第7話

それはゴーフェルのことだ。彼女は今どうしているだろうか?そして、彼女の目的は一体?

そんなことを思いながら夜空を見上げていると、シュヴァリエ様が温かい紅茶を持ってきてくれた。「これ、良かったら飲んでください」と言われ、私は受け取った。そして一口飲むと優しい甘さが口の中に広がっていったのだ……思わず頬が緩んでしまいそうになった時、シュヴァリエ様が言ったのである。「どうかしましたか?」

私は慌てて首を振りながら言った。「いえっ!なんでもないです!」

それから少し沈黙が流れた後、彼は突然真剣な顔をして語り始めたのである。「……実は私、ずっと考えていたんです。どうして私たちが狙われているのかってね……」

私は黙って聞いていたのだが、彼が言うにはゴーフェルは人間に悪い印象を抱いていて、人間を滅ぼそうとしているのではないか?そして、その理由というのが人間たちが自分たちを迫害したから?と仮説を立てていた。

確かに私たちの祖先は、過去に魔法使いたちを捕らえて酷いことをしたこともあったそうだ……だからこそ彼女は私たちを狙ってきたのではないか?とシュヴァリエ様は考えていた。

それを聞いて私は複雑な気持ちになったのだが、同時に悲しさを覚えたのである。

私は意を決して言った。「私決めました!絶対にゴーフェルと話をしてみるって!きっとちゃんと伝えれば、分かり合えます。」その言葉にシュヴァリエ様も同意してくれたのである。「そうですね……私もそう思います!まずは彼女と会って話をしないと!」

そして私たちは決意を固めると、明日に備えて眠りにつくことにしたのだった……。

翌日、私たちは早速フォーンス国へと向かい始めたのだが、その途中でゴーフェルが招待状に書いていた場所を見つけたのだ。そこには確かに大きな建物があったのである!私たちは迷わず中に入ることにしたのであった。

中は薄暗くて不気味だったが、それでも進んでいくしかないと思い進んで行くと突然目の前に魔物たちが現れた。

その魔物たちは、今までに見たことのない見た目で、とても強そうに見えたのだ……! しかし怯んでいる暇はないと思い、私たちは攻撃を仕掛けた。すると意外にもあっさりと倒すことができてしまったのである!どうやらこの魔物たちはただの囮だったようだ……ホッと息をつく間もなく次の敵が襲い掛かってきたため、急いで応戦する羽目になったのだ。だがなんとか倒すことができた。そして私達は先に進んでいくことにしたのだった。

しばらく歩いていると大きな部屋に出たのだがそこには一人の女性が立っていたのである。その女性は私たちを見ると言ったのだ。「よく来たわね」と..........

彼女は微笑みながらこちらに近づいてきたのである。

私たちは警戒しながら彼女を見つめていたのだが、彼女は気にせず近づいてきて私たちの顔を覗き込んできたのだ……そして「ふーん、あなた達が例の人間ね」と言うのであった............

その言葉に疑問を抱いた私は彼女に質問してみたところ、彼女はこう答えたのである……

どうやら彼女はゴーフェルの手下らしく、ゴーフェルが私たちをここに呼んだ理由は、ただ単にパーティーに招待したかったからというわけではなく何か別の目的があるようだと分かったのだ……!一体どういうことなのか?それを考えているうちに彼女はさらに続けたのである。

どうやらゴーフェルは何か企んでいるみたいだったのだ。「あなたたち、協力してくれるわよね?」と言う彼女に対し私は首を横に振ったのである。すると彼女は残念そうな顔をしていたが、すぐに笑顔に戻りこう言ったのだ……

どうやらゴーフェルの目的というのは人間を滅ぼすことらしい。

それを聞いた私たちは驚いたが、それ以上に怒りが込み上げてきた..........!私たちがそんなことをするわけがないではないか!だがそんなことはお構いなしに彼女は話を続けたのだった……そして最後にこう言い残して去って行ったのだ……「また会いましょう、早くフォーンス国へ向かいなさい。何か起きる前に。」と……

