第22話 強敵陥落!パーティメンバーが俺のこと惚れて来やがったぜ!

長老の家を放火する前、メイアの部屋からこっそり盗んで来た。


すまん。妹の持ち物に手をつける兄で……


『アダマンタイト竜のペンダント』が役立つことを知っていた俺は、ゲームではやらなかったことを、この世界では行うことにしていた。

もちろん、有利に事を進めるためだ。

俺ご都合主義だ。

メイアと両親には、いつか恩返しをしたいと自分に言い訳している。


で、このペンダントが、ミノタウロスの角から俺の心臓を守ってくれた。


「ぎもおおおお!」


逆に角の方が粉々に砕けた。


『アダマンタイト竜のペンダント』はビクともしない。


ゲームではモンスターの急所攻撃を1/50の確率で無効化してくれる。

その少ない確率が発動したって訳か。


「ありがとう。メイア」


俺はペンダントに礼を言った。


「あ、カイトさん……」


頬を朱に染めたアオイ。

みるみるうちに俺との親交度が上がって行く!

90にまで達した。


「治癒魔法中!攻撃強化中!防御力強化中!」


俺に惚れたと思われるアオイは、一気に覚醒した。


俺の体力はMAXまで回復し、攻撃力が漲り、身体が鉄の様に強化された。


「どりゃああああ!」


俺はミノタウロスの頭上よりも数メートル高く飛び上がり、金の剣をその脳天に一気に降り下ろした。


「ぎゃもおお!」


焼肉はあっさり切り落とされ、真っ二つに!


ミノタウロスを倒した。

経験値20000を手に入れた。

10000ゴルドを手に入れた。


「よっしゃあ!」


大量の焼き肉の前で俺は歓喜の唸り声!


「カイトさん!」


そんな俺に抱き着いて来るアオイ。


「お、おう!」


フワフワの身体がすっげえ気持ちいい。


「もう離れたくありません」


ミノタウロスから守ってくれた。

そのこと一生忘れません。


「いやあ……巻き込んだのは俺たちだから、な、フィーナ」


「……」


ラブラブな俺達を冷ややかな目で見るフィーナだった。

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