぽつと語り出した。
3層に到達し、ドワーフたちの国グロックガナーへ入国したハインツ一行。
ここまでは険しい道のりながらも順調だった。
想像もしていなかった拠点を確保できてここからの探索が楽になるとハインツは喜んだのだが……。
ところが転落の落とし穴は思いがけず突然眼前に現れた。
連れが……父ザグレスが『組織』から護衛に付けてくれた男がドワーフとトラブルを起こしてしまったのだ。
始めは肩がぶつかったという些細な揉め事だったのだが護衛が抜剣してしまい騒ぎが大きくなった。
刃傷沙汰になり護衛は1人が命を落としドワーフにも大怪我をする者が出た。
こうしてハインツたちは捕えられたのである。
「僕は騒動に直接関わってはいないんですが一味であるとみなされてしまって」
「あららら、それは……」
確かにとても荒事が得意そうには見えない雰囲気と体格のハインツ。
対して彼の護衛は冒険者探索者の類ではなくバリバリの武闘派マフィアの構成員である。
トラブルはむしろ彼らの飯の種だ。
ためらい無く周囲と諍いを起こすのは地上のつもりで振舞ったが故なのか……。
「今にして思えば僕が連れて来た2人も内心では不満があったんだと思います。どうして自分がこんな地下迷宮の探索をしなきゃいけないんだと……。僕は仮にもボスの子ですから僕に対してはそういう態度を取らないようにはしていたようですが」
床を見つめたまま重たく長い息を吐くハインツ。
「実際に暴れたという護衛の男はどうなった?」
「1人はその騒動で死にました。もう1人は罰として採掘をさせられています。僕も最初はそうだったんですが、何しろすぐに動けなくなってしまうので……お前は役に立たないから牢に入っていろと言われてしまいまして」
はは、と苦笑したハインツであったがその笑いは乾いていて空虚なものであった。
────────────────────────
面会を許されていた時間も過ぎたので牢のある建物を出たクリスティンたち。
それは監獄と言うほど本格的な建物ではなく普通の家屋のような外観をしている。
実際の所本当の牢獄は王城地下にあり、ここは留置場のような施設であるらしい。
とりあえず必要最低限の情報は得る事ができた。
何とか釈放されるように手を尽くしてみるというクリスたちにハインツは「よろしくお願いします」と神妙に牢の中から頭を下げていた。
「さぁって……どうしたもんかね」
無精ひげの生えた顎を右手で擦りながらヒューゴは難しい顔をしている。
「ハインツさんは直接手を出してないというのがまだ少しは救いでしたね」
「だが関係者であるという彼らの認識は誤りじゃない。ハインツだけ放免にしろというのは難しいだろう」
なんとか場の空気を上がる感じにしたいクリスティンであったが、リューの言葉に再びしょんぼりと猫背になった。
「そうですねぇ……。とりあえずこういう場合は誰に話をすればいいんでしょうか?」
「牢番のやつに聞いてみるか」
ヒューゴはそう言うと今出てきたばかりの留置場へ引き返し「おーい」と職員らしきドワーフに声を掛けている。
こういうアクティブさというか、このエルフのフットワークの軽い所は中々に頼りになるとクリスは思う。
少しして彼が再び建物から出てくる。
「聞いてきた聞いてきた。なんせ前例のない事で連中も持て余してるらしいわ。とりあえず王様に聞いてくれとよ……紹介状もらってきた」
「えっ!? 王様にですか!!??」
ギョッとして目を丸くするクリスティン。
「おう。とにかくお偉いさんと話さなきゃどうしようもねえんだ。王様なら1番偉いんだし確実だろ?」
「だ、大丈夫なんですかね」
