第4話

私たちは急いで準備をして街の中心部と向かった。そして中心部に着くとそこは既に戦場と化しており、人々が逃げ惑っている光景が広がっていた。

シュヴァリエ様は剣を抜き、グレッグさんもすぐに応戦した。私も剣を握りしめて戦いに参加した。しかし魔王の手下達は強く、なかなか倒すことができなかった……。

その時突然大きな爆発音が響き渡った!それは街の中心から聞こえてきたようだった。

「あれは一体...........?」と私が言うと、シュヴァリエ様が答えた。「おそらく、大魔道士の魔法でしょう!助けに来てくれたようです!」彼はそう言うと走り出し、私たちも後に続いた。

街の中心部に着くと、そこには大魔道士の姿があった。彼は杖を掲げており、そこから巨大な光の球が生み出されていた。そしてそれを魔王の手下たちにぶつけると、凄まじい光と衝撃が周囲を襲った!

「やったか……?」とシュヴァリエ様が言うと、大魔道士は答えた。「いや.........まだだ!」

爆発によって発生した煙が晴れると、そこにはまだ健在の魔王軍の姿があったのだ!彼らはこちらに襲いかかってきた。私は恐怖で足がすくんでしまったが、シュヴァリエ様やグレッグさんは果敢に立ち向かった。

私も剣を握り直し、勇気を出して立ち向かった。そして戦いながら思った……やはり私は勇者として選ばれた人間なのだと。だからきっとこれからも自分自身を信じ続ければ、どんな困難にも打ち勝つことができるはずだと。

そしてついに魔王の手下たちを全て倒しきることができたのだ!街の人々も大魔道士のおかげで救われたようだ。

「これでもう安心ですね」とシュヴァリエ様が言うと、大魔道士は微笑んで言った。「ああ、君たちのおかげで助かったよ」

そして私たちは街の人々から感謝されながら、ギルドへと戻ったのだった……。

ギルドに戻るとギルドマスターが私たちを出迎えてくれた。彼はとても嬉しそうにしており、まるで自分のことのように喜んでくれていた。

「本当にありがとうございました!」と皆さんは深々と頭を下げた。「おかげでこの街は救われました!本当に感謝しています!」

グレッグさんは笑顔で言った。「いえいえ……俺たちは当然のことをしただけですよ」

と。そして私たちはお互いに握手を交わし、お互いの健闘を称えあった。

「それにしても……これからどうしましょう?」とシュヴァリエ様が呟いた時、突然大魔道士が口を開いた。「実は一つ提案があるんだが……」

私たちは興味津々で耳を傾けた。大魔道士は一呼吸置いてから話し始めた。

「実は私には故郷があるんだ……そこで君たちに頼みがある」と言って彼は続けた。「私の故郷である『魔法都市』に行ってほしいんだ」

私は大魔道士の話に興味を持ち、詳しく聞いてみた。

「魔法都市?そこはどんな場所なんですか?」

すると彼は言った。「魔法都市はその名の通り、魔法の研究や開発が行われている場所だ。そこには様々な魔法に関する書物や道具が揃っているんだ」と。

「なるほど..........興味深いですね」と私は言った。そして大魔道士は続けて言った。「君たちには、その道具の一部を持ってきてもらいたいのだ。金色のほうきに青い魔力抽出道具を頼めるか?」私は考え込んだ。それはとても貴重な物であり、貴重な魔法技術が詰まっているのだろう。しかしそれが何故必要なのか分からなかった。そこで大魔道士に尋ねてみたところ、彼は言った。「実は魔王の手下たちと戦った時、魔力抽出道具を使っていただろう?」と。

