第2話 誰かとの再会 By 三和
「三和、今日も凄い活躍だったな!」
いつものように俺はサークル帰りに電車に乗っていた。サークル友達で帰りが同じ方向の奴につまらない話をされながら。
「あの!」
そんな時だった。知らない女の人が声をかけて来た。
「私、今日三和と再会出来て、幸せだった」
俺の事を、名前で呼んだ。
それは、過去の知り合いであり、尚且つ、距離が近かった者の証だった。
「え、えっと・・・・」
「ありがとう」
女の人はそれだけ言うと、次の駅で降りた。
「な、なあ、さっきの女、知り合い?」
「あ、ああ、多分」
「あの子、めっちゃ可愛かったね!」
何故か、その言葉に苛立った。
「どこの誰かも知らないけど、こういうのも運命って言うし」
「俺の知り合いだ。勝手に手を出すな」
「分かってるって。そんなにマジで怒るくらいの人なら、誰かくらい分かるでしょ」
そこなんだ。多分分かってる。だけど、決めつけたくは無い。期待していて、違ったら、俺は生きていけないだろう。
・・・・俺は、まだ、臆病なんだ。
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