あっけらかんと言って笑っているヒューゴだがクリスは不安のほうが大きい。
とはいえこのままでは事態が進まないことも事実である。
遠くに聳え立つ王城を見上げるクリスティン。
「……ご無礼がないといいんですけど」
(クリスティンの権力者へのご無礼は大体即死だからな)
と思ったが口にはしないリューであった。
────────────────────────
グロックガナー王城へやってきたクリスティン一行。
流石に街のどこからも見えているので案内は必要ない。
遠くから見ても巨大な建造物である事はわかっていたが、いざその前に立ってみると一際大きく見える。
「バカでけえなあ。っていうかよ、これ城ってよりは……」
ヒューゴが視線を向けているのは城の側面の平たい大きな棟だ。
いくつもの煙突が立ち黒煙を噴き上げている。
「工房を兼ねているのかもな」
リューも同じ方向を見て言う。
耳をすまさなくてもカンカンという金物を鎚で打つ音も聞こえてくる。
鍛冶と採掘を生業とする者が多い種族ドワーフらしい城と言えるかもしれない。
入り口は大きな両開きの鉄扉だった。
クリスティンたちが前に立つと誰もいないのに勝手に戸が開いていく。
「え、えええ??? ドアが勝手に開きました!!」
「ほ~ぉ、カラクリ仕掛けってわけかよ。やるねえ」
驚くクリスに感心しているヒューゴ。
リューか感知のオーラで自動ドアの凡その構造を把握した。
手前の踏み板に体重が掛かると仕掛けが作動する仕組みになっているようだ。
クリスティンが興味深げにドアに触れる。
「不思議ですね。どういう仕組みになっているんでしょうか……」
……バキィ!!!!
右の扉がもげた。
「………………………………」
何とも言いようのない空気がその場に流れる。
「……違うんです」
2人を見てふるふるとクリスティンが首を横に振る。
「お前さんなあ。いきなりドアをブッ壊して突入してくるとか蛮族じゃねんだからさ。しかもこれから頭下げて頼み事しなきゃいけない相手によ……」
「違うんですって! 何もしてないのに壊れたんです!!」
乾いた目で自分を見ているヒューゴに必死に弁解するクリス。
『構わんッッッ!!!!!』
「!!!!??」
その怒号は唐突にその場に響き渡った。
耳に痺れが残るほどの大音声である。
3人が見ると城のロビーに1人の男が仁王立ちしている。
ドワーフ族の男であった。
先ほどまで会ってきたドワーフたちとは二回りほども身体が大きい。
銀色の長い髭は何本もの編み込みになって胸元にぶら下がっており両側に大きな角の生えた金色の兜をかぶっている。
「大いにブチ壊せ!!! 乱暴に扱っても壊れん物を作るのが一流ッッ!!! 婦女子に壊されてしまうような扉など欠陥品よ!!!」
雄々しく叫ぶ大柄なドワーフ。
なんとなくリューがクリスの顔を見る。
「……何ですか」
「いや」
両者の視線が交差し真顔でクリスティンが尋ねた。
赤い髪の男は静かに「なんでもない」というように首を横に振る。
「言いたいことがありそうな感じですよね? なんです? ちゃんと言ってください、リュー」
「何もない」
心なしかいつもより声が低いクリスである。
「私が乱暴に扱ったらどんなドアでも壊しちゃうから厳しいんじゃないかって言いたいんですよね!? そうでしょう!?」
「俺は何も言っていない」
詰め寄るクリスに再度首を横に振るリュー。
「……うう、私だって好きでバカ力なわけじゃないのに」
「ま、まあまあお二人さんよ、落ち着きなさいって」
肩を落としてべそかいているクリスティンをヒューゴが宥めた。
「バカ力……いいではないか。お前はえらい!!」
ドワーフの男は髭を手先で弄びながらうなずいている。