それからというもの、私たちはフォーンス国へと急いで向かうことにしたのだった……。

そしてしばらく歩いているとついにフォーンス国に到着したのである!私たちは早速、広場へと向かうことにしたのだが..........そこには大勢の人々が集まっていたのだ……!どうやら何か催し物が開かれているようだが一体なんだろうと思っていると、突然ステージ上に一人の女性が現れたのである。「皆さんこんにちは、私はゴーフェルと申しますわ。あら、皆さんの反応を見ると、私のことをご存知のようね?今日は皆さまに素敵なプレゼントを用意しましたのでら是非楽しんでいってくださいな」と言った後彼女は指をパチンと鳴らした途端辺り一面に煙が充満したのだ! その煙を吸い込んだ途端意識が朦朧としてきて立っていられなくなってしまったのだ……!そしてそのまま倒れこんでしまったのである。

それからどれくらい経っただろうか.........?目を覚ますとそこは見知らぬ部屋の中であった……どうやら誰かに運ばれたようだ……一体誰が?と思っていると、そこに一人の女性が姿を現したのである。

それは、フォーンス国に向かう途中で出会ったゴーフェルの側近だった。

彼女は私を見ると微笑みながら話しかけてきたのだった...........「あら目が覚めたようね」と言う彼女に対し私は警戒しながら尋ねた。すると彼女はこう答えたのである……「安心してちょうだい、あなたに危害を加えるつもりはないわ」と言った後続けてこう言ったのだ。「ただあなたに興味があっただけよ」

私はさらに質問しようとしたが、それよりも先に彼女が口を開いたのだ.........「あなたはどうして人間なのに私たち魔法使いに寄り添おうとするのかしら?不思議で仕方がないわ。あぁ、悪い意味ではないわよ。」と言う彼女に対し、私は答えたのである。「私たちはあなたたちと仲良くしたいと思っています!だから話し合いましょう!」と言ったのだが彼女は首を横に振った後こう言ったのだ..........

「それは難しいわ。私たち魔法使いにとって、あなたたちは脅威でしかないのよ」と言う彼女の言葉に対して私は反論した。「そんなことないです!私たちはあなたたちを敵だなんて思っていません!」

すると彼女は少し考え込んだ後、こう答えたのである……

「そうかもしれないわね。でもそれはあくまであなたたちの思い込みに過ぎないわ。それにもし仮に私たちがあなたの言う通りに動いたとしても、いずれまた同じことを繰り返すことになるかもしれない。 気持ちはとても嬉しいけれどね」と……

確かに彼女の言うとおりかもしれないと思った私は何も言い返すことができず黙り込んでしまったのだった……そんな私を見て、彼女は微笑んだ。

「でもありがとう、その気持ちだけでも嬉しいわ」と……

私は彼女に質問した。「ゴーフェルは、どうして私たち人間を滅ぼしたいんですか?何か理由があるんですよね?」と……すると彼女は少し考えた後、こう答えたのだ……「そうね、確かに理由ならあるわ。それは過去に受けた仕打ちに対しての復讐よ」と言ったのである。

それを聞いた瞬間、私はハッとしたのだった……

そう、遠い過去の歴史では、人間は魔法使いを断罪したからだ。

「だからあなたたちには罪は無いけれど、過去の出来事や記憶は中々消えないの。だから彼女は滅ぼしたいのよ。」と彼女は言ったのだ……

その言葉に私は何も言い返すことができなかった。

そして、その後私たちはしばらく沈黙が続いた後、彼女が口を開いたのである……「さて、そろそろ本題に入りましょうか?」と言う彼女の言葉に対して私は首を傾げたのだった。

一体どういうことなのだろう?と思っていると彼女は続けてこう言ったのだ。「実はね、あなたに頼みがあるのよ」と言ったのだ..........

その頼みとは一体何なのか尋ねると、彼女は答えたのだった。「それはね、私の仲間になって欲しいの。」と...........

