第8話 村人モブキャラのその妹と両親のステータスを公開

ボッカケ村は、『ゼノングランドクロッセオ・背徳の少女たち』のマップでは北西に位置する小さな村だ。

ジャガイモが特産品で、農業が盛んな場所だ。

ラインハルホ王国の領地であり、厳しい税金に村人は苦労していた。

俺が転生したカイトはここの村人で、両親と妹と暮らしている。


ところで、俺は何で村の門の前に立っているのだろうか?


「お兄ちゃーん!」


甲高い声に振り返ると、そこには女の子が手を振っていた。


誰だっけ?

そう思って見ていると、徐々に思い出して来た。

この女の子は、カイトの妹であるメイアだ。

ゲームのCGを現実化したらこんな感じなんだろう。

ちなみに、彼女もプレイヤーとして選べる。


彼女をじっと見つめ、ステータスを見たいと思うと、空間に浮かぶステータス。


名前:メイア

年齢:13歳

レベル:1

体力:15

精神力:16

攻撃力:15

防御力:15

幸運:26

素早さ:44

職業:村人


兄の俺より初期ステータスが優れているのは、なんだか兄として泣けてくる。


「お兄ちゃん。パパとママが呼んでるよ」


茶髪の天然パーマに覆われたソバカスだらけの顔に笑顔を浮かべながら言う。

美憂に比べると不細工だが、可愛らしい顔ではある。



「おお、カイト。また勝手に村の外に出ようとしているのか!外はモンスターが沢山いて危険だと言っているだろが!」


禿げ髭面のいかにも脳筋と言った親父が俺を叱る。

この男は、カイトの父親であるゴンズ。

ちなみにこいつもプレイヤーとして選べる。


名前:ゴンズ

年齢:38歳

レベル:6

体力:100

精神力:56

攻撃力:55

防御力:56

幸運:2

素早さ:30

職業:村人


ごついだけあってパワフルなステータスだ。

だが、容姿がカッコ悪かったので、俺は早々にプレイヤーとして選択しなかった。


「危ないわよ。外は。カイト、ね」


心配そうな顔をする太った女は、カイトの母親であるフラウだ。

彼女もプレイヤーとして選べる。

初期ステータスは、カイトとどっこいどっこいだ。


両親との会話から、俺は思い出して来た。

カイトは村の外に出ようとするところからスタートするということ。

そして、気付いた。

俺にはカイトの記憶はなく、現実世界の山田領収の記憶があるということ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る