高難易度ゲームは異世界だった!貴族のロリ娘は王都で俺と結婚したいらしい。イマイチ乗り気じゃないんですけど。先回りしてイベントをクリアしたら主人公が怒って攻撃して来た
第9話 過去の記憶を掘り起こして、有利に生きよう
第9話 過去の記憶を掘り起こして、有利に生きよう
カイトが何で村の外に出たいのか。
俺はゲームでのカイトのセリフや行動を辿った。
ゲームの中で彼は、貧乏な生活が嫌で、金を稼ぐために村を出て王都で職にありつこうとしていた。
だが、両親に止められていた。
村の外は危険なモンスターが現れるようになっていた。
武装したうえで集団で外に出るのが普通で、単身村を出て王都に向かうのは危険だった。
「と、いうことで俺ことカイトはどうやって村を出たんだっけ?」
食事の後、一人、ベッドに座り考える。
俺は更にゲームでの記憶を掘り起こす。
まず村を出ないと話が始まらない。
非力なカイトの武器は、俺のゲームでの記憶だけだ。
誰がどんな行動をして、どんな情報を持っているか?
どこにどんなモンスターが出て来るか?
ダンジョンの構造はどうなっているか?
どこにお宝があるのか?
どんなイベントが発生するのか?
それらの情報が全て俺の頭には入っているはずだ。
そして、憎き勇者リムルが今どこで何をしているかも知っていた。
あれこれ、これからの展開を考えているうちに、すごい眠気が襲って来た。
俺は村から出る方法を思い出せないでいた。
あれ?
眠くなるんだ。
ゲームの世界であって、ゲームと違うところは、身体が疲れて眠くなること……
なんだろ……う……
◆
ちゅん、ちゅん……
窓から差す光で目が覚める。
「お兄ちゃーん!朝ごはんだよ!」
妹のメイアが俺に馬乗りになっている。
なんて大胆な女の子なんだ。
「さ、カイト!今日も頑張って収穫するぞ!」
ゴンズがパンを口に運びながら、張り切って言う。
カイトの家は農家で、ジャガイモを畑で作っていた。
親父と一緒にジャガイモを掘る。
「カイト、これ、運んでくれ」
ゴンズからジャガイモが入った籠を背負わされ、村長のところへ行けと言う。
こんなことやってる場合じゃないんだけどなあ
そう思いながら、村長の家に向かう。
「おい、カイト!」
低い意地悪そうな声の先には、男が三人いた。
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