私は一瞬戸惑ったが、頭にハテナマークを浮かべた。

「私も、実は魔法使いは人間と共存するべきだと思っていたわ。貴方のご友人のテオフラトゥスとか、同じ魔法使いでもすごく楽しそうじゃない?」

と彼女は微笑みながら言ったのだ。

そして「でも、やっぱり難しいのよね……」と言いながら溜息をついていた……私はそんな彼女の姿を見て思わずこう言ったのである……「なら、一緒に考えましょう!」すると彼女は嬉しそうな顔をして私に力強く頷いたのだ。

こうして私と彼女の作戦会議が始まったのだが、それはまた別のお話である……


それから数日後のこと、私たちはゴーフェルの屋敷に向かっていた。

目的はただ一つ、彼女を説得するためだ!きっと話せば分かってくれるはずだと思いやってきたのである……! しかしそんな私の期待とは裏腹に彼女は聞く耳を持たなかった.........それどころか逆に怒り出したのである。 そして遂には私に向かってきたのだ。

私は必死になって抵抗したが、力の差がありすぎてどうすることもできなかった。「もうこれ以上邪魔をするなら容赦しないわよ」と言って睨んできたのだ……だがその時突然扉が開き誰かが入って来たのだった……それはなんとテオフラトゥス様だったのだ!彼は私たちを見るとギョッとした表情を浮かべていた。

どうやら彼もゴーフェルに用があるようだ……一体何の用だろうか?と考えていると、ゴーフェルが口を開いたのである……「...........あら、誰かと思えばトカゲのお友達さんじゃない。トカゲさん、可愛らしいでしょ?」と……それを聞いたテオフラトゥス様は怒り出し、「笑い事ではない!」と言った後攻撃しようとしたのだが、その前にゴーフェルが魔法を使ってきたのである。

その結果、彼は思いきり飛ばされてしまったのだ……それを見た私は思わず悲鳴をあげてしまったのである……!だがその直後、今度は私に向かって攻撃してきたのだ。私は咄嵯の判断で防御壁を張ったものの、それでも防ぎきれずに直撃してしまったのである.........! その衝撃で意識を失いそうになった。

「ねえ!あなた、ここで諦める気? もう少しよ、もう少しだから!」

ゴーフェルの側近である彼女が、そんな私に懸命に話しかけてくれている。だが私はもう限界だった……これ以上耐えられないと思ったその時、突然目の前に巨大な壁が現れたのだ!そのおかげで何とか助かったのである……! 私が壁に寄りかかりながら座り込んでいると、彼女は心配そうな表情を浮かべながらも微笑んでくれたのだった。「良かったわ」と言って私を抱きしめてくれた。そんな彼女の優しさに触れて、涙が出そうになったがぐっと堪えた。何故ならここで泣いてしまったら彼女が困ってしまうからだ..........だから代わりに笑顔で返事をしたのである。すると彼女もまた笑顔で答えてくれたのだった……本当に優しい方である! その後、私たちは再び立ち上がった。そして改めてゴーフェルに立ち向かおうとしたのだが、そこで思わぬ出来事が起きたのだ!なんと彼女の足元に魔法陣が出現したのである! 驚いて見ていると、そのまま消えてしまったのだ..........!一体何が起こったというのだろうか?

「ゴーフェル、動揺していたわ。 ...........少しでも、私たちの声が伝わっているといいのだけれど。」

隣にいる彼女を横目で見ながら私は頷いた。

「きっと伝わったはずよ!私たちにできることは、とにかくゴーフェルに思いを伝え続けるだけね」

私たちはぎゅっと握手を交わして、屋敷を出ることにした。

「わっ、太陽の光が眩しいわね..........。 これからあなたはどうするの?しばらくゴーフェルは戻ってこない様子だけれど」

彼女は微笑みながら、私に話しかけてきた。私も微笑んで答える。

「そうですね..........しばらくは仲間と共に生活していこうと思っています。」

「分かったわ、でも何かあったらいつでも手紙でもちょうだいね?力になれると思うから」

そう言って彼女は自分の住所を紙に書いて渡してくれたのだ!私はそれを大切にしまった後、彼女にお礼を言ったのである。そして私たちは別れ際にもう一度握手を交わしてから別れたのだった……。

