第18話 俺のレベルだと地下に潜って行くのはきついよ!補助魔法使い募集中!

「てりゃあ!」

「どりゃあ!」


俺はフィーナの前に立ち壁としての役割を果たしながら洞窟の中を進んで行った。

防御の弱い魔導士を後衛にして、防御の強い戦士などを前衛にするして戦うのが基本だ。

前衛がモンスターを削る間、引き付けて置いて、とどめを後衛の魔法で倒す。

または、前衛の補助をする。

フィーナと俺だとそこが、不十分なところがある。


俺は職業が村人だ。

だから、壁役には向いていない。

それもあって、戦士のボルタを入れたかった。

だが、俺の気の迷いでフィーナを入れたがため、俺が壁役になっている。

フィーナは攻撃魔法は得意だが、回復系の治癒魔法は使えない。

だから、俺の傷を治すのはモンスターが落とした薬草だった。


なんとか、もちこたえてはいるが、地下1階、2階、3階と進むにつれて戦いが厳しくなって来た。


もともと、ミノタウロスの洞窟は、ストーリーの中盤辺りで挑戦する場所で、レベル10代の俺とフィーナが立ち向かう場所では無かった。


「フィーナ大丈夫か?」


「……」


相変わらずツンとしている。


親交度が18から15へと微妙に下がっている。

俺が王都に行きたいと言ったから、機嫌が悪くなったのだ。

ゲームの時も、パーティメンバーの意志を尊重しないと、親交度が下がり、最悪の場合メンバーが離脱してしまう。


俺はそうならないためにも彼女を繋ぎとめるため、一緒に戦っている。


だが、そろそろそれもきつくなって来た。


もともと、地下1階から2階まででレベルを15くらいまで上げて、ボルタを連れて王都で稼ぐつもりだった。

この洞窟を探索する予定では無かった。


「補助魔法使いが欲しいな」


バフ系の魔法と治癒魔法が使える、戦術士。

つまり、エンチャンターのような存在が欲しかった。


そして、心当たりがある。


この洞窟の地下5階にそいつはいるはずだ。


何とか、そこまで持つことが出来れば……


前に進もうとするフィーナを俺は追い掛けて行く。


骸骨剣士を倒した。

経験値326をゲット。

518ゴルドを手に入れた。


経験値の実を手に入れた。


「やった!」


ゲームでは、1万分の1の確率で手に入るアイテムだ。

これを食べると1時間の間、モンスターを倒せば経験値が100倍になる。


神様!


ありがとう!


俺はそのアイテムを使い、パワーレベリングを行った。


骸骨剣士を倒した。

ミニドラゴンを倒した。

骸骨剣士5体を倒した。

炎のスライム3体を倒した。

経験値10000を手に入れた。


カイトはレベル25になった。


俺は戦い続ける。


骸骨剣士を倒した。

飛行ドラゴンを倒した。

闇の剣士5体を倒した。

氷のスライム3体を倒した。

経験値20000を手に入れた。


カイトはレベル27になった。


レベルが見る見る上がって行き、地下5階に行く頃にはレベル30になっていた。

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