第27話 闘技場でメチャクチャ強そうな相手と戦う羽目になったぜ!

「うぎゃあああ!」


俺たちの目の前で血しぶきを上げて倒れる男。


「ふん、俺たちに勝とうなんて百万年早いぜ!」


禿げ頭の筋骨隆々の男が、血まみれで倒れている男を蹴飛ばす。


「どうした?お前らはまだやるか?」


問い掛けられ、ブンブンと首を横に振るパーティメンバー。

先程血まみれで倒れた男の仲間達だ。


「勝者!ナオシゲパーティ!」


審判が勝ち名乗りを上げる。


禿げ頭の筋骨隆々の男の名はナオシゲ。

職業は戦士。

王都バイムの闘技場では無敗を誇っている。

彼の元には魔導士と僧侶の二人が付き従っている。


ちなみに、ナオシゲをプレイヤーで選ぶと、闘技場からスタートして賞金稼ぎとして成り上がって行くストーリーが楽しめる。


「さぁて、俺たちの番だな」


客席でナオシゲの戦い振りを見ていた俺は立ち上がった。


「カイトさん、ほんとうに……あの禿げと戦うんですかぁ?」


アオイが小刻みに震えている。


無理もない。


ナオシゲの戦いを彼女は直視できず、ずっと俺の背に隠れていたのだ。


「おい、小娘。戦いたくないなら、そこで大人しく見てろ」


「小娘ではありません!フィーナさん!それに……私はカイトに着いて行きます!」


震えながらも反論するアオイ。

フィーナにだけは負けたくないらしい。


「まぁまぁ、二人とも仲良くやろうじゃないか」


間に入ってなだめる俺。


「ふふふ……あの魔法を試してみるか……」


未知の相手に舌なめずりするフィーナ。

先程の『魔導を深めたい』という発言は、どうやら俺と一緒にいたいという言い訳でもないらしい。


ま、心強いから何でもいーんだけどね!



「右手より、ナオシゲパーティの登場です!」


闘技場の真上に昇る太陽の光を、禿げ頭に反射させながら堂々と入城するナオシゲとその一行。


名前:ナオシゲ

レベル:33

年齢:28

体力:1300

精神力:353

攻撃力:891

防御力:263

幸運:94

素早さ:70

職業:戦士

装備:棘棍棒、皮の鎧

スキル:太陽光、棍棒大回転、体当たり


「右手より、カイトパーティの登場です!」


名前:カイト

年齢:16歳

レベル:35

体力:612

精神力:448

攻撃力:755

防御力:331

幸運:169

素早さ:275

職業:村人

装備:金の剣、鉄の鎧

スキル:十字切り、袈裟切り、百連刺突

次のレベルまでに必要な経験値:300


「へっ、どんな奴が来るかと持ったら、こんなザコどもか」


ほくそ笑むナオシゲ。


「うおおおお!ナオシゲ、勝てよ!お前に有り金全部賭けてるんだからな!」


観客が騒ぎ出す。

闘技場は勝ち抜き戦だ。

勝てば勝つほど経験値とゴルドが手に入り、名声も上がる。

そして、どんどん相手が強くなっていくシステム。

ただし、相手の強さには上限がある。

その上限が決まるのは、プレイヤーのレベルに影響する。

ま、そのへんの使用は後程話すとして…てn

ナオシゲパーティは、今日5戦して5勝している。

負け知らずだ。

ちなみにゲームでもナオシゲパーティは常勝集団という設定だ。




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