第2話 虚しき二代目
朝になったら改めて迎えに出向く。
……そう言い残して黒豹の獣人メギドは本当に立ち去ってしまった。
組織の関係者である事は認めつつも、そのボスの殺害現場に立ち会い犯人を目の前にしているというのに……。
後にはクリスティンとリュー、そして無数の男たちの骸が残される。
少しの間メギドが去っていった方角を見ていたリューだがやがて小さくため息をついた。
「……やむを得ん。宿に戻るぞ」
「ええっ? 言うとおりにするんです……?」
驚くクリスティン。
メギドに言われるがままに彼の来訪を待つという事なのだろうか……?
それには答えず、無言でリューは歩き出す。
慌ててクリスは彼の後を追った。
赤い髪の男は表情には出さず内心で歯噛みしていた。
急いでこの街を出るつもりだったが、そうはいかなくなった。
『見かけによらず残酷な事をする』
頭の中にメギドの言葉が木霊している。
あの男は最初から一部始終を見ていたのだ。
ザグレスを殺害したのがクリスティンである事を見られている以上、このまま逃走すれば彼女にボスの仇として刺客が差し向けられるだろう。
……それだけは何としても避けたい。
その為には何らかの決着を付けておかなければならない。
組織の関係者であると認めながらもボスの殺害を黙って見物していたメギド。
そしてそうなる事を見越していたかのように面会を望んでいる二代目とやら。
不可解で不気味な話ではあるが、こうなった以上は会わないわけにもいかないだろう。
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宿に戻ったリューは念のためクリスティンを自分の客室に寝かせて寝ずの番をする事にした。
申し訳ないから自分も朝まで起きているという彼女を無理やり寝台に押し込む。
ごにょごにょ言いつつも3分かからずクリスは寝息を立て始めた。
「……イノシシは……許しませ……むにゃむにゃ……」
何やら寝言を言っているクリスの寝顔をチラリと横目で見るリュー。
一瞬だけその目に物憂げな光が揺れる。
……自分の過去の因縁に端を欲したトラブルに巻き込んで彼女に不要に手を汚させてしまった。
その事が棘のようにリューの胸に突き刺さり鋭い痛みを発している
「……すまない」
リューのその言葉は当然熟睡しているクリスティンの耳には届いていないのだった。
そして赤い髪の男の心に刺さったトゲはそれだけではない。
……獣人メギド。
直接手合わせせずともわかる、恐るべき使い手だ。
戦えば間違いなく生と死の境に立つことになるだろう。
「……………………」
窓の外の夜闇に包まれた街並みを見ながらリューは鋭く目を細めた。
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その夜はそれ以上のトラブルはなく、穏やかに朝日が昇る。
獣人メギドは2人が丁度朝食を終えるのを見計らったようなタイミングで宿を訪れた。
「おはよう。気持ちのよい朝だ。よく眠れたか?」
「は、はあ……おかげ様で……」
昨夜同様の体毛と同じ黒の上下で現れたメギド。
彼の気さくな態度に今一つまだ接し方を決めかねているクリスティンがどもりながら返事をする。
リューは黙ったままだが獣人はそれを気にした様子はない。
「ならば行くとしよう。
促されて宿の外に2人が出ると……。
「うわっ……」
思わず声を出すクリスティン。
そこには黒光りする車体の大型蒸気自動車が停まっていた。
「最新型だ。世界でもまだこの国にしか走っていないし、この国でも乗った者は極々少数だ。幸運だな、お前たち」
どことなく得意げにそう言うとメギドは後部座席のドアを開け、2人に乗り込むようにと促した。
「運転はお前か」
「そうだ。技術は心配しなくていい。この車は試作段階から何度も乗っている」
トントンと軽く車体の屋根を叩いて言うメギドであった。
2人を後部座席に乗せるとメギドは運転席に乗り込みステアリングを握る。
エンジン音を響かせ窓の外の景色が後方へ流れ始めた。
「はぁ~……乗るとこういう感じなんです……ねぇっ!!?」
グンと前方からの圧を感じたと思った瞬間車が加速する。
クリスティンのセリフの語尾が裏返った。
「折角乗ったんだ……この加速も体感しておけ! 癖になるぞ、ははは」
運転するメギドが笑っている。
乱暴な運転ではあるが本人が言うように車体を擦ったりぶつけたりはしていない。
「いやいやいやいやいやいやちょっと私にはこれ強すぎ……おっぺぺぺぺぺぺ!!」
座席でがくんがくんと上下に揺さぶられているクリス。
最終的に口から洩れているのは何か変な鳴き声である。