その後私は一人になったわけだが特に不安はなかった。何故なら私には仲間がいるからだ.........!きっと彼らなら私の力になってくれるだろう……そう思いながら私は歩き出したのだった。


「もうっローザ!どこ行ってたの?皆で色々なところ探したのよ、心配したわ!」

そう言いながら涙目になって走りかけてきたメアリーさんを見て、私も泣きそうになってしまった。

「すみません、心配かけちゃいましたね」

私はそう言いながら彼女に抱きついたのだった……

その後私たちは一緒に行動することになったのである。

「今日も暑いわね..........そういえば、テオフラトゥスおじい様はそんなに暑くなさそうにしてるけど、耐性でもあるの?」

「いやいや、我はそんな能力は持っておらぬよ。ただ単に鍛えているだけだがな.........お主らはまだまだじゃな」と笑いながら言う彼に、つられてシュヴァリエ様もすぐに笑顔になっていたのだ。その後は楽しく話しながら歩いているうちに、あっという間に目的地に到着したのである。

そこはフォーンス国の中でも1番大きな街であり多くの人々で賑わっていたのだ。

私たちは早速街を探索することにし、色々なお店を見て回ったのだがどれも興味深いものばかりだった!特に気になったのは魔法道具屋である!そこで売られていた商品の中にはとても珍しい物もあり、見ているだけでも楽しかったのである!

そして一通り見て回った後、私たちは休憩するために喫茶店に入った。店内はとても広くて綺麗で雰囲気も良く、とても居心地の良い場所であった……

そこで私たちはそれぞれ好きな飲み物を注文し、席に着いたのだった。

それからしばらくの間雑談をしていたのだが、ふと気になったことがあったので質問してみることにしたのだ...........

「実は、皆さんが私を探してくれている間、側近の女性とゴーフェルに話をしに行ったんです。」

私がそう言うと、皆一斉にこちらを見たのだ。

「それで、どうなったの?」とメアリーさんが聞いてきたので、私は正直に答えたのである。

「はい.........一応話は聞いてくれたのですが、やはり納得してもらえなかったみたいでした..........」

それを聞いたシュヴァリエ様は少し残念そうな表情を浮かべていたのだが、すぐに笑顔に戻ったかと思うと私に話しかけてきたのだった……

「まあ仕方ないですよ。でも諦めずに何度も会いに行くしかありませんね。きっと強さを備えた彼女なら、理解してくれますよ。」

私も笑顔で頷いた後、今度はテオフラトゥス様の方へ向いたのである。

そんな彼は、なんだか考え事をしているようだった……一体何を考えているのだろうか?

「どうしたのですか?」と尋ねると、彼はこう答えたのだ。

「実はな..........友人のことなのじゃが.........」と言って私の方を見た後、さらに続けたのである。

「あの子は大丈夫だろうかと思ってのう...........」

それを聞いて私たちは思わずドキッとしてしまったのだが、同時に少し不安にもなったのである……なぜならゴーフェルは強いだけではなく、少し冷酷な面もあるからだ。もし何か危害を加えられたらと思うと心配でならなかったのだが、とりあえず今は信じて待つしか無いと思ったのである。そしてその後は特に何事もなく時間が過ぎていったのだった……


「それにしても、平和ねぇ…。先日の出来事が本当に嘘かのように感じるわ」

シュヴァリエ様は窓の外を見ながらそう言ったのだ。

「そうですね.........本当にあの時は大変でしたから..........」

私もまた、同じことを考えていたので思わず苦笑してしまったのだった。

それからしばらくの間沈黙が続いた後、突然彼女が口を開いたのである。

「ねえ、そういえばグレッグさんは?あれから全然姿を見ないのだけれど、皆さんご存知?」メアリーさんがそう尋ねると、全員首を横に振っていたのだった……

「いえ、私は何も知りませんが.........」と私は言った。

「我も知らぬぞ。まずこの街で出会えたのはお主らだけだからな。」テオフラトゥス様も続けてそう言ったのである。それを聞いたシュヴァリエ様は不思議そうな顔をしていたのだが、やがて諦めたような表情になった後こう言ったのだ。

