第11話 甘味ダンジョンでの訓練
聖剣を渡したが、5人に素振りをさせて絶望した。
素振どころか剣を持つのが、やっとって感じだった。
「おい!剣術誰もやって居ないのか?シクロ騎士団長の息子が剣を扱えんのか?」
「師匠!剣技を習うのは7歳からで有ります!私は6歳なので来年から剣技指導を受けます!」
「そうか・・・私は2歳から厳しく叩き込まれた、7歳からなのか・・・それが普通なのか」
俺の親父の異常性に思い至り、ショックを受け暫し物思いに
「良いか?聖活魔法の極意を教える!聖魔法の発動は聖剣で魔物を倒す事で発動する!したがって最低でもその剣で素振が出来るようになる必要がある!!そこで、生活魔法の速歩きをやってみろ!」
全員が、そこそこの出来だった。
歳を聞くと。
イリス男爵家嫡男イズルが5歳、聖魔法Cランク。
コズモ准男爵家次女カリナ6歳、聖魔法Bランク。
ベンゼン騎士爵家三男シクロ6歳、聖魔法Cランク。
平民ロップ6歳、聖魔法Bランク。
平民セーラ5歳、聖魔法Aランク。
5~6歳なら日本で言えば幼稚園児、無理はさせられないが身体強化は覚えて貰わないと肝心の剣が振れない。
指導の結果、セーラ、カリナ、ロップの魔力AやBのランクが高い順に身体強化が出来た。
俺のSランクは兎も角、魔法は魔力ランクが高い方が何事も有利なようだ。
シクロは父親の剣技を見て育っていて、身体強化しなくても剣は振れる。
問題はイズルだ、この年齢の1歳の差は大きい、5歳では剣を持つのがやっとの状態・・・どうすれば良い?
夕方になってしまったが、イズル以外の4人に聖魔法発動させる。
甘味ダンジョンとは聞えが良いが、アンデットダンジョンはいつ入っても不気味だ。
壁に触ってもジメジメしては居ないが、見た感じジメっとした雰囲気のダンジョンだ。
暫く進むと白骨が現れた。
「セーラ恐れず剣を振りかぶれ!・・・振り下ろせ!!」
白骨の動きはユックリだ、俺の指示通りセーラは剣を振り下ろし、見事に白骨を両断した。
「あっ!『聖魔法が開放されました』って頭の中で!」
「セーラは聖魔法発動したな、次はカリナ剣を振りかぶれ!」
俺が居るので安心なのか、それとも女の子の方が度胸が有るのか、白骨が近付いて来てるのに、恐れている様子が無い。
「振り下ろせ!!」
カリナも聖魔法発動したようだ。
ロップに、心配したがシクロも自力で剣を振り、聖魔法が発動した。
問題のイズル君、力技で行く!
「イズル、私が補助するので、剣が手から離れないよう確り握れ!!」
イズルが握った剣を、身体強化して刃の部分を摘まみ強制的に振り上げさせた。
白骨がユックリ近付いて来てる、タイミングを合わせて刃を押した。
イズルが意地で握った剣は、白骨を両断しても手放す事なく握ったままだ。
「師匠!頭の中で『聖魔法が開放されました』って言ってる!!」
「皆!おめでとう!みごと全員聖魔法が発動したので、明日からは聖活魔法の指導を始める!」
気持ちが弛み、5人はその場に座り込んで荒い息をしてる。
年齢的に幼稚園児達、本当によく頑張った!!後は人体解剖学を教えて、生活魔法と聖魔力を組み合わせる方法指導で終了だな。
「皆よく頑張った!諸君は幼いながら、最高の弟子だ!!」
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