第67話 美しきパラディンと喧嘩っ早い少女魔導士が仲直りするまで

名前:エレキュシガル

レベル:51

年齢:25

体力:3312

精神力:2694

攻撃力:2365

防御力:1810

幸運:1500

素早さ:2306

職業:パラディン

装備:竜殺しの剣、金の鎧、鉄仮面

スキル:正義の一閃、ライトクラウド、桜舞、サンダーフレア、身代わり


こいつは、ある条件を満たせば俺の仲間になる。

いきなり、上位職であるパラディンというのが心強い。

いずれなんとしても仲間にしたいものだ。


「試験などどうでもいい。ほっといてもらおうか」


試験監督を前に一歩も譲らないフィーナ。


俺の女三人は俺に対して親交度が100になっていた。


その三人が俺を取り合う展開。


ゲームでも、複数の女をパーティに入れて、親交度が100になるとこうして争いが起きた。

早く俺が誰かと結婚しないと血みどろの争いが起きる可能性大。


だけど、俺はまだ迷っている。


俺の迷いが、可愛い女達を傷つけることになる。


そして、また一人……


「受験番号452、お前には試験が関係ないと言っても、私には関係がある。私がバイム王から受けた使命は、試験を無事に終える事」


高らかな声が、鉄仮面の隙間から天に向かって響く。


「ふん、失礼な奴め。人と話す時は仮面を取れ」


「ふむ、一理ある」


フィーナの言葉に、騎士道精神満載の設定のエレキュシガルが仮面を取った。


「おお!」


周囲がざわつく。


特に男の声。


仮面を脱ぐときに、ふぉろりと金色の美しいストレートヘアが、エレキュシガルの甲冑の背中を這う様に垂れ下がった。


「これでいいか?」


フィーナの目を真っすぐ、紫紺の瞳で見つめるは、美しきパラディン。


「女か……」


フィーナが小さく呟く。


「ああ。この喋り方は、よく人を勘違いさせる。これは父譲りでな。私は立派な武人だった父を尊敬している」


凛々しい声が中庭に響く。


「父も試験監督だった。だから試験を無事終えるのは、私の使命であり父の使命でもあるのだ」


「……分かった」


フィーナが手をローブのぽっけにしまった。


「私も、失礼しました」


アオイも元の穏やかな表情に戻った。


「まぁ、かっこいい方。私、かっこいい殿方の方が好きだったけど、凛々しい女性も好きになりそうだわ」


エミリアが新しい性癖に目覚め始めている。


「ありがとう。試験以外で死者が出ることは避けなければならない。それが第一の使命なのだ」


エレキュシガルは小さく笑顔になった。


「え?」


「試験で死ぬことがあるのか!?」


周囲がエレキュシガルの言葉で再びざわつき始めた。

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