私は驚いた。すごい爆発音が聞こえてきたが、まさかあれだったのか。彼は続けた。「あれは魔力を凝縮して強力な力を引き出すことができるんだ」と教えてくれたのだ。

「それならばお安い御用です。シュヴァリエ様、グレッグさん、ご一緒していただけますか?」

と私が言うと、二人は笑顔で頷いた。そして私たちは準備を整えてから、魔法都市に行くことになったのだ。


「それにしても、あのおじいさ..........こほん、魔道士はすごい人だよね」

グレッグさんはしみじみと感心したように呟いた。

「そうですね……彼のおかげでこの街が救われたのですから」と私が言うと、シュヴァリエ様も同意した。「やはり彼は偉大な人物なのでしょう」

私たちは魔法都市に向けて出発した。その道中は魔物や盗賊に襲われることもなく、順調に進むことができたのだ。そしてついに魔法都市に到着したのだった……。

魔法都市に着くと、そこはまるでおとぎ話に出てくるような美しい街並みが広がっていた。建物は色とりどりに輝きを放ち、道行く人々は楽しそうに笑っていた。

街の中心には大きな城があり、それがこの都市の象徴となっているようだ。


私たちはまず大魔道士から頼まれた道具を探し始めたが、なかなか見つからなかった。しかし諦めずに探していると、ようやく見つけることができたのだ!それは輝く宝石のような形をした石だった……これこそが魔力抽出道具なのだ!

私たち3人は喜び合い、早速金色のほうきも探してみることにした。

しかし、何度見渡そうと見つからないのだ。

運良く道端に落ちているわけでもないし、、誰かに盗まれたというわけでもない。

するとその時、一人の少女が私たちの前に現れた。その少女は私たちに話しかけてきたのだ。「お兄さん達、何か探してるの?」と彼女は尋ねてきた。

私は驚きつつも彼女に事情を説明したところ、彼女は微笑んで言った。「それなら私に任せて!」と。そして彼女が指差したのは、大きな建物だった……どうやらそこに案内してくれるようだ。

私たちは、彼女について行きながら尋ねた。「君はどうしてこの魔法都市にいるの?」すると彼女は答えた。

「実は私ね、将来は魔法使いになりたいんだ!だから今必死に特訓してるの!」

私たちは彼女の話に興味津々で聞き入っていた。

「魔法使いってどんな感じなの?」と私が尋ねると、彼女は目を輝かせながら言った。「とっても素敵で楽しいよ!魔法を使って色んなことができるんだ!」と。

そして私たちは大きな建物に到着した。中に入ると受付の女性が話しかけてきた。「ようこそいらっしゃいました……本日はどのようなご用件でしょうか?」

私は事情を説明し、大魔道士から頼まれた道具を探していることを伝えた。すると女性は微笑んで言った。「かしこまりました..........それでは、お探しの物を探しましょう」と。

そして私たちは待つことになったが、しばらくして女性が戻ってきたのだ。「お待たせいたしました」と言って彼女が持ってきたのは、紛れもなく金色のほうきだった!「これで間違いありませんか?」と女性は尋ねた。

私は大喜びで答えた。「はい!これです!」すると女性は微笑んで言った。「良かったですね...........それではお気をつけてお帰り下さいませ」私たちは彼女にお礼を言い、その場を後にしたのだった……。

「ほうき、見つかってよかったね!魔法使いにとってほうきは必要不可欠なの!」

小さい彼女は、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら嬉しそうに笑っている。

「そうなんですね……これでようやく魔法都市でやるべきことが終わったんですね」

と私が言うと、彼女は少し寂しそうな顔をうかべた。

「そうだね……でも私、もっと魔法都市を紹介したいな!素敵なところだから!」と彼女は目を輝かせている。

「では一緒に行きましょうか?せっかくですから観光しながら帰りましょう」と私が提案すると、彼女は満面の笑みで頷いた。

こうして私たちは魔法都市での冒険を終え、帰路につくことになったのだ……。

大魔道士から頼まれた道具である魔力抽出道具を手に入れた私たちは、魔法都市を後にすることにした。

「この道具、どうやって使うんでしょうか?」と私が尋ねると、シュヴァリエ様が答えてくれた。「これはですね……本で見たことあるのですが、まず魔力の結晶である『魔石』が必要になります」と彼は説明してくれた。「そしてこの結晶を特殊な装置で圧縮して凝縮させるのです」

私は興味津々で聞いていたが、グレッグさんは少し退屈そうにしていた。彼は早く帰りたいのだろう。

シュヴァリエ様はそんな彼の様子に気づいたようだが、話を続けた。

「圧縮された結晶をさらに特殊な装置で熱することによって魔力が抽出されます」

私はシュヴァリエ様に向かって言った。「つまりこの道具を使うことで、もっともっと強い魔力の抽出ができるわけですか?」と。すると彼は嬉しそうに答えた。「その通りです。本の知識の受け売りですが。」

