第21話 カレカノ

「僕と同じ小学校に通っていた、由紀子は、君しかいないだろ?」

優しい口調で、私にほほえみながらそう言った池谷くんを見て、私はわかった。

私、池谷くんが好きなんだ。

「信じてなくて、本当にごめん」

好きになっていると自覚すると、本当に酷いことをしていたと思えてしまう私が怖くて、謝罪をした。

「謝らないで。別に怒ってないから」

私はその言葉に安心して顔を上げた。

「けど、絶対に離れないって約束して?」

「え?」

こういう時、カレカノなら、離れないよ、とか言うのが正しいのだろうか?

「え?って、今から離れるつもりとか言う?」

「そういうつもりじゃなくて・・・・」

なんか、今までと空気が違う気がする。

別に、好きなんだから、別れるつもりはない。

けど、この世界に絶対は無いし・・・・。

「・・・・離れたいなんて言わせないくらい幸せにするから、離れないで」

「わかった」

これからはカレカノだね〜!などと赤い顔で池谷くんが言うもんだから、可愛すぎた。

そんな彼の彼女になれたことが、私は嬉しく思えたのだった。

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