戦国の異世界乱舞～本能寺で死んだはずの織田信長が、異世界に召喚されたので学園生活を満喫します(？)～

『風紀委員』篇

第19話 それってあなたの感想ですよね。

「では今日の授業を終わりにする。気をつけ、礼！」

「「ありがとうございました！」」

　授業が終わると同時にチャイムも鳴った。

「信長さん！　今日は弁当ですか？　それとも学食ですか？」

　授業が終わると同時に、1人の男子生徒が信長に話しかけた。

　名前はハエナ。

　このハエナという少年は信長たち（特に結衣やイリスが中心となって）助けた少年のことだ。

　あの日からハエナは信長の友人的立ち位置のように、そして信長を信頼しているような感じで接している。

　実際には、あの日の信長は腹を壊していただけだが、ハエナはそのことを知らない。

「え！？　あー、うーん、どうしような。学食......にしようかな。」

　と、信長は半分面倒くさそうに返事をした。

　ハエナに尊敬されて、信長も最初は喜んでいた。

　だが、それにも飽きてきたようだ。

――だって我、何もしてないし。

　信長の返答を聞いたハエナはタチワと一緒に信長を連れて学食へと向かった。

　そんな様子を後ろから眺める結衣とイリス。

「なんか、うん。信長、ファイト。」

――――――――――

　ターボン学園学食にて。

　信長はクラスメイトとともに昼食をとっていた。

「あ、そういえば！」

　そこで、タチワが何かを思い出したかのように話し始めた。

「信長さんは部活とか決めたんですか？」

「ぶかつ......？　あー、あれか。我は、そのようなモノに入るつもりはないぞ。」

「委員会も？」

「委員会とか面倒くさそうだからやるわけないだろ。」

「そっか〜」

　と、タチワが呟く。

　すると、その直後。

　もう1人の人物が同じようにそっか〜、と呟いた。

　それと同時に、信長の頭の上に紙のようなものが置かれた。

「なんだ？」

　信長は頭の上に乗ったものを手に取る。

　それは『風紀委員』メンバー募集と書かれた紙。

「君が信長くんだね？」

　そして、その声とともに今度は重たくて柔らかいものが信長の頭の上に乗る。

　信長は目だけを上に向けると、信長を覗き込むようにして見てくる女子生徒の顔があった。

　髪は短く、眼鏡をかけた黒髪の先輩。

　そして、そのポジションにいるということは、信長の上に乗っている重たいものとは、......？

――おっぱい！？

「そ、そ、そそうだ。我が織田信長だ。」

　信長はなんとか冷静を保ちながら返事をする。

「そうか、じゃあ早速ね......。」

「......？」

「織田信長くん。君をこの風紀委員へスカウトするよ。」

「......へ？」

　信長の頭の上に次々と『？』が浮かんだ。

「風紀委員ってのはこの学園の風紀を正す委員会のことでね。」

「やめだ。」

　信長は説明を最後まで聞かずにキッパリと断った。

「へ、なんで！？」

「だって、我が風紀を正すとか無理だもん！」

　信長は謎のドヤ顔。

「いや、なんでドヤ顔？　それよりも！！　先日の事件、信長くんがかなり活躍したらしいじゃないか。」

「いや、それは間違いだ。我は何もしていないぞ。」

「ほほう、嘘をついてきたか。だが、残念だな。ボクには事件の被害者の声がある！」

　と、女子生徒は言うと制服の胸ポケットからノートを取り出した。

　できれば、胸から直接取り出してほしかった、などという願望をグッと堪えながら、信長は取り出されたノートの表紙を見た。

　それは特になんの変哲もない普通のノートだった。

「被害者たちは口を揃えて言っているぞ。恐ろしい目付きとツンツンな頭。そして、異国の服装をしたターボン学園の英雄。その3つの特徴をもつ男に助けられたと。そして、それ君しかいない！！」

　と、女子生徒が熱く語る。

「なんか、そういうデータあるんすか？」

　信長はどこかでネット掲示板でも開設してたような人風にそう言う。

　目をパチパチさせて。

　だが、

「活動部屋まで来てくれれば取材の音素材があるから、それがデータになるはずだよ。」

「なん......だと......！？」

　さすがに言い返せない。

　というか信長はディベートが得意なわけではないから仕方ない。

「さぁ、信長くん。逃げ道はないぞ？」

「だが、我は......」

「じゃあ、信長くん。最後に嬉しい情報をあげよう。」

「なんだ？」

「風紀委員に入ると、たまに授業がサボれるぞ。」

「よし入ろう。」

　信長の顔色が急に変わった。

　あまりにも急に変わり過ぎて、女子生徒本人が驚いているくらいだ。

「......だが1つ条件がある。」

「なに？」

「結衣とイリスもともに風紀委員へ入る。いいな？」

「あぁ、もちろんさ。」

　こうして、信長たちは風紀委員になった。

　え、そんな簡単になって良いモノなの！？

　少し驚いている信長に女子生徒が回答した。

「もともと最初から引き入れるつもりだったからね。」

　あー、なるほど☆