第10話 夢を、壊してしまった

「あ、この学校かな?」

「え、なんて学校?」

優衣が学校名を探して、見つけてくれた。

「えっと、西が岡学園」

西が岡学園、確か、最寄り駅が・・・・

「そう!そこ!そこの、バスケットボール選手なはずなんだけど」

「バスケットボール・・・・ちょっとこれ、昨日のニュースだよ!」

「どれ?」

私は優衣にスマホを見せてもらった。


『昨日、行われた、西が岡学園と東明大学のバスケットボールの練習試合ですが、西が岡学園の選手が不在の為、選手変更が行われました。西が岡学園の欠席選手は、高校時代に日本代表選手に選出されたことがある・・・・』


これ、絶対、悠矢だ。

悠矢を、テレビで見てたから、分かる。


『この事を受けて、西が岡学園は、選手の今後については、本人と相談の上で報告すると、発表しました。西が岡学園では、伝統として、忌引以外の欠席を認めていません。忌引での欠席の場合も事前の報告が絶対とされており・・・・』


「うわ〜、こんな伝統、ブラックじゃん!」

「・・・・ねえ、優衣」

「なに?」

「私、最低かもしれない」

「え?」

「私、もしかしたら、人の人生、変えちゃったかもしれない」

そう言った時、私の目から、涙が溢れた。


あ〜、最低だ、私。

こんなこと、あっちゃいけないのに。

私が、悠矢の告白を、振ったから。

悠矢を、私が傷つけたんだ。

どうしよう?

悠矢、あの頃、バスケットボールで絶対活躍するから見てろって言ってたのに。

夢はバスケットボール選手だって、世界で活躍するんだって、言ってたのに。

その夢を、私は壊しちゃった。

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