「人より力の強いもんがえらい。人より健康なもんがえらい。頭がいいもんがえらい。足の速いやつがえらい。皆えらい!! だからお前もえらい!! 胸を張れ娘!!!」
「……は、はあ」
褒められているのだがその音量と迫力に気圧されてしまって引き気味のクリスティンだ。
「ワシはドルガン。このグロックガナーの王である。……ところで、何者だ? お前たちは」
編み込んだ髭先を指先で摘まみながらドルガン王は不思議そうにそう尋ねた。
─────────────────────────
思いがけず王に謁見してしまっていたクリスティンたち。
とりあえずちゃんと全員で謁見の間に移動する。
王は玉座に座り、その前にクリスたちが立って各々が名乗り謁見を申し出た理由をドルガン王に説明した。
「そういう事情であったか。話はわかった。……うーむ」
ドルガン王は難しい顔で首を捻っている。
「お前たちの事情はわかったが『じゃあ釈放してやろう』というわけにもいかん」
「何か条件があるなら可能な限り言うようにするつもりだが」
リューの言葉に腕組みして唸りつつ王は何事か考えている様子だが……。
「うーむむむむ……むむむむむ……」
その内王の頭から湯気が立ち始めた。
「あわわわわ、悩みすぎでは……」
心配になったクリスティンがオロオロし始める。
「……ブローック!!!!」
突如として叫ぶ王。
驚いたクリスがのけ反る。
「へ~い」
気の抜けた声がしたかと思うと1人のドワーフが台車に乗せた大きな長方形の石材を押してきた。
石のブロックが玉座の真ん前までやってくる。
するとやおら王は玉座から立ち上がり調子を確かめるかのように首をゴキゴキと鳴らして左右に揺らした。
「……ふんヌッッ!!!!!」
バガッッッッ!!!!!!
突如として兜を脱ぎ目の前の石材に頭部を振り下ろした王。
真っ二つに石材は割れて周囲に細かい破片が散る。
「うげ」
ヒューゴが引き気味に顔を顰めた。
「あそうだ、王様……博士が助手の件はどうなってるって」
「!!! おう、それだッッッ!!!」
頭突きで石材を叩き割ったドルガン王が目を輝かせて顔を上げた。
「よし、お前たちには今からある人物の手伝いをしてもらおう。その人物が満足すればよし。お前たちが探しに来た男を釈放してやろうではないか」
「本当ですか!? ……ありがとうございます!!」
勢いよく頭を下げるクリスティンに満足げにうなずく王。
「うむ。やはり困った時は頭突きよな。良い考えが思い浮かぶ」
石材を持ってきたドワーフが頭突きの前に『博士』なる人物の話題を出していれば頭突きは必要なかったような……? と思ったが空気を読んで口にはしないクリスティンであった。
─────────────────────────
『博士』なる人物の住まいは王城に隣接していた。
というか、城壁のようなものがないのでわからないがここも城の敷地内なのかもしれない。
住まいというか研究所か工房のようなものなのか……。
結構大きな建物だ。実用性のみを突き詰めたような飾り気ゼロの建物である。
建物の周囲には何に使うのかまったく見ただけではわからない様々な機械の残骸が転がっている。
「な、なんか凄そうな建物ですが……」
何がどう凄そうなのかよくわからないが、異様な雰囲気に飲まれたか喉を鳴らすクリスティン。
「ここまで来てびびってたってしゃーないだろ。ぱぱっと済ませちまおうぜ」
ヒューゴはずかずかと建物の戸に歩み寄るとドンドンと乱暴にノックする。
「ごめんくださーい! アシスタントしろって聞いて来た者なんですけどもー!!!」
……ドガアァァァァァァァン!!!!!!
