第10話 ムカつく奴らに復讐を!そして、俺は村を出る!

俺を呼んだのはこの三人。


ポンタ、

チータ、

カンタ、

だ。


村長の息子たちで、何と三つ子だ。

三人とも丸々と太っていて、おかっぱ頭だ。

村長の息子だけあって、村の中ではいばっている。


「俺たちの縄張りに勝手に入るんじゃねぇ!」


ポンタが俺の肩を叩く。

俺はふら付いた。

ムカつくが、今のポンタと俺だと戦ったら負ける。

それに、あちらは三人だ。

確かゲームでもこんなイベントがあったのを思い出す。


そして、あることを思い出した。


この村を出るための方法の一つを。


しかし、あまりやりたいとは思わなかった。

ゲームでは、所詮、仮想現実なので躊躇しなかったが、ここはある意味現実だ。


「おらおら!」


チータが俺の尻を蹴りつけた。

カンタがふらつく俺の頭をはたく。


「くっ……」


体力が減るのを感じるとともに、怒りも増してくる。

こいつらももちろんプレイヤーとして選択できる。

この三人でゲームをクリアしている人の動画も観たことがある。

典型的モブキャラのこいつらが『ゼノングランドクロッセオ・背徳の少女たち』において、ハーレムを築き、ハッピーエンディングを背徳の少女たちと迎えたことに、俺は怒りを感じた。


「へへへ!」


ばか三人兄弟は、俺に小便をかけながらヘラヘラ笑っている。


「うう……」


殺せ!

俺を殺せ!


だから、俺は村を出るために、こいつらに犠牲になってもらうことにした。



「きゃあああああああ!」


「うわあああああああ!」


その夜、村長の家が火に包まれていた。


俺は炎の前でにやけていた。

放火したのは俺だ。

あの三兄弟は今頃、丸焼けだろう。

当然の報いだ。


「早く、火を消せ!」


誰かが叫んでいる。

村中、混乱に包まれていた。


この混乱の中、俺は皆の目を盗んで、村を出る。


俺は自分の犯した罪を、償うために魔王を倒す旅に出る。


「ごめん、父さん、母さん、そしてメイア……」


ゲームでのカイトのセリフを俺はそのまま呟く。

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