第44話 修学旅行とかの集合の時って、みんな集まるの早いよね。
「イリスさんよ! これで全部ですかな?」
「結衣さんよォ、準備は完璧ですよォ!」
そして、遂にその日が来た。
結衣とイリスは、キャンプに必要な道具を確認していた。
「よし、じゃあ集合場所に行くか!!」
結衣とイリスは、集合場所として指定されているターボン学園の校門前へと向かった。
集合場所に着いた結衣たちは、その光景に驚いた。
「ちょっ、もうこんなに人が集まってるの!?」
今回のキャンプは、1学年の生徒全員が行くことになっている。
そして、集合場所に居るのはその半分以上、もしかしたら8割くらい集まっているのかもしれない。
「あ! 結衣さん!!」
D組が集まっていそうな場所を探していると結衣の名前を呼ぶ声が聞こえた。
結衣は、呼ばれた方を向いた。
「あ、モノカじゃん。」
「すごい人の数ですね!」
「そうだねぇ。」
結衣は適当にモノカに返事を返した。
というのも、モノカとの会話よりもモノカ持っている荷物が気になったからだ。
「も、モノカちゃん。その大量の荷物は何?」
モノカは、右手にスーツケース、左手にもスーツケース、背中には大きなリュックを背負っていた。
「あー、これですか?」
「うん。」
「これはですね、もしもの時の為に色々と用意をしたのですよ。」
「へー。」
もしもの時ってなんだ?
キャンプってそんなに危険な場所でやるの?
結衣は、ちょっと怖くなってきた。
「お! 結衣ではないか!!」
ちょうどその時、聞き馴染みのある声が聞こえた。
信長だ。
「良かった、信長は大量の荷物もってきてないんだね。」
「我は、整理整頓が得意だからな!」
信長は得意のドヤ顔をする。
そして、集合場所には着々と人が集まってきた。
その中には当然、レスミやナズとその愉快な仲間たちもいる。
そしてレスミとナズの間に面之助がいた。
「あ! 信長くーん!!」
信長に気がついた面之助が遠くから名前を叫んだ。
「おー! 面之助ではないか!」
信長も叫び返したが、面之助の横にいるレスミとナズがとても怖い。
すげー、睨んでる。
―― パンパンパンッ!
その時、誰かが手を叩く音が聞こえた。
「はいー、みんな静かにしてー。」
バージンが一声で全員を黙らせた。
「今回のキャンプの目的は、みんなで仲良くなることですー。なのでー、みんなで協力してとある目標をクリアしてもらいたいのですー。そしてー、そのとある目標は薬の調合ですー。」
「薬の調合か。私やった事ないかも。」
と、先生の話を聞いた結衣がイリスに話しかけた。
「私はねェ、昔に少しだけやった事あるから基礎知識問題なら出来ると思うよォ。」
「流石だね。」
「まあねェ。」
ところで、何の薬を作るのだろうか。
特に何も言われてないけど。
と、結衣は思った。
「そしてー、今回調合してもらう薬はー、ただの麻痺薬と麻痺治療薬だよー。それじゃー、早速キャンプ場に移動しますー。」
―― パン!
すると、先生が1回手を叩いた。
それと同時に、地面に超巨大な魔法陣が出現した。
そして、魔法陣から眩い光が出現し、辺り一面を覆った。
光が消え、周りの様子が見えるようになると、そこは川原のような場所だった。
「はいー、ここが今回のキャンプ場ですよー。ここの周辺の洞窟とか森とかで必要な素材を集めてくださいねー。それじゃー、先生は学園に帰りますので後は頑張ってー。」
よく見ると、この河原に召喚されたのは、D組の人だけだった。
そのため、バチバチのギスギスの状態でこのキャンプを乗り切る必要がある。
「面之助く〜ん。どこにテント建てるの?」
と、レスミが面之助に言った。
「うーん、信長くんに任せようかな。」
と、答える。
「じゃあ、信長くん。どのにテント建てるの?」
と、レスミが信長に言った。
「我は、結衣が建てたところにするつもりだ。」
と、答える。
あのー、その返答だとレスミちゃんとヘイトが全部私に向くんじゃ……。
「結衣ちゃーん、どこに建てるの?」
「あー、えっとー。どこにしようかな。」
と、苦笑で答える。
「ねぇ、ハッキリさせてくれないかな。」
は? なんであなたが怒ってるんですか?
と、いかんいかん。私がここで怒っちゃダメだ。
「じゃあ、もうここ!! ここに建てる!!」
結衣がそう言うと、結衣のグループのメンバー達が一斉にテントを建て始めた。
「ふーん、じゃあうち達はあそこにしようか。」
と、レスミが言うとその仲間たちが結衣たちのテントの近くに建て始めた。
一方、ナズらは何をしているのかと言うとレスミから距離が離れた位置にテントを建てていた。
良かった、2人同時に来ないで。
と、結衣は思ったのだった。
そして、この瞬間から織田信長と伊家乃面之助たちのキャンプが始まるのだった。
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