第6話 どっちがベスト?
「ね、ユウト。どっちが似合うかな?」
「知らん」
「真面目に見てよ。清楚な白もいいけど、オトナな黒も捨てがたくって」
「白服は、食事に気を遣うんじゃないの?」
お前、食べるの下手じゃん。
「でも肌が明るく見えるし、デザインも可愛いし」
「じゃ白にすれば?」
大体、迷う必要あんの?
デートってわけでもないのに。
「けど、白だと目立ちそう。黒のほうが、周りに紛れるって言うか……」
「見つけて欲しいんだろ?」
「そんな! 恥ずかしいよ!! 見られたりしたら、私死んじゃう」
「おま……、じゃなんで服に迷ってんの?」
女子の行動心理がわからん。
学食の券売機に並んだ時、好みのイケメンが前に居たんだそうな。
行列待つ間、眺めれてシアワセだったらしい。
以来、昼食時に食堂でその彼を探すのが、いま上の妹のブーム。
明日はカジュアルデー。私服で登校出来る日だから、こいつは着てく服にずっと迷っている。
だが「明日は奮発してカツカレーにしよー」とかウキウキと言ってるから、本命はカレーの方かも知れん。
イケメンくんは副菜か。
(騒ぎたいお年頃ってやつだな)
どうでもいいけど、呼び捨てせずに、お兄ちゃんって呼べよ。
そしてカレーに白服は天敵だぞ。
― おわり ―
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます