第13話 悔しそうな鈴 By 三和悠矢
「違うって言ってんだろ!お前、人の話聞けよ!」
男が怒鳴ると怖いんだと昔クラスメイトが言っていた。
自分は鈴には怒鳴らない、そう思ってた。
なのに今の俺は、そんな事を忘れてしまうくらい、鈴に自分を責めるのをやめてほしかった。
「俺には、バスケットボールなんてどうでもいいんだよ!あの頃から、ずっとずっと、バスケットボールなんてどうでも良かったんだよ!」
ずっとずっと、そうだった。
バスケットボールをしている中で出会う人は、誰もがバスケットボールを愛している人だった。もっと強い相手と戦う為にレギュラーになりたいって人ばかりで、そのために努力をする人ばかりだった。そこで俺は、好きな人に見つけてもらうために、バスケットボールをしていた。より見つけてもらいやすくなるレギュラーを目指して努力をしていた。
けど、いつも申し訳なくなった。
本気でバスケットボールをしている人がレギュラーになれなくて、好きな人の為に頑張ってる俺がレギュラーになる現状に。
苦しかった。早くやめたかった。
「な、なんで、そんな事、言う、の?」
その声にふと彼女を見ると、彼女は、何故かなかなかやらとても悔しそうな顔をしていた。
「す、すず・・・・」
「バスケットボールを、そんな風に言わないで!」
俺は、なんで鈴が悔しそうにしているのか、わからなかった。
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