そして私たちは引き続き帰っていたのだが、その途中でシュヴァリエ様が言い出したのだ!「せっかくですから少し寄り道していきませんか?」と彼は言った。

私は驚いたが、グレッグさんは興味深そうにしていた。「どこへ行かれるんですか?」と彼が尋ねると、シュヴァリエ様は微笑みながら言った。

「皆さん疲れたでしょうし、甘いものでも食べに行きましょうか。」

私たちはシュヴァリエ様の提案に賛成して、近くにあったおしゃれなカフェへと向かった。そして私たちはそこで、様々なスイーツを楽しんだ!私はチョコレートケーキやパフェを食べながら、紅茶を飲み干し幸せな気分に浸っていた……。

その後は無事にギルドへ帰還した。私たちは魔法都市での出来事を報告したが、ギルドマスターはとても喜んでいた。彼は私たちに感謝の言葉を述べながら報酬を渡してくれたのだ!私たちは満足げな表情でギルドを後にした……。

「今回の冒険は大成功でしたね!」と私が言うと、シュヴァリエ様もグレッグさんも、笑顔で

頷いた。

着いたのが夜だったため、その日は大魔道士とは会わずにゆっくりと自室のベッドに寝転んだ。

そして翌日、私たちは大魔道士に会いに行くことにした。彼は、私たちを笑顔で出迎えてくれた。

「よく来たね、お疲れ様だ。話がてらお茶でも飲んでいきなさい。」

と彼は言った。私たちは喜んで彼の提案を受け入れたのだった……。

大魔道士は私たちにお茶を淹れてくださり、しばらく会話を楽しんでいた。そして、大魔道士は思い出したかのように言ったのだ。

「そうだ、頼んでいた2つの道具は無事にあったか?」

と。私は微笑んで答えた。「はい、これですよね?ちゃんと持ってきました!」

そして大魔道士は金色のほうきを受け取った後、もう1つの道具である魔力抽出道具も受け取ったのだ! 彼は微笑みながら言った。「ありがとう!君たちは本当に素晴らしい働きをしてくれたよ!」私たちは嬉しくなり、思わず笑みがこぼれた……。

その後しばらく雑談した後、私たちは大魔道士の家を出たのだ……。

そして今に至るのだが、私とシュヴァリエ様は長期休みがそろそろ終わるので、学園の寮へと戻ることにした。

「ほう、2人は学生か。しばらく会えないとなると、寂しくなるの」

大魔道士とグレッグさんが悲しそうな表情をいる。私は少し申し訳ない気持ちになったが、それでもこの冒険が終わったら学園に戻ることになっていたので仕方がなかったのだ。

「はい……でもまたお会いできる日を楽しみにしています」と私が言うと、大魔道士は微笑んだ。そしてグレッグさんも「おう!俺も楽しみにしているぜ!」と言ってくれて嬉しかった。私たちは彼と握手を交わして別れを告げた……。

あの壮大な冒険から1週間ほど経ち、学園の休みが終わった。私たちはいつものように授業を受けたり、訓練をしたり、変わらない日常を過ごしていったのだ。

そんなある日、私はクラスメイトたちと一緒に会話をしていた。すると突然、誰かが私の後ろから話しかけてきたのだ。

「貴方がローザ嬢かしら?」と。振り返るとそこには銀髪の美しい女性がいた。私は驚きつつも彼女に返事をした。「はい、そうですが……あなたは一体……?」と尋ねる私に対して彼女は微笑みながら答えた。「私の名前はエカテリーナと言います」エカテリーナと名乗る女性は私に尋ねた。「ところで君の名前は?」私は少し戸惑いつつも自分の名前を伝えた。すると彼女は言った。「なるほど!素敵な名前だね!」

私は少し恥ずかしくなったが、同時に嬉しさもあった。「ありがとうございます」と私は答えた。

そして私たちは一緒に会話を楽しむことになったのだ……。

その後、エカテリーナさんは私に様々なことを教えてくれた。魔法のこと、歴史のこと、そして彼女が所属する組織について……。彼女は言った。「ローザ嬢、もしあなたが興味あるのなら、私たちの組織に入りませんか?」と……私は迷ったが、それでも彼女について行くことに決めたのだった……。

