くだらない口論が危機を呼ぶ

越山明佳

くだらない口論が危機を呼ぶ

「クソッ! マジかよ」

 俺はパーティメンバーと口論となり、1人でモンスターを狩りに出ていたのだが、その出先でドラゴンと遭遇していた。


「そんなに村から離れているわけじゃないのに、なんでいるんだ」

 致命傷を避けてはいるが俺の攻撃ではやつを倒せるほどの火力はない。


 仲間に助けを求めたいところではあるが、村に逃げ込めば村に住む人達を危険にさらしてしまう。

 冒険者として、それは避けたい。

 だからといって……。


「うおわ! ……くっ」

 いつまでもやつの攻撃を避け続けるわけにもいかない。

 いったいどうすれば……。


 とりあえず、村とは反対方向に逃げるしかないか。

「な! 崖!?」

 崖っぷちとはまさにこのことだな。

 なんて言ってる場合じゃない。


「クッ!」

 お構いなしに攻撃してきやがる。

 そりゃそうか。崖に落ちたところで飛べばいいもんな、お前さんは。


 もう避けるスペースすらもない。

「……ここまでか」


「みつけた!」

 仲間が助けに来てくれた。

 飛行魔法で宙を舞う。


「どこ触ってるのよ!」

「おう。悪い」

 そう言われても掴むとこないのだが。


「エクスプロージョン!」

 もう1人の仲間の魔法でうまく足止めでき、無事に村へと帰還できた。


 ※


「やっぱり目玉焼きにはしょうゆでしょ」

「ソースだろ」

「マヨネーズ以外ありえない」

「マヨネーズ好きだね」

「またくだらないことで口論してる。入るパーティー間違えたかな?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

くだらない口論が危機を呼ぶ 越山明佳 @koshiyama

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