そんな騒ぐクリスを尻目にリューは平然と座ったまま窓の外の景色を眺めていた。
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「あっという間だな。機会があれば今度は少し遠出しよう」
車を降りたメギドが首を回して凝りをほぐしている。
大きな車体は内部の広さも十分であったのだが、彼ほどの巨体だと流石に狭さを感じるのものなのであろうか。
「……ご、ご遠慮させて……頂きます……」
よろよろと降車したクリスティン。
青ざめた彼女はすっかり生気を失ってしまっている。
「さて行こう。
そんな憔悴しきったクリスを気に掛ける様子もなく豹の男が見上げた建物は……。
「おぉ……」
見上げて思わず感嘆の吐息を漏らすクリスティン。
それは半ば宮殿と言ってもいい赤レンガの大豪邸であった。
メギドの先導で館へ立ち入るクリスティンとリュー。
外観同様に内部も豪奢で広い。
黒豹の男は2人を伴い広間の戸をノックする。
「
そう告げるとメギドは返答も待たずにドアを開け放った。
「……おっと、これは失礼。まだ食事中だったか」
「構わん」
広間には白いテーブルクロスの敷かれた長テーブルがあり、1人の男が席について食事をしている。
ブロンドを几帳面に撫で付け式典用の軍服のような装束を着こなした中年男。
怜悧でシャープな印象の整った顔立ちの男だった。
「父が殺されようが腹は減る。生きるとは……虚しいものだな」
ため息交じりに呟いた男の前には分厚いステーキの皿があった。
虚しいと口にする割には大した健啖家である。
(朝から物凄いガッツリ食べますね……)
そう思ったが口には出さないクリスティン。
「フェルザー・ミューラーだ」
食事の手を止め、男が名乗る。
ザグレスの存命の最年長の息子であり『
「自己紹介は必要ない。お前たちのことは知っている」
「なら要件を言え」
リューが口を開く。
いつものつっけんどんな口調で。
「
「……………………」
リューの言葉にフェルザーが彼を見た。
その視線は怜悧ではあったが敵意があるのかどうかはクリスには判断が付きかねた。
「父親を殺され憎悪の復讐者と化した息子を想像しているのならご期待に沿えず申し訳ないが……」
食事を終え、フェルザーがナイフとフォークを置き口元をナプキンで拭う。
「生憎と私には父に対する情のようなものはない。何故そうなったかの話は長くつまらないので割愛させてもらうが」
平然と言うフェルザーにクリスが怪訝そうに眉を顰める。
意外……というわけではない。
父の殺害を見越して尚差し向けたメギドに静観するように命じた事から想像はできた話だ。
「兄の復讐の件もな……私は再三再四父には思い留まるように忠言はしていた。このような結末になるのではないかとな。だが、聞き入れてはもらえずに結局は私の言っていた通りになった。自業自得というべきかな……虚しいことだ」
不仲としても死を迎えたばかりの肉親に対して容赦なさすぎる物言いをするフェルザー。
流石にどうかと思ったクリスティンではあるが、何しろ自分がその殺害犯なので何も言うことができない。
「もう何年も前から組織は私が動かしている。父は一代で漆黒の血盟団を築いた傑物ではあるが……前時代的な人間だ。何かといえば暴力の彼のやり方は今の時代ではもう通用しない。さて、今回の件だが……」
リューとクリスティンの2人を順に見るフェルザー。
やはりその視線は冷淡であり、そこに彼の感情を読み取ることはできなかった。
「私個人としては父の死は半ば自滅であると思っている。だが、組織の次代の長としてはそういう訳にもいかん」
リューが半歩前に出た。
それまで黙って腕を組んで話を聞いていたメギドがぴくりと反応する。
その場の空気が冷えて研ぎ澄まされていく。
「……話は最後まで聞け。平和的な解決を提案しよう。報復は不毛で虚しいものだ。こちらとしても望むところではない」
漂う緊張感を打ち払うように言うとフェルザーは胸のポケットから1枚の写真を取り出した。
そして、その写真をテーブルの上に置く。
「弟だ。名はハインツ」
リューが写真を手に取ったのでクリスも後ろから見てみる。
セピア色の写真は1人の男性を映したものだった。
飾り気のないさっぱりした衣装の気弱そうな痩せた男がぎこちなく微笑んでいる。
「アカデミーで考古学を学んでいたのだが、そちらにのめり込みすぎてな。その分野では優秀な学者らしく、そこは家族として誇らしくはあるのだが……」
そこで言葉を止めるとフェルザーは視線を伏せる。
初めて彼の表情に微かな憂いのようなものが浮かぶ。
