第70話 裏ヒロインが試験結果で、俺とどうなる!?

「ただフィーナは、心理学や人間系の学問が酷い」


エレキュシガルが頭を抱えた。


「ふむ。人とのコミュニケーションがへたくそかもしれぬ」


バロネスも頷いた。


「そういえば、試験前に争っていたのも、仲間とのコミュニケーションが上手く行かなかったからか」


エレキュシガルはそう分析した。


「大丈夫。ちょっとぐらいやり取りがへたくそでも、あまりある魔導の実力でやっていけるじゃろう」


「バロネス殿。それでは、魔王やモンスターと変わりませぬ。我々は人間です。話し合い、戦いをせず、物事を解決すべきかと思います」


反論するエレキュシガル。


「ほほほ。それは建前よ。エレキュシガル。人間とのコミュが下手ならば、モンスターにぶつけていくように育てればよい。それとも、我が国に反抗する他国のものを暗殺する死神部隊としても役に立つ」


「死神部隊……ですか」


エレキュシガルは窓の外を見た。


中庭に集められた受験生の中から、フィーナを探した。


いつもカイトという男の側にいる。



「では、筆記試験の合格者を発表する!」


アロセリアが中庭にいる受験生に声を張り上げた。


「1番、2番、5番……」


おお、緊張するぜ。


高校受験以来だ。


ちなみに俺の偏差値は50で、受けた高校は48だった。


何とか受かるかと思って発表の結果をドキドキしながら見たもんだ。


しかし、今日は、ちょっと違う。


俺は確実に受かる。


だって、ゲームで試験をクリアしているのだから。


それよりも、アオイ、エミリア、そしてフィーナの結果が気になる。


「451番!」


「やった!カイトさん!受かりました!」


飛び跳ねて喜ぶアオイ。


「よしよし!」


俺の頭なでなでで、ほっこりするアオイ。


「453番!」


「やったわぁ!カイト。これでお姉さんもあなたの同級生ね!」


エミリアが俺の腕を掴んで、むにむに巨乳を押し当てて来た。


こんなセクシーな同級生がいたら勉強が手に着かない。


……って、フィーナは?


452番が飛ばされたぞ!?

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