それから数日後、私はエカテリーナさんに連れられてある建物へとやってきた。「さあ、着きましたよ」と彼女は言った。私は緊張しながらも彼女の後をついて行ったのだ……するとそこには巨大な門があり、その向こう側には広大な庭園が広がっているのが見えた。「ここが私たちの組織の拠点です」とエカテリーナさんは言った。私は驚きながらも彼女に尋ねた。「ここにお仲間さんたちがいらっしゃるのですか?」すると彼女は微笑みながら答えた。

「ええ、皆さんお茶会を楽しんでらっしゃるのよ」

そして私たちは門の奥へと進み始めたのだった……

「これが組織の拠点ですか……」私は目の前にある大きな建物を見つめながら言った。するとエカテリーナさんが微笑みながら言った。「さあ、中に入りましょう!」私は頷いて彼女と共に建物の中へと入って行った……。

中に入るとすぐに女性がいた。彼女は笑顔で挨拶をしてくれたので、私も挨拶を返した。そしてエカテリーナさんは彼女に尋ねた。「こんにちは、皆さんはいらっしゃいますか?」すると彼女は微笑んで答えてくれた。「はい、今は中庭にいますよ」と教えてくれたのだ。

私たちはお礼を言って中庭に向かった……。

中庭に着くと、そこには美しい庭園が広がっていた。そしてそこでお茶会をしている人たちが見えたのだ。私はエカテリーナさんに尋ねた。「あの人たちが私たちの仲間ですか?」すると彼女は微笑みながら答えた。「ええ、そうよ」と……

そして私たちは彼女たちに近づいて行ったのだ。すると1人の女性が私たちに気づき、声をかけてきた。「あら!エカテリーナさん!お久しぶりですね!」と彼女は言った。私はその女性が誰なのか分からなかったので彼女に尋ねた。すると彼女は微笑んで私を紹介してくれた。

「初めまして、彼女はローザと言います。私のご友人ですのよ。どうか仲良くしてあげてくださいな」と。

その後私たちは自己紹介をして、お茶会に参加することにしたのだ。そして私たちは楽しくおしゃべりをしながら時間を過ごしたのだった……。

それから数日後、私はエカテリーナさんに連れられて再び組織の拠点を訪れた。「今日は何をするんですか?」と私が尋ねると、彼女は微笑みながら言った。「今日は訓練をする予定です」と……

そして私たちは中庭にやって来たのだ。そこには様々な武器を持った人たちが集まっていた。私はエカテリーナさんに尋ねた。「ここで訓練をするんですか?」

と。すると彼女は微笑みながら答えた。「はい、そうです!皆さんで集まって、お茶会だけじゃなく日々訓練しているのですよ」と……そして私たちは訓練を始めたのだった……。

皆さんは剣術に長けていて、動きが素早く私はまだまだなのだと実感した。

余計やる気が出てきて、私はエカテリーナさんに指導を受けながら日々訓練を積み重ねていった。


私はエカテリーナさんと一緒に、テラスでお昼を食べていた時のことだった。

「あの、エカテリーナ嬢!お話があるのですが…」

1人の男爵令息がこちらに近寄ってきて、エカテリーナさんを見て照れくさそうにしていた。

「あら、何でございましょう?」

彼女が不思議そうな顔を浮かべたら、男爵令息は慌てたように言った。

「また放課後に、ここに来てくださいませんか?」

彼女はクスッと笑って言った。「ええ、もちろんです」

そして、男爵令息は嬉しそうにして去っていったのだ……。私は気になって質問した。「エカテリーナさん、あの人とはどのような関係なんですか?」と……すると彼女は微笑みながら答えてくれた。「あの方は私の恩人なのです」と……そしてエカテリーナさんは語り始めた……。


昔々ある国にとても美しい女性がいたのだった。

その女性は自分の美しさで人々を魅了し、国中の人々を虜にしていた。しかし、その女性は大きな悩みがあった。

それは自分自身の美貌が衰えていくことに恐怖を感じていたのだという。そこで彼女はある方法を考え出したのだ...........