「地下遺跡の探索に出たいと言い出してな。この国は地下に広大な遺跡があるのだ。国の管理という事になっているが実際は組織が管理している。ある程度の所までは内部の探索も行われているがどのくらい深いのか現時点では見当もつかん」
目を閉じたフェルザーが首を横に振る。
「……許したのが間違いだった。帰還の予定日を10日も過ぎているが戻ってこない。お前たちには彼を探してきてもらいたい。それで父の件は不問としよう。1人を殺め、1人を救う。話の帳尻も合うというものだ」
あの場で死んでいるのは大勢の組織の兵隊もいるのだが、そちらはまるで命の数には入らないといわんばかりのフェルザーの台詞である。
「わかりました。お引き受けしましょう」
「……おい」
即座に返事をするクリスティン。
その彼女に僅かに咎めるような響きの口調で言うリュー。
「いやいや、リュー……これは願ってもない話ですよ。代わりに誰かを殺してこいとかなら絶対お受けできませんけど、人助けなら望むところです!」
クリスは目を輝かせている。
その様子に思い留まらせるのはもう不可能だと察したかリューが溜息をついてからフェルザーに向き直った。
「俺たちが引き受けたとして……どちらも遺跡探索などド素人だ。上手くいくとは思えん」
苦言を呈するリューに承知しているというようにフェルザーがうなずいた。
「その点に関しては問題ない。虚しい男を手配している。……間違えた
「ええ……」
本当に虚しい人物が現れたらどうしようと一瞬不安になるクリスティンだ。
「探索はその男に任せろ。お前たちには彼の護衛……道中の脅威の排除を頼みたい」
フェルザーが札束を1つポンとテーブルに投げてよこす。
「必要なものはそれで揃えろ」
「気前のいい事だな」
札束を一瞥して言うリュー。
「私はお前たちにダメ元で依頼しているのではない。何としても捜索は成功させてもらわねば困る。その為に必要な援助はしよう。ハインツには組織から腕利きの護衛を付けていた。それでも彼の身に何かがあったのだとしたらより腕の立つ者が必要なのだ」
フェルザーの語り口調は相変わらず冷淡で無感情であった。
ただ言っている内容は弟の身を案じる兄のものである。
(お父さんにはあんなに冷たい感じでも弟さんは心配みたいですね)
そう思うクリスティンであった。
────────────────────────
ミューラー邸を退出したクリスティンとリュー。
メギドが宿まで送ろうかと申し出てくれたのだが、それはクリスが丁重且つ頑なに辞退した。
クリスティンが今手にしているのはフェルザーから手渡された書類と資料。
資料はある1人の男についてのものだ。
……名はヒューゴ・ラングート。
学者でありこれまでに百を超える遺跡を探索してきたプロフェッショナルだと資料にはある。
叡智の殿堂、知識の都として名高い西方大陸の都市国家ギドのアカデミー出身とも記載されていた。事実であれば確かに大変なエリート研究者である。
このヒューゴがクリスとリューの探索の同行者となるのだ。
2人は彼が現在暮らしているという資料の住所へとやってきた。
「……こ、これは」
思わず絶句するクリスティン。
そこに建っていたのは倒壊寸前の廃墟にしか見えないボロアパートだ。
所々を雑に修繕してある屋根や壁、ヒビの入った窓ガラス。
こんな所に本当に人が住んでいるのだろうか……? 眉を顰めまじまじと建物を凝視するクリス。
「なんだい……アンタたちは」
そこへ1人のエプロン姿の太った中年女性がやってきた。
なんというか……ロケーションにぴったりの荒んだ感じの女性だ。
愛想の欠片もない不貞腐れたような顔で無遠慮にジロジロと2人を眺めている。
「……こ、こんにちは。私たちここにお住いのヒューゴさんという方を訪ねて来たんですが……」
「ヒューゴ?」
中年女性は訝し気に首をひねる。
「そんな奴はここには……あ~ぁ、ヒューゴってあれかい、
「あ、やっぱりそういう風に呼ばれているんですね」
ほっと安堵の息を吐くクリスティン。
そんな彼女に中年女性は鼻を鳴らして冷たく笑った。
「あだ名は皮肉だよ。……ま、会えばアンタもわかるさ。あの男なら今はいないよ。ここにいないなら遺跡の管理局じゃないかい?」
そう言い残すと中年女性は2人に背を向ける。
その彼女の後姿にクリスは礼を言って頭を下げた。
古代遺跡管理局……地下の遺跡を名の通りに管理しているこの国の機関である。
内部の探索はこの管理局の許可が必要になる。
「……行ってみましょうか」
クリスがリューを振り返ると彼は「ああ」とうなずいた。
────────────────────────
古代遺跡管理局の建物は都の中心部にある。
近代的な大きな建物だ。