するとそのおっさんの叫び声に応じるかのようにいきなり建物の外壁の一部が爆散する。
おっさんは爆風に煽られて後方へ吹き飛んでいった。
「きゃあああああ! 何ですか!!??」
悲鳴を上げるクリスティンの前にバラバラと破片が降ってくる。
もうもうと上がる煙の向こう側に何かが……。
大きな何かがゆっくりと身を起こした。
「……………」
無言で構えを取るリュー。
それは金属のボディのカラクリ人形であった。
人を模して造られたらしいそれは非常に大きく身の丈は3m近くもある。
円筒形の頭部にライトのような2つの目らしきパーツがありカチャカチャと鳴る口のような部位もある。
手足も円筒形で関節部にはケーブルや歯車が一部覗いている。
「な、な、なんですかこれ……」
ひきつった顔でカラクリ人形を見上げるクリスティン。
「おー……いってて……やれやれだ困ったことになってしまったぞ」
その声は自分のすぐ脇から聞こえた。
弾かれたようにそちらを見たクリス。
地べたにうつ伏せに誰かが倒れている。
小柄な……子供か? オレンジ色の髪の誰かが。
油で汚れた白衣を着たその何者かがよろよろと立ち上がった。
少女だ。
一目見てそう思ってからクリスティンはすぐにそれが誤りである事に気付く。
彼女もドワーフなのだ。
体躯にはっきりと種族的特徴の出るドワーフ男性とは違い、女性は一見では人の子供と見分けがつきにくい。
大きな瞳にどこか理知的な雰囲気を漂わせた白衣のドワーフ女性。
彼女は掛けていたゴーグルを額に押し上げクリスティンを見上げた。
「よく来た客人。歓迎したい所なのだが御覧のあり様だ。少々難儀している」
前方のカラクリ人形を指して言うドワーフ女性。
「何事なんです? これは……」
「カラクリ兵に自我を持たせる実験中だったのだが暴走してしまってな。……ああ、私はマキナ。
マキナと名乗ったドワーフ女性の言葉に目を白黒させているクリス。
「じ、自我って……? 創造物にそんな事ができるんです……?」
「ああ、未来的だろう?」
ニヤリと不敵に笑ったマキナ
黒煙の向こう側のカラクリ兵がギギギギと不快な軋み音を立てながら動き始める。
「何故……何故、我ヲコンナ薄汚レタ世界ニ産ミ落トシタノダッッ!!! 希望モナイ!! 夢モナイッッ!! 憎イ……全テガ憎イイィィィィッッッッ!!!!!!」
天を仰いで咆哮しているカラクリ兵。
心なしかげっそりした表情でクリスがマキナを見る。
「……ご本人(?)は未来を否定してらっしゃるんですけど」
「思春期かな。困ったものだ」
腕を組んだ教授は嘆息している。
「ともあれ、このままでは被害が広がる。誰かは知らんがやっちゃってくれ客人」
「可哀想じゃないです? 自我があるのに……」
流石にクリスも眉を顰めている。
「
「わかった」
短く返事をするとカラクリ兵に向けて歩き出したリュー。
鈍色のボディの巨兵もすぐに近付いてくる赤い髪の男に気が付く。
「オノレェェェッッッ!!! 来ルナ!! 我ニ近寄ルナッッ!!! 赤イ血ノ流レル生身ノ者ヨ!!
我ハオ前達ガ憎イッッ!!! 憎イゾ!!! 我ガ怨念ノ一撃ヲ受ケルガイイッッッ!!!!!」
凡そ機械兵とは思えない発言をぶちかましつつ鋼の巨腕をリューに向けて振り下ろしてくる。
軽く横にずれてその一撃を回避するリュー。
轟音を立ててカラクリ兵の腕は地面を抉った。
そしてその眼前の鋼鉄の腕の肘部分を鋭くリューが蹴り上げた。
肘関節は木っ端微塵に粉砕され多数の細かい部品をまき散らす。
「ギャアアアアアアアアアッッッ!!!! 痛イ!! 痛ィィィィッ!! 腕ガァッッ……我ノ腕ガァァァァッッッッ!!!」
肘から先を失った腕をもう片方の手で押さえてカラクリ兵は悶え苦しんでいる。
「えええ……痛覚まであるんですか……?」
「いや、ないぞ。そんな気がしているだけだ。劇場型の性格なんだろう」
肩をすくめるマキナ。
「それにしても……ドワーフの戦士が10人掛かりでも制圧不可能な強度にしてあるんだが。彼は中々やるな。是非改造してみたい、フフフ」
戦うリューを眺めて妖し気に瞳を光らせ薄笑いを浮かべているマキナ。
「すいません。それはご容赦頂けますか……」
鉄の体になったリューが人が憎いと暴れているシーンを想像してげんなりするクリスティンであった。
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