第8話 女の人からのアドバイス

私が泣いている間に、あの男子は駅員さんを連れて来てくれて、駅員さんに警察に通報してもらっていた。

私は警察の人が到着するまではなかなか泣き止むことが出来なかった。そして、泣き続ける私の側にずっと女の人はいてくれた。


私達三人はすぐに来てくれた警察に事情を聞かれた。あの男子は私がその男性に痴漢されているのをたまたま見かけていたらしい。女の人はあの男子が電車から降ろしてもらう為に言った言葉を聞いて一緒に降りてくれたらしい。

私は事情を説明したら警察の人は不思議そうに

「どうしてすぐに声をあげなかったんですか?」

と聞かれてしまって、即答できなかった。

けれど、女の人が

「そんなの、怖くて言えるわけ無いじゃない。それに今日は満員電車よ?逃げたくても逃げにくい状況だったわ」

と私を庇うように言ってくれた。


警察の人に事情を話し終わったてから、私は女の人に連絡先を聞いた。女の人は快く教えてくれた。

「今度、お礼をさせて下さい」

そういうと、女の人は

「お礼をされるようなことはしてないわ」

と断った。そして、

「それにしても、学生くんと貴方、同じ学校なのね。私よりも先に彼にお礼を伝えるべきだと思うよ。大人の人から貴方を助けてくれた人でしょ?」

そう、言われてしまった。

あの男子と極力関わりたくないけど、助けてくれたのも事実だし、私一人では何も出来なくて実際に倒れそうだった。

「そうですね」

「でも、私、もう少し貴方とお話したいわ。今度一緒にカフェにでも行きましょう?」

そう、誘ってくれた。

なんていい女の人なのだろう?私もこんな女の人になりたいな。そんなことを思った。

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