「..........またいつか会えるでしょうし……ね?」と言って微笑んだ後で再び窓の外を眺め始めたのであった……


皆のドリンクも空になったところで、メアリーさんが口を開いた。

「さて、皆揃っているわけだし、引き続きスイーツ巡りするわよ! バタバタしていて、この国の名物をまだまだ全部食べられていなかったし!」

それを聞いた私とシュヴァリエ様は顔を見合わせて笑い合った。

結局行くことになり、こうして私たちは次の店を目指して歩き始めたのである! その後しばらく歩いて着いたお店に入ると中はとても広くて綺麗だったので驚いたのだった。内装も凝っていてまるでお城の中に入ったかのような感じだったのである。

このお店は、世界中のパティシエを集めたケーキ専門店らしい。

自国でもよく噂を聞いていたが、こんなにもすごいとは思ってもいなかった。

そして早速注文することにしたのだがメニュー表には様々な種類のスイーツが載っていたので目移りしてしまった……どれも美味しそうだったので迷ってしまったが、最終的に選んだのは、メアリーさんと同じ大きな苺が乗ったショートケーキだった。

メアリーさんは、大福を食べた時も苺がまるまると入ったものを選んでいたが、ひょっとして苺が好きなのかな?と思うと、自然と笑みが溢れた。

シュヴァリエ様とテオフラトゥス様はそれぞれアップルパイとモンブランを頼んだのである……

そして待っている間、雑談をしていたのだがそこでふと思いついたことがあったので聞いてみたのだ。

「そういえば皆さんって、好きなものとか趣味とかあります?」

すると2人とも考え込んでしまった後、ほぼ同時に口を開いたのである。

「うーん……特にこれといってないですね……」とメアリーさんが言った後に続けてこう言ったのだ。

「強いて言うなら食べることが好きです!」と言った後で照れくさそうに笑っていた。

それを見ていたシュヴァリエ様は苦笑しつつも、「私は本を読むことが好きだな……あと魔法の研究なんかも好きだね」と答えてくれたのだ。それに対してテオフラトゥス様もまた答えたのである。

「ほう、魔法の研究をしているのかね。 わしで良かったら、何かわからないことがあったらいつでも聞いてくれ。」

それから少ししてケーキが運ばれてきたので皆で食べることにしたのだが、一口食べてみるとその美味しさに思わず顔が緩んでしまったのだった。特に苺の甘酸っぱさが絶妙でとても美味しかったのである!その後も夢中で食べ進めているとあっという間に完食してしまったほどだった……

その後私たちは店を出てから、毎日行列ができるというフルーツタルトの店に行ってみようという話になり、向かうことになったのである……


「ここは最近オープンしたばかりだそうだぞ」テオフラトゥス様が説明してくれる。

「わあ!楽しみですね!」メアリーさんも嬉しそうだ。

「どんな味なのか想像できないですね……」シュヴァリエ様は興味深そうにしている。

そしてついにお店に到着したのだが、店内は人で賑わっていたため少し待つことになったのだ……しかしその間も話題が尽きることはなく、ずっと喋り続けていたのである。

そうしているうちに順番が来たので早速持ち帰り用に注文をしようとメニュー表を見ると、どれも美味しそうなものばかりだったので迷ってしまったのだが結局全員違う種類のものを選んだのである。

そして支払いを済ませた後店を出てから、早速私は買ったブルーべリータルトを一口食べてみると、口の中に甘酸っぱさが広がった後すぐに溶けてなくなってしまった……まるで魔法のようだったのだ!あまりの美味しさに感動しているとシュヴァリエ様もまた幸せそうな顔をしていたので思わず笑ってしまったのだった。

