第19話 相性最悪のパーティメンバー達に苦労する俺です

地下10階に到達した。


名前:カイト

年齢:16歳

レベル:35

体力:612

精神力:448

攻撃力:755

防御力:331

幸運:169

素早さ:275

職業:村人

装備:金の剣、鉄の鎧

スキル:十字切り、袈裟切り、百連刺突

次のレベルまでに必要な経験値:150000


「本当にミノタウロスと戦うんですかぁ!?あたし、嫌ですう!」


そう言いながらも着いて来るのは地下五階で仲間にした、付与術師アオイ。


名前:アオイ

年齢:14歳

レベル:15

体力:195

精神力:410

攻撃力:75

防御力:103

幸運:529

素早さ:510

職業:付与術師

装備:魔法の杖

スキル:治癒魔法中、攻撃強化中、防御力強化中

次のレベルまでに必要な経験値:6000


アオイは地下5階で単身冒険中のところで、出会うことが出来る。

というより、彼女は他のパーティメンバーからはぐれているという設定だった。

元のパーティメンバーの元に連れて行くまでの間、彼女を仲間にすることが出来る。

というか、それが彼女を仲間にする条件だ。


「大丈夫。なんかあったら、俺とフィーナが守るから。な!」


「え~!それでもいやです。早く皆のところに帰りたいですぅ!」


首をブンブン振って、不満をあらわにする。

ピンク色のフワフワした髪が揺れる。

黒くて大きな目が涙でウルウルしてる。


まじで、いやなんだろう。


親交度10から5に下がって来ている。


彼女をメンバーにしたのは、回復役が欲しかったからだ。

俺とフィーナだけじゃ、ミノタウロスと戦うのに足りないものがある。

それが、回復と補助だ。


「早く皆のところに帰りたいですぅ!」


「黙れ」


「うわああああん!この人こわいですぅ!」


フィーナがアオイを睨みつける。

アオイは俺の背後に隠れ泣き出した。


まったく、正反対の二人だな。

相性が悪過ぎる。


「アオイ、一緒に戦ってくれれば、お菓子いっぱい買ってやるから、な」


「え!?本当ですか!」


「おう。さっきあげた発酵バター塩キャラメルより美味しいのあがるから、な」


「ふぇ~ん!カイト様、だいすき!」


背中から俺の抱き着くアオイ。

子供のくせに大きな胸が俺の背中に当たる。


親交度が一気に5から30に上がった。


甘いものは、『ゼノングランドクロッセオ・背徳の少女たち』の世界では貴重品なのだ。

仕方ない、出費は痛いが、ミノタウロスを倒すため、ひいてはフィーナと一緒にいるためだ。


「ふん、バカ共が」


フィーナが吐き捨てる様に言う。


「うるさいです!このネクラ!」


「なんだと」


「まあまあ!」


二人の間に入って、二人を交互になだめる俺。


そうこうしていると……



「騒がしいんじゃ、このボケが!」



遠くから声が。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る