……先ほど見て来たのが倒壊寸前のようなアパートだけに落差が凄い。
2人が中に入ると何やら騒ぎが起きている。
「なぁオイ! オイ!! 頼むぜ本当にオイ! 俺にはもう他に何もねえんだよ!! 遺跡行くしかねえんだって、オイ!!」
窓口で騒いでいる1人の男。
ヨレヨレの服の薄汚れた無精ひげの男だ。
痩せて背が高いがクリスティンほどの背丈はない……170台後半といった所であろうか。
職員の男性は苦笑しつつ彼の対応をしている。
「ですから、その辺判断するのは我々じゃないんですよ。申請は通ってますから後はお偉いさんが許可を出してくれるのを待つしかないんです」
「待てったってもう俺十分に待っただろ!? 待ちすぎてるよ!!」
頭を掻きむしっている男。
元々ボサボサだった髪がさらにボサボサになった。
そしてそのままヨロヨロと後ずさるとロビーの長椅子にドサッと崩れ落ちるように腰を下ろす。
「……はぁ~っ」
……そして項垂れて盛大にため息をついた。
その彼と入れ替わりにクリスティンが窓口に立った。
「えーとですね、私たちヒューゴ・ラングートさんという方を訪ねて来まして……」
「ヒューゴぉぉ!!??」
背後から上がった叫び声にビクンと肩を震わせるクリス。
叫んだのは騒いでいた髪ボサボサ男だ。
恐る恐るクリスが振り返ると男は目を異様にギラ付かせて彼女を見ていた。
「ヒューゴって言や俺の事じゃねえかオイ! 俺に何の用なんだ!? 金を貸してくれるのか!!?」
「あわわわわ……」
詰め寄ってきたヒューゴに気圧されクリスが変な声を出す。
「い、いえ、私たちはこれを……」
言いかけて書類を示すとヒューゴがそれをひったくるようにして見る。
書類を見る彼の眼がどんどん血走っていく。怖い。
かと思うとその瞳からドバドバ涙を流し始めた。
……どっちにしろ怖い。
「俺は……俺ぁよ、この書類をずっと待ち続けて……」
肩を震わせヒューゴが泣いている。
彼の手の書類には『遺跡探索許可証』の文字があった。
「へえ、本当に許可下りたんですか。それはおめでとう」
窓口の男や奥の他の職員たちが立ち上がって拍手している。
なんだか祝福してくれているというよりかは「これでもうこの人ここには来ないぞ」みたいな安堵の気配みたいなものを感じるのは果たして気のせいであろうかとクリスが思う。
「ありがとう……ありがとうよお前ら。40年も待ってたかいがあったぜ……」
「40年!!??」
愕然とするクリスティン。
よくよく見てみればヒューゴの耳は尖っていて長い。
ボサボサの髪の方に気を取られて気付けなかったが彼はエルフなのだ。
……勿論、エルフならば40年待たせておいていいというものではない。
「待ってる間に貯蓄は尽きて嫁には離縁されるし子供たちには絶縁されちまったけどよ……諦めねえで本当によかったぜ……」
クリスティンは倒壊寸前アパートで会った中年女性の口にした『
(ああ、どうしよう……本当に虚しい人が出てきてしまった……)
眩暈がしてよろめくクリス。
そんな彼女の手をヒューゴが両手でがっしりと掴む。
「ありがとうな! 娘さん!! アンタが俺の探索に付いてきてくれるんだって? ついでに俺の新しい嫁さんになってくれるのか?」
「……………………」
それまで黙ってやりとりを聞いていたリューが突然無言でヒューゴの尻にミドルキックを叩き込む。
バシン!!!と大気を震わせる打撃音が周囲に響き渡った。
「ふぉっピィーーーーーーーーッッッ!!!!!!」
絶叫を上げながらヒューゴが吹き飛んで壁にぶち当たり床にベシャっと落ちた。
「わああああああ!!?? ちょっと!!? 何してるんですかリュー!!!??」
水平移動で目の前から消えた食い詰めエルフに慌てるクリスティン。
「……その男が無礼なことを言うからだ」
眉間に皺を刻んでいる赤い髪の男。
常である仏頂面もいつもよりも険が強い。
「そ、そんなにです……? とにかくこれから一緒に遺跡に行かなきゃいけないんですから仲良くしましょうよ。……ああ、ほら、こんなボロ雑巾みたいになっちゃって……」
ボロ雑巾みたいのを床から持ち上げるクリス。
ちなみにボロ雑巾みたいなのは最初からでありリューが蹴ったからではない。
「……次に、卵白をふわっふわのメレンゲにする作業に入りまーっす……」
左右の目で別々の方向を見ながら持ち上げられたヒューゴが何やらぶつぶつと言っている。
「おかしくなっちゃってるじゃないですか。どうしましょう? もう1回力いっぱい叩いたら元に戻りますかね……」
割と酷いことを言うクリスティンであった。
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