それから私たちはカロリー消費のために歩き回っていたのだが途中で見つけた雑貨屋さんに立ち寄ったのである。店内には様々なデザインの小物やアクセサリーなどが所狭しと並べられていたのだ。

メアリーさんは興味深そうに商品を眺めているので私も一緒になって見ていたのだが、ふとある物に目が留まったのである……それは小さな宝石が埋め込まれたネックレスだった。値段もお手頃だったので試しに付けてみるととてもよく似合っていたのだ!するとシュヴァリエ様とテオフラトゥス様にも褒められたので嬉しかったのである。

それからしばらく店内を見て回った後、私たちは店を出てから次の目的地へと向かうことにしたのだった............

「丁度夜になったし、夕食の時間だね。皆、何が食べたい?」

とシュヴァリエ様が聞いてくれたので、私たちはそれぞれ食べたいものをリクエストすることに決めたのである。

「何がいいかしらね..........歩き回ってお腹ぺこぺこよね」

「わしは、普段はあんまり食べないようなものがいいな。」

その結果決まったのは、ピザだった!それもチーズがたっぷり乗っているものである……!注文してから待つこと30分後……ついに運ばれてきたのだが予想以上に大きくてびっくりしてしまったほどだ。

早速食べてみると生地はモチモチしていてとても美味しかったし、チーズも濃厚でクリーミーな味わいだったのであっという間に平らげてしまったほどだった。また機会があれば是非とも食べに行きたいと思うくらい満足度が高かったのである............

そして食事を終えて店を出ると、すっかり日が暮れていたので私たちは宿に帰ることにしたのだった……


翌日になり、今日も朝からよく晴れていた。気温も高くて暑いくらいだがその分日差しが強いので日陰を選んで歩くことにしたのである。

こうして私たちは、ゴーフェルに会うために何度か彼女の屋敷を訪れたのだが、結局最後まで彼女は私たちの話を聞くことはなかったのだ。それでも諦めずに何度も会いに行った結果ついには彼女から手紙が届いたのである!その内容は「あなたたちと現時点で組む気はないけれど、いい方向に進む話がしたいから屋敷に来てちょうだい」とのことだった。

早速私たちは、勇んで向かうことにしたのだ...........


屋敷に着き中に入ると彼女は出迎えてくれたのである。久しぶりに会った彼女の顔色は相変わらず悪かったが心なしか以前よりは元気そうに見えた気がしたのだ。

それから私たちはテーブルを挟んで向かい合う形で座った後、早速本題に入ることにしたのだった……「それで、話というのは何でしょうか?」私が質問するとゴーフェルは少し間を置いてから口を開いたのである。

「そうね、魔女会議で決まった案なのだけれど、あなたたち人間が無害と証明されたら、手助けしてあげてもいいということになったわ。」

「本当ですか!?」私たちは思わず立ち上がってしまったほどだった!まさかこんなにもあっさりと協力してくれると言ってくれるなんて思ってもいなかったからだ...........。

ゴーフェルはそんな私たちの様子を見て苦笑しながらこう続けたのである。

「ただし、一つだけ条件があるの」

「それは何でしょうか?」メアリーさんが尋ねると、彼女は少し間を置いてから答えたのだった。

「この世界を救うためにあなたたちが集めたデータを全て見せて欲しいのよ。私はそれを解析して対策を立てることができるわ。でもそのためにはどうしても情報が必要なの。」

「なるほど、そういうことだったんですね.........わかりました!お見せします!」と私は答えたのだ。すると他の2人も頷いてくれたので早速準備に取り掛かることにしたのである。そしてしばらくした後ようやく準備が整ったので私たちは順番に説明を始めたのだった...........

ゴーフェルは私の説明を聞いている間ずっと真剣な表情を浮かべていたが時折質問をしてくることもあったのでそれに答える形で話を進めていったのである。そうして全てを話し終えた頃にはすっかり日が暮れてしまっていたのだが、彼女は最後まで真剣に聞いてくれていたようだったのだ……最後にお礼を言うと少し和らいだ表情になった。

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