第17話 待ち合わせ

あの日から一ヶ月。

今日は悠矢と一緒にカフェに来ていた。

「鈴、さっき、お店の人に四人って言ってたけど、友達か?」

「そう。待ち合わせ」

「そういう事は先に言えよ・・・・俺、別の場所で待ってるから」

「それはダメ!悠矢も一緒にいて!」

今日は悠矢がいないと話が始まらない。


「あ、鈴さん〜!」

お店から出ようとしている悠矢をなんとか止めているうちに、待ち合わせ相手がお店に来てくれた。

「お久しぶりです、鈴さん」

「ふたりとも、久しぶり〜!」

そう、今日待ち合わせしていたのは、由希子ちゃんとその彼氏の学生くんだった。

「鈴さん、隣の人、誰ですか?」

「彼は、私の彼氏の三和悠矢くん」

「わ〜彼氏さん、はじめまして!私は、過去に鈴さんに助けてもらって、それ以降仲良くしてもらってる、青山由希子です!」

「はじめまして。僕は由希子の彼氏の、池谷聡です」

「あ、はじめまして」

実は今日は、由希子ちゃんにお礼を言いたかったのと、ちょっと自慢したかったので、私から二人をお誘いしたのだった。


「鈴さん、彼氏さん、かっこいいですね〜!」

「そう?ありがとう!けど、由希子ちゃんの彼氏君も、とってもかっこいいと思うよ?」

「ありがとうございます!色々、鈴さんのお陰です!」

「私も、由希子ちゃんには、ありがとう、なんだよ」

「そうなんだよ〜?」

本当に、由希子ちゃんには感謝してもしきれない。私に、あの時、声をかける勇気をくれたから。

「あの、鈴さん、ちょっと、二人で話があるんですけど・・・・!」

「なになに〜?悠矢、ごめん。ちょっとだけ席外すね〜」

「聡くんも待っててね〜」

私は由希子ちゃんの話も気になりながら、ちゃんと由希子ちゃんにお礼を言おうと思って、席を立ったのだった。

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