第29話 クソ女が俺の仲間をバカにするんなら、俺はそのクソ女を許さねー!

「続いて第三試合の相手は、エミリアパーティ」


現れたのは、紫色の長い髪をなびかせた黒いローブを着た魔導士。

白い肌が美しく、切れ長の目がクールだ。

だが、どこか意地悪そうな印象を俺は感じ取った。

そいつは、もう一人、髪の長い長身の剣士を従えていた。


「どうした!?アオイ!」


「エミリア……、カシュア……」


知っているのか?


アオイ。


「あ~ら、アオイちゃん。まさか、こんなところで会うなんてねぇ~」


「くっ……」


アオイ、どうした?


「知り合いか?」


「……知り合いも何も、パーティメンバーよ」


「え?」


エミリアの言葉で、俺はアオイの表情を確かめる。


目を真っ赤にさせて眉間に皺を寄せているアオイ。

普段はぽわぽわした雰囲気の、おっちょこちょいな女の子だが、怒りに口元を震わせていた。


「どうして、私を、あんな暗い洞窟に置いて行ったの?」


エミリアを睨みつけるアオイ。


「それは、あなたが、私達にとって足手まといだから、追放したの。ね、カシュア」


カシュアと呼ばれた剣士は、エミリアに同意を求められ、小さく頷いた。


ふむ……

このストーリー展開は、さすがの俺でもゲームで確認出来なかった。

俺がゲームでのアオイに興味が無かったのもあるが……

アオイはミノタウロスの洞窟の地下五階で出会える。

アオイはメンバーとはぐれたと言っていたが、真相は追放されたって訳か。

で、アオイは怒りに燃えているということか。


分かる。

分かるぞ、その気持ち。

俺も、ゲームの時、勇者リムルに同じ目にあわされた。


「アオイ、ちょうどいいじゃねぇか。ここでこいつらをぶっ殺して復讐と行こうぜ」


俺はアオイに笑顔を向ける。


「ありがとう。カイトさん。でも、エミリアは相当ヤバい奴です」


名前:エミリア

レベル:39

年齢:21

体力:510

精神力:3694

攻撃力:5

防御力:313

幸運:879

素早さ:506

職業:闇術師

装備:邪心のロッド、闇の衣

スキル:メヂューサ、ナイトメア、デビルシノニム、フェンリル


む、確かにやばい感じだ。

ゲームでも闇術死は、なかなか手こずる相手だ。

なんたって、即死魔法を使ってのが嫌らしい。

ちなみにエミリアをプレイヤーで選べば、カオスフレームをロウに振り切った殺戮ルートを楽しめるぞ!


「ふふん、アオイったら、そのはしたない巨乳で、その男をたぶらかして味方にしたのね。能無しのあなたにピッタリの処世術ね」


エミリアがホーッホッホッホッと、いかにも性悪女の典型と言った感じの笑い声をあげる。

しかし、俺までバカにするとはこの女許せん!

俺は巨乳は好きだが、アオイのことはただの巨乳として見ている訳じゃない。


「俺の大事な仲間をバカにするんねー!このクソ女!」


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