第二章

第1話  嫉妬心、そして再会

再会を果たした2人を見て私は、若いっていいな、と思いながら、羨ましいと思ってしまった。

そんな嫉妬心を隠すように2人と別れた私は1人電車に乗った。

「三和、今日も凄い活躍だったな!」

三和、その名前に私はついつい反応してしまっていた。

「別に、あんなの大したことねえよ。お前の方がシュート打ちまくってるくせに」

「それは僕が努力してるからでさ。お前、自主練してないんだろ?それであの活躍なんか羨ましいわ〜」

シュート、つまり、バスケットボール?

私はその声のする方向を振り返った。

そこには、私の知っている顔があった。

知っている顔と言っても、私の知っている頃よりも少し大人びて見えた。

「努力出来るくらい、バスケ好きなのが羨ましい」

「は?三和、バスケ好きでバスケのサークル入ってんじゃねえの?」

サークル・・・・

今も、バスケットボール、続けてるんだ。


そんなことはいい。

・・・・声、かけたら迷惑かな?

つい、そんなことを考えてしまう。

絶対、迷惑に決まってるのに。中学で一緒だっただけの私の事なんて、きっと覚えてなんかいない。

『再会という奇跡』

だけど、それでもどうしても、あの二人を見ていると私は、声をかけないなんてことは出来なかった。

「あの!」

自分勝手に電車の中で知らない人に声をかけるなんて、普段の私ならしない。

それでも。

「私、今日三和と再会出来て、幸せだった」

「え、えっと・・・・」

「ありがとう」

私はそれだけ言うと、次の駅で降りた。

たまたま、最寄り駅だったから。

そうじゃなくても、恥ずかしくて降りただろうけど。


由紀子ちゃん、私にも、再会という奇跡はあったよ。ありがとう。

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