第15話 ゼス聖教の女法皇【1】
私は神殿騎士団長のゼロスだ、司祭や司教には知らない者が居るが、身分は枢機卿で有る。
今ロゼット・フォン・ロデス伯爵を聖女認定受けさせるため大神殿にご案内中で有る。
この幼女たしか7歳と聞く、ユダ助祭にどう対応するか見て居ると、流石7歳にしてサンセット王が伯爵位と統治の困難な領地を与えただけの事はある!希に見る才女で卒が無い。
しかし、度々の発言「神に文句を言ってやる」とはどう言うことで有ろう?
独自に聖魔法を修得に当たり、ゼス神様の介入でも有ったか?それとも妄想癖でもあるのか?
もし神から親しく神託を受けて居る存在なら、聖女認定処の話では無い!
非常に興味深い幼女である、面白くなりそうだ。
◈◈◈
馬車旅はあっちにふらふらこっちにふらふら、これでは日数掛かる訳だ。
ふらふらする理由は、各地に点在する聖教神殿経由で進むからだ。
聖女認定受ける俺に、各地の聖教神殿を知らせるためかも知れんが、興味のない宗教柄みの建物など観て回るのは迷惑な話だ。
各神殿の司祭だか司教だかも
神殿は司祭以上が運営?祭事を行うと言うそうだが、何の思惑からか俺達一行が立ち寄ると、全ての神殿が持て成し接待を行おうとする。
「野営するより神殿を宿に!」
との神殿騎士団長の言葉で、接待を受けているが野営の方が気楽に旅が出来る気がする。
そんな感じで15日目、本来ならばゼス聖教大神殿に到着しているはずだが、大神殿の隣町ロードのゼス聖教神殿、司教が強固に引き留めているためだ。
「是非このロードゼス聖教神殿で、聖女予備認定させて下さい」とか、訳の分からん理由でだ。
ゼス聖教神官の位を調べてみたが、助祭、司祭、司教、枢機卿、法皇と、司教は実質聖教神殿のトップと言って良い、高い位とは思うが、ゲス司教の押し付けがましい高圧的態度、それに卑しい顔の脂身には嫌悪感を感じる。
「ゼロス神殿騎士団長、どうすれば良い?」
「ロゼット様のみ心のままに」
俺の自由意思を尊重している様に見えるが、こいつずっと俺を試して居る気がする。
「ゲス司教、チョッと祈りの間を借りる」
言い残し神像の前に立ち、神像を睨んで言った。
「おい!神さん!幾つか文句がある!あの時適当な事言って騙したのか!!あんたの返答しだいでは、俺の全力を持って誰も信仰しない様にしてやるぞ!!」
辺りが光に包まれて、神像とは似ても似つかん兄ちゃんが現れた。
『
◈◈◈
ゲス司教と盗み見して居った私は、腰を抜かした!!
ロゼット様が神像を怒鳴り、ゼス神様を神界から引き摺り出す場面を見てしまった。
⦅聖女様どころか、あろうことかゼス神様が挺身低位謝り、常に見守って都合のよい展開にしているとは!!⦆
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