「そうだわ!私の美貌を永遠に保ち続ける方法を見つけよう!」

そして彼女は様々な研究を重ねた。

そしてついにその方法を編み出したのだ……

「これで私は永遠の美しさを手に入れることができる!」と女性は喜び勇んで、その方法を実践したのである。すると驚くべきことに、彼女の美貌は衰えるどころかますます輝き、なんと彼女の元には子どもが生まれてきた。

たくさんの人に愛され、その子はのびのびと育ったが、幼い頃は病弱で中々外で遊ぶことができなかったのだ。

そんな中、1人の男の子がずっとお話を聞いてくれて、そばにい続けてくれたのだとか。


「それが彼と私の物語です。先程の彼とは幼なじみみたいなものなのですよ」

と彼女は微笑みながら私に言った……。

「なるほど、ということは…告白でしょうかね」

私が呟くように言うと、エカテリーナさんは飲んでいた紅茶を吹き出しそうになった。

「こほんっ、ローザさんは突然ね!」

と彼女が言うので私は慌てて謝った。「すみません、つい思ったことを...........」と。

するとエカテリーナさんは笑って許してくれたのだった……

その後私たちは別れて、私は自室に戻ったのだった。

別れる前に「私の話を聞いてくれてありがとう」とエカテリーナさんが私に微笑んで言ったのだ。私はお礼を言い返した後、彼女に手を振ったのであった……。

そんな次の日のことだった……

私が、朝早くからいつも通り訓練をしている時のことだった。

「ローザ、順調かい?」

聞き慣れた声が聞こえてきて、私はそっちを向いた。

シュヴァリエ様が優しい笑顔でこちらに駆け寄ってくる。

「あら、シュヴァリエ様!お元気でしたか?訓練は順調ですわ!」

と私が元気よく答えると、彼は微笑んで言った。

「そうか!それは良かったな!」

そして彼は私の方を見て真剣な表情になって続けた。

「実は、ローザに頼みがあるんだ」私は首を傾げながら尋ねた。「何でしょうか?」するとシュヴァリエ様は話し始めたのだ……

彼の話を聞いていくうちに私は驚いたり感心したりしながら聞いていたのだった……。そして、私は彼の頼みを引き受けることを決めたのだ。

それは、こうして毎日朝に会うことにする頼みだった。

「もちろんです!明日もお会いしましょう」

私がそう言うと、シュヴァリエ様は嬉しそうにしていた。

お互い笑顔で各々の教室に戻ると、エカテリーナさんが入室してきた。

しかし、なんだか彼女の表情は暗い気がする。

どうしたのだろうと思い、授業が始まるまでに話を聞いてみた。

「おはようございます、エカテリーナさん」

「…ええ、おはようございますローザさん」

「どうされましたか?元気が無いように見えますが..........」

恐る恐るそう聞いてみると、彼女は少し悩んだ様子を見せた後、話してくれた。

「実は先日、男爵令息から告白をされたのです……クラスメイトであるお嬢様のことを、好きになったと」

それを聞いて私は驚いたが、とりあえず話を聞いてみることにした。

どうやら彼は、他の女性の事が好きらしく、エカテリーナさんはそれで悩んでいるらしいのだ……。

私は彼女に対して励ましの言葉をかけたのだが、あまり効果はなかったようだ……。

「ありがとうございます、ローザさん.........」とエカテリーナさんは、力なく答えたのだった……。

それから数日後のこと、エカテリーナさんがまたも浮かない顔をしていた。

私は心配になり彼女に話しかけた。「こんにちは、エカテリーナさん。今日はどうされたのですか?」

と私が尋ねると、彼女は少し躊躇った後話してくれた。

「実は.........告白されたのです」

どうやら彼女はクラスメイトの男性から告白をされたらしいのだ……。

しかし、その男性は彼女に対して好意を持っているわけではなく、自分の権力や地位のために彼女に近づこうとしているだけだったのだ。それを彼女は見抜いていたらしく、断ったのだという……。

確かに、エカテリーナさんの家系はとても有名で、彼女の美貌は誰もが羨むものだ。

しかし、それでも彼女は自分よりも相手を優先してくれるような優しい女性なのだ。そんな彼女に対して、私は尊敬の念を抱いたのだった……。

その後もエカテリーナさんの浮かない顔は続き、彼女が元気な表情を見せてくれることはほとんど無かったのだ……。

そんな悩みを抱えたある日のこと……

「シュヴァリエ様、ご相談したいことがあるのですが……」と私はシュヴァリエ様に話しかけたのだ。すると彼は少し驚いた様子を見せつつも、微笑んで言った。「どうしたんだい?」

と。

私は彼に事情を話した。エカテリーナさんのことを……

すると彼は真剣な表情を浮かべて考え込み始めたのだ……。そしてしばらくしてから口を開いた。「なるほど、それは大変だね……」

「はい、そうなのです」と私が言うと彼は続けて言った。「でも、まずは彼女がどうしたいかを聞いてみないと分からないんじゃないかな?」

確かにそうだと思い、私はお礼を言ってエカテリーナさんの元へ急いだのだ……。

「こんにちは!エカテリーナさん、お元気ですか?」と私が尋ねると、彼女は微笑んで答えた。

「ええ、元気ですよ」

「それは良かったです!ところで、今日は相談があって来たんですよ」と言うと彼女は首を傾げた。「相談ですか?」

私は彼女の目をしっかりと見据えてから言った。「ええ、そうです!実は……最近、エカテリーナさんが元気が無いように見えて心配なんです。何かお悩みがあるなら聞かせてほしいのです!せっかくお友達になれたんですもの。」

すると、彼女は少し躊躇った後、話し始めた。

「............私、彼のこと諦めたくないわ。本当は、体が弱くてもずっと一緒にいてくれて嬉しかったの。でも、告白して断られることが怖くて、1歩を踏み出せなかったの。」

彼女の言葉に私は頷いた。

そして彼女は続けた。「でも、今は違うわ!自分の気持ちに素直になりたいの!」

その言葉を聞いた時、私は胸が温かくなったような気がした。

そして彼女は続けて話したのだ……。

「私ね、だから告白するわ!それでダメだったら諦める!」と強く宣言したのだ。

そんな彼女を見て、私も応援したくなったのだ……。だから私は言った。「応援しますわ!頑張ってください!」と……

それから数日後……エカテリーナさんはついに告白をしたらしいのだ。結果は……成功だった。

どうやら彼女は、その男性と付き合うことになったそうだ。

理由を聞いてみると、彼もエカテリーナさんの気を引きたくて、他の女性を好きになろうとしたが、だめだったようだ。

2人は同じ気持ちだったらしかった。

私はとても嬉しかったし、自分のことのように喜んだのだった……。

「ありがとうございます、ローザさん!あなたのおかげで、本当の気持ちに気づけたわ」

そんなエカテリーナさんが元気を取り戻してくれたおかげで、クラスの雰囲気は明るくなり、みんな楽しそうにしていたのだった……。

こうして私の悩みは解決したのであった……。そして私はこれからも彼女の幸せを願っていくことを心に誓ったのであった..........。

ある日のこと、私はシュヴァリエ様に呼ばれて彼の部屋に向かった。

部屋に入ると、彼は笑顔で迎えてくれた。「やあ、ローザ!よく来てくれたね!」

「こんにちは、シュヴァリエ様!本日はどのようなご用件でしょうか?」私が尋ねると彼は答えた。「実はね、君にお願いがあるんだ」と……

私は首を傾げつつ尋ねた。

すると彼は微笑みながら続けたのだ……

そして彼が話した内容は驚くべきことだった……

なんと、冬の長期休みの時にまたあの旅のメンバーに会いに行こうというものだった。

私も同じ意見だったので、うんうんと頷き笑顔を見せた。

「ぜひご一緒させてください!皆さんお元気でしょうか?」

と私が尋ねると、彼は頷いた。「もちろんだよ!みんな元気でしょう!」

それを聞いて私は安心した。

そして私たちは早速準備を始めたのだった……

冬の長期休みまであと1ヶ月ほどあるが、その間にも訓練や勉強を欠かさずに行う必要がある。

私はより一層気合いを入れて取り組むことにしたのだ……

そして、ついに長期休みが始まった!私たちは早速旅の仲間たちに会いに行くための準備を始めたのだ……

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