第20話 ダンジョンの最下層のボスと対戦!味方が役に立たない。。

奥から現れたのは、体長3メートル、いや、角の部分もいれると4メートルはあるかと思われる人型のモンスター、ミノタウロス。


名前:ミノタウロス

レベル:43

体力:2500

精神力:510

攻撃力:975

防御力:503

幸運:129

素早さ:210

装備:銀の斧

スキル:猛牛突進、豪快落とし、ブルベア


「でたぁ……」


ゲームの時のCGでも結構デカくてエグイビジュアルだったが、現実の形になるとそれが数倍増幅された感じだ。

全身がどうやって鍛えたのか分からないくらい盛り上がった筋肉。

赤銅色した顔は牛の顔を何倍も歪めたみたいに醜い。


「ひいいいいい!こわいですぅ!なんで私がこんな目に!」


逃げ惑うアオイ。


「遂に現れたな。我が両親の仇!」


反対に立ち向かおうとするフィーナ。

すでに勝手に詠唱を始めている。


「任せとけ!」


俺は壁役となるべく、ミノタウロスの前に立ちはだかる。


「おい!この牛野郎!大人しく焼肉になりやがれ!美味しく食ってやるからよ!」


「んもおおおおおお!何だとぉ!」


頭から湯気を出し、地団駄を踏む牛野郎。

ひづめが地面に食い込むたびに、地が揺れ、天井から砂が落ちて来る。


「もおおおおお!」


ズシン!


俺はミノタウロスの強烈な斧の振り降ろしを、ギリギリで避ける。


「ほら、こっちだよ!」


「もおおおおお!」


やつの素早さ素早さは210。

対して俺は275。

ま、多少は俺の方が速い。

そのせいか、奴の攻撃はこうして避けることが出来る。

ゲームでも現実でも、こういう単純な法則が成り立っている。

経験の実で十分なレベルアップが出来た俺は、ミノタウロスにも立ち向かうことが出来た。


「ぐもおおおおおお!」


ミノタウロスの身体から火柱が上がった。

周囲に焼き肉の匂いが広がる。


「ふん」


その背後には、手の平から煙を出したまま、焼肉を睨みつけるフィーナ。

俺とミノタウロスが追いかけっこしている間に、フィーナの詠唱が完了し、エクスファイアが発動されたのだ。


「よっしゃ!」


ミノタウロスの体力ゲージが一気に1/5になった。


俺はとどめを刺すべく、飛び上がって頭上から切り付ける。

柔らかい肉になりつつあるミノタウロスの腕は容易に切り落とせた。


「ぐもおおお!許さん!」


生き残るのに必死のモンスターは最後の力を振り絞り、着地した瞬間、バランスを崩した俺に攻撃して来る。


「うわ!」


俺の体力ゲージが一気に半分になる。


「アオイ!頼む!」


振り返ると、アオイがいない。


「あ!」


隅っこの方で震えている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る